主な登場人物
◆ ヴァレンティン・ローゼンヴァルト
――恐れられる悪役になりたい、世話焼きの侯爵。
27歳。金髪と赤い瞳を持つ、ローゼンヴァルト侯爵領の領主。
重々しい名乗りに意味深な台詞、黒と深紅の衣装。「格好いい悪役」としての演出に余念がない。
領地の仕事には真面目で、困っている人を見つけると、格好をつけるより先に世話を焼いてしまう。本人いわく、それも「完璧な支配」の一環。
三ヶ月間、ニナを屋敷の客人として迎えることになる。
◆ ニナ・ベルネット
――大仰な言葉も素直に受け取る、商家育ちの男爵令嬢。
21歳。亜麻色のボブヘアと黄緑色の瞳を持つ。
家業の商会を手伝うため、交易都市リーヴェンで実務を学ぶことに。親戚の留守をきっかけに、侯爵邸へ三ヶ月間滞在する。
礼儀正しく、素直で実直。分からないことは真面目に尋ね、親切にはまっすぐ感謝する。その率直な反応が、侯爵の悪役らしい演出を思わぬ方向へ運んでいく。
これまでは仕事を覚えるのに夢中で、恋愛にはあまり縁がなかった。
◆ リュシアン・アーベル
――主の格好つけを知り尽くす、冷静な甘党側近。
24歳。青みのある黒髪を後ろで緩く結び、薄紫色の瞳を持つ、中性的な顔立ちの男性。
代々侯爵家に仕える家に生まれ、ヴァレンティンとは幼い頃からの付き合い。
仕事では抜かりなく主を支え、悪役めいた言動には敬語のまま淡々と事実を添える。遠慮のない指摘も、長年の信頼があってこそ。
甘いものに目がなく、自分の菓子の確保にも抜かりはない。
◆ ブラン
――侯爵邸の、ふさふさで穏やかな住人。
白金がかった毛並みを持つ、大きなゴールデン・レトリバー。
人懐こく、撫でてもらうのが大好き。ニナの膝へ顎を預けたり、ヴァレンティンの足元で眠ったりと、館での暮らしを満喫している。
主人からは「忠実な僕」「館の警備を司る者」と紹介されるが、その威厳を尻尾のひと振りで崩してしまうことも。




