表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/60

第40話【前哨戦?】

 2日目は男子個人戦序盤。我らが矢野は4回戦を突破して、最終日にコマを進めた。3回戦の鵜木(磐城国際大附属)には延長戦までもつれたものの、そのほかでは得意のメンで時間内に畳む。逆に手元を浮かせてのメンや、苦しくなってくっついてきた相手への引き技も温存している。


 内海も難なく勝ち上がる。最終日に準々決勝で矢野と当たることが決まった。


 3日目、男子団体予選リーグ。光誠学園の相手は鹿児島の薩摩商大と愛知の春日井第二。


 特段の苦戦もなく、先制を許さず2勝。くじ引きによって明日の最終日、トーナメント1回戦は、長崎の強豪である島原海南に決まった。




 宿舎に帰ってのミーティング。海南の試合をビデオで見る。思い知らされるのは海南の強さ。海南は例年、光誠とは違って個性というよりは全員が泥臭い剣道をしている。全員体が分厚くて、重心の低い堅いスタイルだ。


 こうなると気になるのが矢野だ。明日は個人と団体の二足の草鞋を強いられる。甲子園と違って、勝ち上がっても休養日なんてない。


「個人戦は時間内で勝負を決めます。最初から1本勝負でダラダラ延長やる気はありません」


 俺の懸念を吹き飛ばすように矢野があっさりと言ってのけた。


「去年団体でコケて、どれだけ悔しい1年間だったか。今の自分があるのはみんなで頑張った結果です。団体で日本一になりたい。個人を捨てる、とまでは言いません。でも、自然と団体の方に力が入るのは仕方ないですよね。要するに、団体と同じくらいのペースで試合を展開してくってだけです。それで負けたらそこまで、予選で負けた人には悪いですけど、個人だから一人で結果を受け止めるつもりです」


 マジかよ。言ったぞコイツ。おいおいおい…。


「わかった。それなら、そういうつもりで指示を出す」


 徳田、あっさり。そのままミーティングは進み、それぞれの狙いどころを確認して終わった。


 徳田が何も言わないのなら、俺らから矢野に口を出すことはあるまい。さっさと各自の部屋に散って床に臥せた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ