第六話 それぞれの戦い3 [ハーベスト子爵家]
俺が各ギルドを回って、協力を依頼していたその頃。
ハーベスト子爵家では、子爵以下、ハーベスト家の主だった者達が集められ、帝国との戦いの準備が話し合われていた。
「皆揃ったようだな。それでは、帝国軍の現在の侵攻状況と、我が領軍が取る作戦について、騎士団長のポーカーから説明する。
しかし、その前に一言うておく。
敵が何万来ようとも、我らのこの地を守り切らねばならぬ。
たとえ、最後の一人となろうとも、諦めてはならぬ。
お前達を頼りにする者がいる限りはな。」
「それでは、私から説明する。
侵略して来た帝国軍は、ホーレーン辺境伯軍を破り、その勢いのままに侵攻を続けている。
王国貴族連合軍は、合流が整わず、もたつくうちに個別に撃破されてしまい、
現在は、ヒーロー男爵領とラスト伯爵領において、熾烈な防衛戦が行なわれている。
だが、圧倒的な兵力の差ゆえ、保って2週間。
そこを突破されれば、次は、我が領の隣グラント男爵領で、このハーベスト領に迫るのも時間の問題となっている。
帝国軍は、5万。我が領地軍は、2000余。
しかし、その差は問題ではない。
我らには、コウジ代行が開発した新兵器がある。まだ数が揃わず、今も生産中だが。
だけど、そんなことは言っていられない。
今から、交代で新兵器を訓練し、一刻も早く全員が使えるように、習熟せねばならん。
また今回、特殊部隊を新設する。
パドラー中隊長。50名の精鋭を選抜し、明日から極秘訓練を実施せよ。この任務には、王国の存亡が架かっている。
全員の奮闘努力を期待する。」
「何か質問は、あるか?」というハーベスト子爵の問いかけに、一人が発言する。
「新兵器とは、どのようなものでしょうか?
それは、たった2000余の我が領地軍で、5万もの帝国軍を打ち破れるものなのでしょうか?」
「ふむ、間違いない。コウジ代行は、そう言ったぞ。
かの者が今まで、嘘を言ったのを、俺は知らぬ。お前達はどうだ?」
「コウジ代行が言われたなら、失礼ながら、子爵様が言われましたより、何倍も信用できるかと。」
「全く、失礼な奴じゃ。当たっとるがな。」
その場は、爆笑に包まれた。
そして誰もが皆、不安を微塵も感じては、いなかった。
それは信頼に足る、あの人がいるから。
「それでは、各部隊長はただちに、部隊を率いて、訓練を開始せよ。」
『『『はっ』』』




