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異世界ランボーな生活《悪業には、天誅を。スマホ検索で、生活改善。俺の目指すのは、まわりのみんなの笑顔だよ。》  作者: 風猫《ふうにゃん》
第九章 俺の外交は、争いを未然に防ぐことだ。
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第三話 砂漠を越えて、特命大使カルロ その三

 戦いが終わって、私達は固まって、事態が終息するのを待っていた。

 王のゲルの付近では、慌ただしく、多勢の人の出入りが続いている。

 そんな様子をぼんやり眺めていると、ゲルから数人の男がこちらに向かって、歩いて来る。

 先頭を歩いて来る男には、見覚えがある。宰相のライオネルだ。私は、立ち上がって、彼らを迎える。


「カルロ殿。へラーク王が、皆さんにお越し願いたいと言っております。」

「わかりました、伺います。」


 ライオネル宰相の後に続き、王のゲルに入ると、周囲には、多勢の部族長らしき人達がいた。

「おお、カルロ殿。待たせてしまってすまない。

 皆と今後のことについて、話していたのでな。

 まず、この度の助成、(かたじけ)ない。

 貴殿の献策と、そこにおられるマーカス殿ほか騎士の皆様のおかげで、勝利することができた。

 この恩は、儂が生涯忘れ得ぬものじゃ。」


「もったいないお言葉、ありがとうございます。

 私達にとりましても、この度のことは、ウインランド王からの使命を成すために、避けて通れない(いくさ)でした。

 へラーク王陛下が勝利を収められて、安堵しております。」


「儂にできることであれば、どのような恩賞でも取らす。望みを言うてみよ。」


「私達の使命は、この国と国交を結び、通商を安心して行うことでございます。

 どうか、ご裁可をお願い致します。」


「うむ、異存はない。裁可しよう。ライオネル、何かあるか。」


「陛下。この度のカルロ殿達の働き、何もお礼をせずには置かれません。

 カルロ殿には、我がペルシナ王国の族長の身分を。マーカス殿と騎士の皆様には、へラーク陛下の勲章を送ることを進言致します。」


「うむ、それでも十分とは言えぬが、今できることは、そんなところじゃろう。

 ライオネル、進言を認める。手配せよ。」


「父上、お願いがあります。」


「なんじゃ、シャルダン言うてみよ。」


「ウインランド王国との国交、誠にめでたいことと思います。国交を始めるには、相手国のことを知ることからと思います。

 ついては、このシャルダンに、ウインランド王国への視察をお命じください。」


「父上様、私も外の国を見たいのです。兄様と一緒に行かせてください。」


「むむ、シャルダン。見聞を広めるのに良い機会じゃ。行って来るがよい。

 ルビー。シャルダンが一緒ならば、安心じゃろう。一緒に行って来るがよい。

 カルロ殿、という訳じゃ。二人を頼めるかの?」


「はい、喜んでお引き受け致します。また、お二人のことは、全力でお守り致します。」


「頼む。国交のことは、あとでライオネルと詰めてくれ。今夜は、勝利の祝宴じゃ。後ほど案内させるから、参加してくれ。」



 戦いの勝利を祝う宴は、大きなゲルを5つ繋いだ巨大な広間で行なわれた。

 俺達の席は、王族の隣りに設けられ、多くのペルシナ王国の人達の目を引いている。


「初めてお目にかかる。俺は、西端のヤマニ族の族長、マハメドと申す。

 カルロ殿の知略と武勇を聞き、是非、カルロ殿のお国の話しを聞きたくて、声を掛けさせてもらいました。」

「儂は、ムジーナ族の族長、メッシだ。儂もそなたの国の話しが聞きたい。」

「俺も。」「儂も。」「私も。」「「俺達も。」」

 俺達の周りには、話しを聞きたいと、皆が集まって来る。よし、ここは、息子を売り込むか。

 その前に、ここは、商売をするぞ。


「その前に、、皆様に、飲んでいただきたいものがあります。

 我がウインランド王国の自慢の酒、ビールと焼酎でございます。

 味を見てやってください。」


『『『おおおっ。』』』


 使用人達が、ペルシナの人達に、コップに酒をついで、渡してゆく。どの顔も笑顔だ。

 一口、口にしたあとは、皆、驚愕の表情を浮かべている。ビールの苦味と、焼酎のアルコールの強さに、驚いているのだろう。

 ペルシナの酒は、羊の乳を発酵させて造るから、酸味のある酒だ。普段から飲んでいる酒の味との違いに、戸惑いもあると思う。


「カルロ殿。この酒は、これから我が国に売ってもらえるのか?」


「もちろんでございます。そのために、持ってきました。」


 皆、皆、わあわあ、大騒ぎである。少し、落ち着いたところで、シルクに声を掛ける。


「シルク。皆さんに、我が国について、概要を話してあげなさい。」

「えっ、はい。僕達の国は、ウインランド王国という名前で、54の貴族の領地に別れています。南北は馬で5ヶ月、東西は馬で4ヶ月程の広さがあります。

 ウインランド王国の主たる穀物は、ライ麦の粉を焼いて作るパンです。ライ麦は王国全土で広く栽培されています。

 北方では、冬は雪が降り積もり、近年では、酪農やキノコの栽培、石炭と鉄鉱石の鉱山が行なわれています。

 南方は、一年中温かな気候で、近年、南国の果実やサトウキビの栽培が始められています。

 東部は、最も栄えている地域で、小麦を中心とした農業、酒から洋服までの商業、鉄器や陶器などの工業も進んでいます。

 王都のある中西部は、ライ麦が中心ですが、近年、小麦の栽培も増えています。

 王国は、ここ数年の発展が目覚しく、鉄道という乗り物が国中を繋いだおかげで、国中のどこへも、1〜2日で行けるようになりました。

 おおよその話しは、こんなところです。」


「ウインランド王国の北にも、国があるのではなかったかな。」

「ええ。二年前まで、ドロシア帝国という国がありました。二年前、干ばつで食糧難に(おちい)り、我が国へ攻め入って来たのですが、逆に我が国が帝国を滅ぼし、現在は王国の一部となっています。」


「おお、なんと。帝国を滅ぼしたとは。」


「ここからは、(カルロ)が話そう。

 我が国は、他国を攻めようとは、考えていません。攻められたので、防衛したまでです。

 帝国は、宣戦布告もなしに、攻め入ってきました。そんな国の統治者は、放置すれば何度でも戦争を仕掛けて来るから、攻め滅ぼす。

 そして、帝国の民も飢えることのないようにする。


 今回、私がペルシナ王国に遣わされたのも、隣国と交流があれば、互いの国の事情も理解でき、飢饉や災害時に助け合うこともできる。

 そのような考え方からで、ございます。


 そして、これが国王陛下が全幅の信頼を置き、民達からこの上なく敬愛されている、我らがコウジ宰相のお考えです。」


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