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第50話【意味深って程じゃないけど】
「長いトイレだったな」
徳田が薄く笑みを浮かべている。柴田、なんかこう、うまく間を持たせられなかったのか。うーん、自分でも無理なことか。
「すみません」
「光誠学園の人間だけがお前の剣道を形作ったわけではない。それは当然だ」
やっぱり一場と話していたのはバレていたか。個人戦ぐらい大目に見てはくれませんかね。
「そういったものへの感謝を表現するのは、お前の性格では難しいことだろう。だが、勝つことは得意だろう?同期、先輩後輩、保護者、応援に駆け付けた方々、今までの対戦相手、そして観客にせてやれ。お前が光誠学園で鍛えてきた剣道を。それが一番得意なのが外田だ。そして周りは、それを一番期待している」
俺に期待してる人のなかに徳田は含まれいるのか?それを直接聞けないことは3年弱の付き合いでわかっている。
徳田の可愛げがないエールを受け取って、試合前に相手をイメージしながらのシャドー剣道を始める。
「恵一、一場はなんつってた?」
ああ、そりゃ気になるわな。
「優勝しなきゃ殺すって」
「え?」
「って言ってた気がする」
「へ?どういうことだ」
「愛の告白だね」
それだけ言って、再びシャドーに没頭した。




