↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/136

閑話九 ロッド達のハーベスト帰郷  

 マーレ半島に別れを告げた(ロッド)達は、俺達の使命の成果を報告のために、王城へとやって来た。


「お帰り、ロッド、ラナ、ニーナ、ハルク、テムジン。

 マーレ半島での皆の頑張りは、スフラン伯爵から聞いているよ。

 皆、よくやってくれた。予想以上の成果を上げてくれたし、俺も誇らしいよ。」


兄上(あにうえ)に褒められると、なんだか恥ずかしいです。」

兄様(にいさま)に喜んで貰えて、頑張った甲斐がありました。」

「コウジ(にい)、とっても楽しかったよ。」

(あにい)、俺もマーレの人達に感謝されて、嬉しかったぜ。」

「僕も、ほんとに、いろいろ勉強になりました。」


「皆のもの、長きに渡る役目ご苦労じゃった。

 儂も皆がマーレで行なってきたことを、逐一報告で聞いていたがな。よくぞここまでやってくれたと思うぞ。

 この度の報酬、各人金貨100枚ずつ取らす。」


 『『『『『ええっ。』』』』』


「今夜は、家に泊まるといい。レイネがご馳走を作って待っているよ。」



(あにい)、すげぇお屋敷だなぁ。門を入っても、玄関は、ずっと向こうだぜっ。」

「コウジ(にい)。偉い人って、自分の家の中でも、いっぱい歩いて大変なんだね。」

「あら、うさぎがいるわ。兄様(あにさま)、うさぎを飼ってるの?」

「まさか、庭が自然のままなんだと思うよ。待てよ、熊とか毒蛇なんか、いないですよね?」

 皆、なんか言ってるが、俺もよく知らんから、答えられないんだ。



「皆、お帰りなさいっ。」

「「「レイネさん、ただいまっ。」」」

「ラナちゃん、しばらく見ないうちに、大人っぽくなったわねぇ。

 ニーナちゃんも背が伸びて、美人さんになったわね。」


「姉上、女の娘ばっかり褒めて、不公平じゃないですか。」

「あら、ロッドはちっとも変わってないし、ハルクは、痩せてもいないし、テムジン君は、相変わらず背が伸びてないし、褒めるところがないのよ。

 ハーベストに帰って、ナターシャさんに褒めてもらいなさいな。」


「ロッド兄、無駄だぜ。レイネ(ねえ)は、男は皆、コウジ(にい)と比べるからね。よく見えるはずないのさ。」

「なるほど、姉上には言うだけ無駄かぁ。」


 レイネの心尽くしの手料理を食べながら、マーレ半島での話しを聞く。


「兄上。海岸部に続き、内陸部も石造りの家の建設が始まりましたよ。海岸部の人達が建設組合を作って、建築の請負を始めたんです。」


兄様(にいさま)。育児院では、教会のシスターではなく、街のお母さん達を雇って、交代で保母さんをしてもらうことになったの。お年寄りは、家事の手伝いだから。」


「コウジ(にい)。サトウキビ畑は、観光にもなるぜっ。

 俺よぉ、いたずらでサトウキビ畑に迷路を作ったんだ。そしたら、大人気でさぁ。うけた、うけたっ。」


「オリーブの実が収穫できるのは、来年からなの。それでね、収穫の時には、私にまた来てほしいって言うのよ。

 ちゃんとしたオリーブオイルを作れるか見てほしいんだって。」


「僕だって、また来てほしいって言われてるよっ。オレンジやマンゴーの木の剪定(せんてい)とか、もっと指導してほしいからって。」


「まあまあ、すっかり頼りにされているのね。

 皆、また行ってあげないとね。マーレの人達が待っているもの。」



 コウジ兄上の屋敷で一泊した僕達は、《杜のくまさん鉄道》に乗って、懐かしいハーベスト領に帰って来た。

 ブルータスの街の駅には、孤児院の皆が迎えに来てくれていた。

「ロッド兄ちゃん、お帰りっ。」

「ハルク(にい)、テムジン兄ちゃん、お疲れっ。」

「ラナ姉ちゃん、お帰り、会いたかったよぉ。」

「ニーナお姉さん、お帰りなさい。」

 皆が温かく迎えてくれた。ラナの幼い妹は、よほど寂しかったのだろう、泣いて喜んでいる。


 孤児院へ帰って、報告会だ。皆、僕達の体験を興味深く聞いている。

「シスター。今回のことで、報酬に全部で、金貨500枚をいただきました。

 これは、孤児院でもらったものですから、シスターが管理してください。」

「ええっ。それはいけないわ、あなた達5人の報酬よ。孤児院は、パン工房もあるし、困ってないのよ。」

「えーと、この孤児院から巣立って行く時に、お祝い金として、皆に渡したらどうかな?」

「そうね。きっと役立つわ。」

「ありがとう、皆の気持ちはわかったわ。ありがたく、使わせてもらうわ。」


「なんだあ、お菓子をいっぱい買ってもらえるかと思ったのにっ。」

 「「「あはははっ」」」


「それからね。シスターにもう一つ報告があるんだっ。」

「コウジ兄様(あにさま)が造っているダムの名前なのですが。」

「今回の褒美に、僕達に名前を付けろって。」

「それでね、私達、付けたのっ。」

「俺は、いい名前だと思うんだ。」

『『『『『聖ナターシャダムっ。』』』』』


 「えええっ〜。」


 シスターは、それを聞いて、しばらく放心から立ち直れなかったが、孤児院の皆に、

『ダムが完成したら、見に行こうよ。』

『シスターの像を造って来ようよ。』

『シスターが有名人になるね。』

 と言われて、諦めたらしく、


「まったく、いたずらな子供達ばかりで、困るわ。

 でも、皆、私の子供達だから、仕方ないわねぇ。」


 僕達の家、ハーベスト領にある孤児院。そこには、故郷とも実家とも言える、(ぬく)もりがあります。

 そして、そこには、僕達の大好きな、(ナターシャ)さんがいるのです。

 たくさんの方に、読んでいただきありがとうございます。

 昨日、書き始めてから、最高のアクセスをいただきました。

 とても励みになります。

 どんなところが面白いのか、そんな感想をいただけたら、嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。