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異世界ランボーな生活《悪業には、天誅を。スマホ検索で、生活改善。俺の目指すのは、まわりのみんなの笑顔だよ。》  作者: 風猫《ふうにゃん》
第九章 俺の外交は、争いを未然に防ぐことだ。
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第六話 ペルシナ王国、王女ルビー

 ウインランド王国は、兄シャルダンにとっても、私にとっても、初めての外国です。

 この国に入ってからというもの、見るもの聞くもの、すべてが驚きであり新鮮です。

 滞在中は、宰相のお屋敷にお世話になることになりました。奥様のレイネさんは、親身に私の世話をしてくれます。

 姉妹のいない私にとって、姉のように感じられる方です。

 私は、兄とは別行動で、レイネさんと視察をすることになりました。


「レイネさん、私のことは、ルビーとお呼びくださいね。私も敬語は使いませんから。」


「ふふっ、わかりましたわ。それでは、ルビーちゃんと呼ばせてもらうわね。」


「ルビーちゃん、これから案内するところは、孤児院といって、親のない子供達を育てているところなの。

 シスターという、神様に仕える女性が面倒をみてるの。」


 孤児院へ案内されて、シスターはすぐにわかりました。黒い地味な洋服に、頭にも黒い被り物をしているんですもの。

 多勢の子供達が、レイネさんが来たと、歓声を上げながら寄って来ます。

 レイネさんは、王都にある3つの孤児院へ順に回っているそうで、子供達とは顔馴染みなんです。

 それにいつも、お土産に手作りのクッキーを持ってくるので、子供達は大喜びなんです。


『『このお姉ちゃん、誰?』』

「外国のお姫様、ルビー様よ。」

「「えっ、外国? どこ? 遠い国? どんな国?」」


「皆さん、こんにちは。私の国は、西の砂漠を越えたところにあります。草原の中で羊を飼いながら、暮らしている国なんですよ。」


「「砂漠の向こう? 羊を飼ってるの?」」


 子供達は天真爛漫、皆、のびのびと育っているようです。


「ルビーちゃんの国では、親のない子供はどうしてるの?」


「私の国では、親のない子供は、部族全体で育てます。子供は、部族の宝だからです。

 この国には、そういう習慣がないのですか?」


「ええ、この国では、親子の家族がそれぞれ、仕事をして暮らしているの。だから、親のいない子供は、誰かが保護しないといけないのよ。」


「そんな。豊かに見えても、幼い弱い者達が生きてゆくのに、悲惨な国ではないですか。」


「そうね。冨が家族や個人によって、格差の生まれる国ではあるの。

 だけど、夫はそんな国の歪みを無くそうと努力しているわ。」


「私の国では、部族単位で皆を守るという、良い利点がありますが、その部族という単位同士では、干ばつの時など、羊の餌となる水や草地を争い、部族間の戦いが絶えません。」


「そうね。結局は国全体が豊かになり、その豊かさが人々に行き渡らなければ、皆が幸せに暮らせないのよね。」


 私は、一見、我が国よりも豊かに見えるこの国が、人によって格差があるということに、考え込んでしまう。

 国のあり方というものが、どうあるべきなのか、答えはなかなか見つからない。



 孤児院を出て、街を見て歩いた。食べ物の屋台がたくさん並ぶ広場で、美味しいものをたくさんいただいた。

 楽しそうな親子連れが多く見かけられる。その中の一人の子供に声を掛けられた。


「お姉さん、とても変わったお洋服を着ているね。どこか遠くから来たの?」


「そうよ。ずっと西の遠い国から来たのよ。

あなたが食べている果物、美味しそうね。」


「うん、バナナなの。とっても甘くて美味しい。お父さんが遠くのダムの工事に働きに行って、お休みで帰って来て、お金をいっぱいもらってきたから、普段は高くて買えないバナナを買ってもらったの。このお洋服も。」


 見れば、真新しい可愛いい洋服を着ている。屈託のない笑顔で、洋服を自慢げに見せるその子供は、今、とっても幸せを感じているのだろう。

 普段は買えないというところを見ると、そんなに裕福な暮らしではないのだろうが、これも宰相がされた公共事業のおかげなのだと、わかりました。



 宰相のお屋敷では、もう一つの出会いがありました。週末にレイネさんのお母さんと幼い姉妹がやって来たのです。

 聞けば、(けが)れと呼ばれ、忌み嫌われていた、犯罪を犯した人の子供だそうで、宰相夫婦の姉妹として、引き取ったそうです。

 物心ついた頃から、人々に迫害されてきたせいで、対人恐怖症になった子供だそうです。

 この姉妹も、この国の歪みから生まれた被害者で、宰相夫婦はそんな姉妹に、お二人の愛情を注いでいます。

 私も姉妹がほしいと思っていましたから、上の娘のサナちゃんが可愛くて、そっと抱き寄せると、私の国の話をして聞かせました。


「お姉ちゃんの国はね、果てしない草原が続くところで、羊さんをたくさん飼っているの。

 お母さん羊のお乳からチーズやお酒を作るの。春と秋に毛が生え替わるの、抜ける前に毛を刈り取って、糸を紡いで布を織るの。

 お姉ちゃんの着ている服、綺麗でしょう。こんなふうにカラフルな服をいっぱい作るのよ。」


「お姉ちゃんの匂い、いい匂い。羊さんのお乳を飲んでいるからなの? だったら、サナも羊さんのお乳を飲みたい。」


 えっ、私、匂うのかしら。昨日もお風呂できれいに洗ったはずよ。でもまあ、いい匂いならいいかな。


「サナちゃん、大きくなったら、お姉ちゃんの国へ遊びに来てね。羊さんといっぱい遊べるわよ。」


「うん、行く。レナも連れて行く。」


「あらあら、サナをルビーちゃんに取られちゃったわね。だけど、レナは私のものよ。ねえレナ。」


「うん。レイネちゃんが好き。」


「まあ、レナはいい子ねえ。うふふ。」


 この国に来て、改めて思った。優しい人がたくさんいるのだと。

 人は、たくさんの人と出会い、生きていく。

 けれど、優しい人達と出会えることが、どんなに幸運なことだろうか。

 たくさんの優しい人達と出会い、私も優しい人になろうと思うから。


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