さすがです
ゲオルクとアンナはしっかり睡眠が取れて、朝の目覚めも最高だった。
窓の外も天気がよく、窓を開けるといい風が入ってくる。
「まだ昼にはなってないな」
「そうねえ。お腹空いたから、共同食堂……って、行っていいのかしら?」
今いる中央宮殿の隣にある城内礼拝堂の地上階には、城内で暮らし作業する人達用の共同食堂があり、そこはゲオルクとアンナもよく使っていた。
「まあ~……ダメならドア出たトコに見張りがいるんじゃないの?」
ゲオルクは軽く客間のドアを開くと、案の定見張り役の兵士が立っていた。
「あ、ゲオルクさん。どちらへ?」
「ああ……食堂って行っていいのかな?」
「あ、どうぞ。そちらの部屋のジプシー達も食堂に出かけています」
「あ、そう」
そういう事で、ゲオルクとアンナは共同食堂に向かい始めたが、すぐにラーダとゾラ、ベルキとオジさんが戻ってきた。
「居づらくて、戻って来ちゃったわ」
ラーダは苦い顔を見せた。ゲオルクはすぐに彼らが差別を受けた事に気がついた。
「何か取って来ようか?」
「大丈夫。ホラ」
ラーダがそう言うと、ゾラもベルキもオジさんも、両手にしっかりパンやらビールやらを持っていた。
「さすがです」
ゲオルクとアンナは笑った。その時、ゾラが顔を下に向けたまま、ゲオルクの裾を引っ張った。
「んん? 何? ゾラ?」
「わ、私、殺し屋の娘なの?」
「ええ?」
ゲオルクは少し驚いた。アンナも顔をこわばらせた。
「さっき、さ、さっき、オットーおじさんと外で会ったの! オットーおじさんは最初、私って分からんなかったみたいだけど、すぐに気がついて……それで、それで、『昔はよく一緒に仕事した。でもヘマしてアイツは殺されちゃったけどな』って言ってきて……」
「ええ?」
ゲオルクはすぐに理解した。オットーはシュテルン卿の家の捜索に協力する為の移動中に、ゾラと出くわしたのだ。
「あ、あの人……兵士さんに『話すな! 人殺しが!』って言われてて……」
「他に何か言ってたか?」
「『また遊ぼうな!』って……オ、オットーおじさんって人殺しだったの? わ、私、いっぱい遊んでもらった……わ、私、私……」
崩れそうになったゾラをラーダは支えた。
「ほ、ほらほら、せっかくの食べ物を落としちゃうわよっっ。とりあえず部屋の中に入りましょ。あ、ゲオルクさんとアンナさんは食事行ってきて大丈夫だから」
「ああ……」
そうしてラーダとゾラとベルキとオジさんの四人は、昨日泊まった部屋に入っていった。
「あら~……」
アンナは何か話そうと思ったが、何も言葉が出なかった。
二人は食堂に向かった。
ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございます!
次回あたりてまたお話が動きますので、宜しかったら次回も引き続きお付き合い頂けると幸いですっっ。
では今回も本当にありがとうございました!!




