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異世界ランボーな生活《悪業には、天誅を。スマホ検索で、生活改善。俺の目指すのは、まわりのみんなの笑顔だよ。》  作者: 風猫《ふうにゃん》
第九章 俺の外交は、争いを未然に防ぐことだ。
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第四話 砂漠を越えて、特命大使カルロ その四

 夕べは、酷い目に会った。戦勝の(うたげ)のはずなのに、俺達はペルシナ王国の人達に囲まれ、我が国のことを根掘り葉掘り、聞かれたのだ。

 息子のシルクも、騎士隊長のマーカスさんも、いや、騎士達も使用人、人夫達まで、喋り疲れて、今朝は皆、ぐったりしている。


 だが、交流の一歩が踏み出せたのは、間違いない。話に及んだが、ペルシナの人達が笑顔で、時には笑い声を上げて、私達の話しを聞いてくれたのだから。


 ペルシナ式の山羊の乳に肉を入れたシチューの朝食を終えると、私とシルクで、ライオネル宰相の元へ向かう。交易の話を詰めるのだ。

 宰相のゲルには、シャルダン王子とルビー王女もいた。


「おはようございます、殿下方、宰相閣下。」


「おはようカルロ殿、シルク殿。 

 昨日の(うたげ)の疲れは、とれましたかな。大人気でありましたからな。 はははっ。」


「シルク殿、我が国の料理は、口に合いましたか?」

「はい、姫様。羊の肉が驚くほど柔らかくて、美味しかったです。」

「良かったわ。喜んでもらえて。」


「さて、カルロ殿。交易品の話じゃが、我が国の何をのぞまれる?」

「はい。まず、これまでも取引させていただいた《ゲル》は、我が国にはなく、重宝しています。

 そして、貴国には、たくさんの羊が飼われている様子。その羊の毛は、貴国でも布として重宝されていると思いますが、これを我が国に交易品としていただきたい。

 あとは、酒や食べ物、皆様が普段から使われて重宝している物など、今回は見本として、我が国へ持ち帰りたいと、考えています。」


「わかった。それらを用意しよう。」


「ところで、シャルダン殿下は、この国のお世継ぎではないのですか。そのような身分の方が外国へ出られるのは、普通なら、ありえないことかと思うのですが。」


「ありえないじゃろうのう。じゃが、へラーク王は、許可された。

 それは、カルロ殿を見て、判断されたのであろう。

 未来の国王を託すに足る男とな。」


「恐れ多いことかと。しかし、我が国の宰相にあって損はないと思いますし、我が国を実際に見ていただくことは、これからの両国にとって、はかり知れない利益が生まれると思います。」


「もう既に、カルロ殿と会えたことが、ペルシナ国の幸運でござるよ。はははっ。」



 3日後、ペルシナ国の交易品を積んだ馬車とともに、私達は、再び砂漠横断の旅に出た。

 ペルシナ国の王子と王女、それに護衛の兵士が20名。護衛の数は、私達に気を使い、同数としたようだ。

 砂漠横断の旅は無事に終り、ラスカル伯爵領に着いた私達は、そこから、《杜のくまさん鉄道》で、王都へ向かう。

 初めて見る鉄道に、ペルシナ国の人達は、興奮を隠さないでいる。


「シルク殿。この鉄道というのは、馬もいないのに、なぜ動いているのだ? 魔法なのか?」


「シャルダン殿下。水を熱した蒸気の力を使っているのです。魔法ではありませんよ。」


「お兄様。それより、この駅弁を食べてみて。麦と野菜や肉の料理が、とんでもなく美味しいのよ。」

 ルビー王女と、護衛の兵士達は、配られた駅弁に夢中になってる。

 シャルダン殿下は、鉄道に興味津々で、なおも質問攻めだ。


「どうして、こんなに揺れが少ないのだ?

 それに、いったい何人がこの列車に乗っているのだ?」


「この車両は、40人乗れます。一つの列車に普通は4両連結してます。人を乗せる客車以外に、荷物を運ぶ貨車を連結することも多いですけどね。

 それから、揺れが少ないのは、線路という鉄の上を走っているからです。

 普通の馬車の5倍以上、速く走ってますよ。馬と違って疲れませんからね。

 王都までは、約8時間。1日の3分の1で着きますよ。

 あっ、駅弁は皆様に楽しんで、もらうために、4食出すことにしてますから。」

 

「まあ、この国では、食事が1日2回ではないのね。いったい何回なのかしら。」


「ははっ、王女様。普通は2回。近年民も豊かになって来て、そういう者達は3回の食事が増えています。今回の駅弁は、特別です。」


「窓から見える草原は、ずいぶんきれいだが、なんの草だ?」


「殿下。見えているのは、小麦の畑です。今、駅弁で食べてもらっている、小麦を人が植えて育てているのです。

 私達の国では、ペルシナ国の人々と違い、畑を作ってその場所に定住しています。」


「この国に、羊飼いはいないのか?」


「羊は少ないですが、牛を飼っていますよ。ただし、小屋を建ててその中で飼育します。

 餌の草は、別な場所で採って与えています。」


「なるほど、定住か。それで《ゲル》ではなく、木などで作った家に住んでいる訳か。」


「ウインランド王国は、豊かな国なのですね。

 争いもなく、民達には、笑顔が見えるわ。」


「姫様。それは違います。ほんの数年前までは、この国も貧しい暮らしをしていました。

 農地を広げ、人々の生活を豊かにする道具を普及し、そして今、王国中の貧しい人々を豊かにするために、王城が頑張っているのです。

 王国は広く、まだまだ、貧しい人々が多勢います。

 我が国の宰相、コウジ様は、そんな王国を変えようとなさっています。

 国王陛下も、貧しい人々がいなくなるまで、ご自分も質素な暮らしをされると、誓われました。」


「この国の目指すものがなにか、それを知らねばならんな。私の隣国がどういう国なのか、この旅で見させてもらおう。」


「シャルダン殿下。王城でアレク国王陛下と、コウジ宰相がお待ちしてます。

 お二人から、存分にお聞きください。」


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