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異世界ランボーな生活《悪業には、天誅を。スマホ検索で、生活改善。俺の目指すのは、まわりのみんなの笑顔だよ。》  作者: 風猫《ふうにゃん》
第九章 俺の外交は、争いを未然に防ぐことだ。
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第一話 砂漠を越えて、特命大使カルロ その一

 私の名前は、カルロ。ハーベスト領の領都ブルータスの街で酒造りと、日用品の商売を手広くやっている。

 特に酒造りは、コウジ様から様々な種類と醸造方法を、独占的に伝授されたおかげで、王国内でも有数の商人と呼ばれるようになることができた。

 コウジ様とは、もう長い付き合いになる。6年前に、護衛をお願いしたのが縁の始まりで、今では家族ぐるみで親戚のような間柄になっている。

 

 コウジ様は、天才とも言える才能の持主だ。

 この6年間、みるみるうちに才能を発揮され、周りの人々を危難から救ったばかりか、国王陛下からも認められ、護国卿なられたことですら驚きなのに、さらに宰相にまでお成りになった。

 最近では、南方地域の水不足を解消するために、巨大なダムの建設を始められ、その建設に王国中から10万人もの人手を集めたというのだから、驚きを禁じ得ない。

 しかも、一ヶ月働くごとに一週間の休みを与えるというのに、感心する。

 人夫達は、王国中から来たもの達だ。一週間も休みがあれば、皆《杜のくまさん鉄道》に乗り、各々の故郷へ帰省する。

 そして、稼いだ金を故郷で使うのだ。故郷の街や村もさぞかし、(うるお)うことだろう。

 まるで、政治とは、このように行うのだと、見本を示されているような施政ぶりで、今や、王国中から尊敬を集めていらっしゃる。


 

 そのコウジ様から頼みがあると呼ばれ、私は王城へやって来た。

 そして案内された広間には、驚いたことに、コウジ様だけでなく、国王陛下と数人の大臣の方達までいた。

「カルロさんお久しぶりです。忙しいところお呼び立てして申し訳ない。

 信頼できる商人のカルロさんでなければ、頼めないことなので来てもらいました。」

「カルロ、余がアルクじゃ。そちの造った酒は、儂も毎晩楽しましてもらっておるぞ。」

「それは光栄にございます。帰ったら職人達に伝えさせてもらいます。皆、喜びます。」

「カルロさん、カルロさんに頼みたいことというのは、西方の砂漠の先にある国へ行って、国交を結んで来てもらいたいのです。

 以前から、テントハウスの《ゲル》を購入してもらったりして交易実績のある、カルロさんなら彼らに信用もあり、向こうの王に会うことも可能だと思うのです。

 どうか頼まれて、くれないでしょうか。」


 突然の話に、思考を巡らせる。西方の国、かの国は、草原地帯の遊牧民の国だ。

 常に移動して暮らしているから、その時々でいる場所が違い、王に会うというのは、困難を極めるだろう。

 下手(へた)をすれば、一年、二年かかるかも知れない。もしかすれば、その地で果てることもありうる。

 もし、私が断われば、違う誰かが行くことになるだろう。地理も、伝手(つて)もない誰かに負わせてもいいのか。

 私は、コウジ様のおかげで、ここまでやってこれた。大商人になる夢もかなった。

 あとは息子に、、そうだ、息子に父親の生き様を見せてやることだ。



「私は、コウジ様に返し切れない大恩があります。その頼みは、どんな無理難題でもやり遂げなければと思っています。

 ましてや、王城の皆様からの頼みとなれば、このカルロの身に余る、お役目です。

 生涯最大の大仕事、全力でやらせていただきます。」 


「カルロ、よくぞ申してくれた。儂からも礼を申す。


 それでな、そちを派遣するにあたり、ウインランド王国の《特命大使》に任命するので、よろしく頼む。」


「陛下から言われたとおり、《特命大使》として行ってください。身分は伯爵と同じになります。

 それから、陛下からの親書を持って行ってください。

 あっ、それと、伯爵なので、王国騎士団から20名の護衛が同行しますから、驚かないでくださいね。」

「ええっ。ええっ。驚かないでということだけは、聞けませんよ。無理です。」

 『『『『あはははっ。』』』』



 こうして私は、砂漠を越えた西方の国へ向かうことになった。

 同行するのは、16才になった息子のシルクと、以前ゲルを購入しに西方へ派遣した三人の使用人、ルドル、キャリー、バリー。

 そして、王国騎士団の第三小隊長、マーカスさん以下20名の騎士の皆さん。

 商隊の荷物を運ぶ人夫が15名で、総勢40名の多所帯となった。


 

 王国の最西端、ラスカル伯爵領を出ると、そこは果てしない砂漠が続く。商隊は、途中にある数カ所のオアシスを経由しながら、一路西方を目指す。

「カルロ殿、砂漠も今日で五日目、そろそろ遊牧の民達が住む、草原地帯に着く頃ではありませんか?」

「マーカス隊長、次のオアシスで砂漠は終わりです。騎士団の皆さんには、不便を掛けますが体調を悪くした方はいませんか?」

「はははっ、ちょうどいい訓練ですよ。いずれこのような場所で戦う時に、この経験が役に立つでしょう。」


 最後のオアシスを出て3時間程進んだとき、前方で砂塵が舞っているのが見えた。

 近づいて行くと、円陣を組んだ一団に、それを取り囲んだ一団が攻撃をしている。

「囲まれている一団は、この国の王族のようです。以前この国へ来たとき、あの旗を見たことがあります。」使用人のキャリーが旗を見て教えてくれた。

「マーカス隊長、囲まれているのは、この国の王族です。助けましょう。」

「わかりました。小隊2組縦隊っ、突撃する。周囲で攻撃している者共を追い払う、続けっ。」

 騎士団は、マーカス隊長率いる10名と、テラス副隊長率いる10名に別れ、攻撃をしている100人ばかりの族に襲い掛かった。

 族達もこちらに気づくと隊列を組み向かって来たが、馬のスピードと操る者の差が明らかに勝る騎士団に、あっという間に蹴散らかされ、半数を討ち取られて退散していった。

 

 使用人のルドルを先頭に、ウインランド王国の旗を(ひらめ)かして、円陣の一団に近づくと、中から身分の高そうな男が出て来て、うやうやしく一礼された。

 俺は、馬を降りて、その男に話し掛けた。

「言葉はわかりますか、私達はウインランド王国の者です。」

「分かりますよ、我々は、ペルシナ王国の者です。危ないところを助けてもらい、礼をいいます。」

「あなた達を襲っていた者は、何者ですか。」

「あの者達は、たぶん私と妹を亡きものにしようとしたのでしょう。」

「失礼ですが、あなた様は?」

「ペルシナ王国の第二王子、シャルダンといいます。」

「兄様、私にもお礼を言わせて。」

 横から、どうやらお姫様が口をはさまれたようだ。

「これは、私はウインランド王国から、あなたの国ペルシナ王国と、国交を結ぶために遣わされましたカルロと申します。」

「まあ。ペルシナ王国の王女、ルビーといいます。危ないところを助けていただき、ありがとうございました。」

「いえ、むしろ、お訪ねしようとしていたところです。助けになれて、幸運でした。」


 ペルシナ王国のお二人に同行して、王のいる野営地へ辿(たど)り着くことができた。

 ペルシナ王国とは、どんなところかな。

 息子のシルクは、いきなり王子様と王女様に会って、オタオタしているが、身分などで(あわ)てていると、コウジ様にお叱りを受けるぞ。

 あの方は、〘話すときは、誰もが一人の人間どうし。そこに身分の垣根などあってはならない。〙という考えの方だからな。

 シルクもこの旅で経験を積み、一人の男として、成長してほしいものだ。

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