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第18話【お前、こういう話もできるのな】

 この光誠学園剣道部を覆う停滞した空気をブチ破ったのは監督の徳田だった。


 稽古が終わると全員を集める。


「お前たちは弱いのか?」


 徳田よ、何が言いたい。


「お前たちは弱いから準決勝で負けたのか」


 さて、負けに不思議の負けなしとはアンタから教わった言葉だが、今回はどういう風に話を持って気だ。


「強い方が勝つのではない、勝った方が強いのだ、という格言がある。果たして俺はどちらとも思わん。確かに章領にはしてやられた。だがそれは決定的な負け方だったか?万全の状態でぶつかった結果か?俺にはそうとは思えん」


 全員が知らず知らずのうちに、固唾を飲み拳をきつく締めて聞き入る。


「単純に誰だって勝つ可能性があるんだ。弱いものだって勝つ、それだけのことではないのか。可能性で言えばお前たちと章領が10回試合したとして9回はお前たちが勝つだろう。そして残りの1回は負ける。これが今回の不足な事態と合わせて巡り合った」


 もうダメだ。


「確かに不十分な点もあったかもしれないが、今回の敗北がお前たちを何か決定づけるものだとは思いたくない。日々の稽古でも選考についても俺は最善を尽くした。それが県予選敗退なのは納得がいかないのは痛いほどわかる。だが、それならばこそ、お前たちはこの程度ではないのを周りに見せてやらなければならないんじゃないか?」


 クソ。この前泣いたばかりだってのに。


「毎日剣を合わせていてわからないか?選手が負けた理由が。勝った試合もそうだ。決まり手に不十分があったか。稽古の取り組みや直近の成績でなぜ選ばれたか不明なものがいるか?俺の目はそこまで節穴だと思えるか?」


 もう嗚咽が抑えられん。


「そうじゃないだろう。出るべく選手が出て、その結果負けたんだ。勝てる相手にだって負けるんだ。それでお前たちがするのはふさぎ込むことではないだろう。次は必然的に勝つ。実力通り勝つ。そのために最善の稽古をする。それも部が全体で団結してだ。今のお前たちが落ち込んでいることを理解できないとまでは言わん。勝てるのに負けたからだ。しかしだ。しかし、このままではまた勝てる勝負を落とすことになる。続けて負けることはお前たちの努力と才能、そして実力に見合った成果だとは俺は思わん。だからお前たちには強い光誠学園の剣道を見せてくれ」


 わかったよ、チクショウ。精一杯やったろうじゃねえか。

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