第六話 俺とレイネの結婚式の風景 その一
初夏のそよ風が心地よいその日、俺とレイネの結婚式が正午から、ブルータスの神殿で執り行われた。
俺の親族側には、ナターシャ、ロッド、カルロ、ボッシュ、孤児院のシスターと子供達が並んだ。
レイネの親族側は、ハーベスト伯爵夫妻、ポーカー、侍従長、レイネの乳母、侍女が3名。
『今ここに神の導きにより、コウジとレイネの二人が夫妻となり、どんな時も、ちからを合せ、助け合って、生涯を共にすることを誓いその言葉を述べます。』
「私、コウジはレイネを妻とし、健康な時も病める時も愛し、守ることを誓います。」
「私、レイネはコウジを夫とし、敬愛し愛しみ、そして生涯添い遂げることを誓います。」
こうして、俺達は晴れて夫妻となった。
神殿の外には、俺達を祝福しようと、多くの人々が詰めかけ、手に手に花びらを撒いて、まるで花吹雪の中にいるようだった。
孤児院の鼓笛隊を先頭に、領主館までパレードになったが沿道には、人々が立ち並び皆手を振って、俺達を祝福してくれた。
その夜、領主館の大広間では、結婚披露宴が開かれていた。
招待され集まったのは、結婚式に出席した親族一同のほか、ハーベスト領の街や村の代官達、商業ギルドの役員達、鍛冶ギルドの役員達、ブルータスの街の婦人会や街の役員達、そして王家からの使者、リーリッシュ公爵。
乾杯は、その使者の言葉で始まった。
「本日は、ハーベスト伯爵家にとっても王国にとっても、誠にお目出たい日であります。
新夫のコウジ卿は護国卿として、ハーベスト領ばかりでなく、王国に豊かさと平和をもたらしておられます。
先頃は農業学校において、次代の領主となる者達に素晴らしい知識と技術を授け、彼らからも崇拝されております。
アレク国王陛下も高く評価され、今後も期待しているとの言葉を伝えるよう預かって参りました。
新妻のレイネ嬢は、王国でも指折りの才女と評判の美女であります。
数多の者が妻にと密かに思っていたことは周知の事実ですが、常にコウジ卿の傍らに寄り添い、誰もが今日の日を迎えるであろうことを踏まえて、控えていたに過ぎません。
お二人は、私の目から見てもお似合いこの上ないご夫婦と思います。
どうか、お二人の幸せを王国にも分けてくださるようお願いして、乾杯をさせていただきます。《乾杯っ。》」
『『『『『かんぱいっ。』』』』』
長い挨拶に孤児院の子供達が、よく耐えたなぁと、思っていると子供達の劇が始まった。
『私はレイネ、いつかコウジさんの妻になります。』
『俺はコウジ、料理もできるし、洗濯も掃除もできるから、嫁要らずな男です。』
〘あははははっ〙観客の皆の笑い声が響く。
【 ある日、皆で出掛けたときのこと。レイネさんがコウジ兄ちゃんにピッタリくっついて歩いてる。】
『それって、なにしてるの?』
〘クスッ、クスクスッ、〙笑いが漏れる。
【 ある夏の日、皆で海水浴にいきました。水着姿のレイネお姉ちゃんに、見とれてるコウジ兄ちゃんでした。】
『レイネ、可愛くなったなぁ、見とれちゃうよ。』
『コウジさん、ど·こ·見·て·る·のかな?』
〘ワッ、ハッ、ハッ、ハッ、〙
おいおい、どこまで観察するどいんだよっ。
レイネも笑いをこらえてる。俺は赤面だっ。
『レイネ、俺のことが好きなら、結婚してくれますか?』
『ええ、嬉しいわ。でもプロポーズのすぐあとに別な話しをしないでね。』
観客揃って、大爆笑っ。レイネ役のラナが上手過ぎる。
孤児院の子供達は、劇のあと歌もうたってくれた。夏祭りの時の〘盆踊り〙の歌だ。
どこか、郷愁を誘うその調べに、俺は胸が熱くなった。




