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異世界SF「Nexus World」  作者: だいむね


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9/12

開幕

 ブリーフィングが終わり、各隊員がランダムの位置に転送される。


 オッフルはネクサスアビリティの『レーダー』を見る。転送位置を確認するためだ。

 

『レーダー』は仲間を識別する機能もある。それでサクリとアパルの位置をまずは見ようというわけである。


 そして、転送位置は最悪であった。

 サクリを中心に包囲網ができているといった感じで皆が転送されている。


 最悪、一瞬でサクリが落とされる心配が出てきてしまった。


[サクリ、ステルスで隠れろ。お前はマークされている上、今の転送位置が最悪すぎる。包囲網を搔い潜って合流しよう]とオッフルが魔法通信で指示を出す。


[了解! 後で会いましょ!]とサクリが返事をする。


[アパルは俺と合流だ。そんなに離れていないから大丈夫だろう]とオッフルがアパルに指示を出す。


[サクリを助けに行ってもいいけど合流で大丈夫?]とアパルが質問する。


[2分隊を正面から相手したら数で負ける。サクリが逃げれることに賭けるほうがいいと思う]とオッフルが返した。

 実際、数の有利というのはそれだけで戦局を有利に進めることができる。


[確かに。なら合流だね]とアパルは納得してこちらに向かってきている。

 サクリも『ステルス』を使用して『レーダー』上から消える。


 この選択がどう出るのか、彼らはまだ知らない。


 ☆


(2人が『レーダー』から消えた?スナイパーは1人なのに、妙ね)とジーニアスがネクサスアビリティの『レーダー』を見ながら考えている。


 ジーニアスは頭がよく、一般教養試験で2位の秀才だ。そして、その頭脳は戦闘にも活かされる。


(1人は集団の真ん中、もう1人は集団の外側から消えた。真ん中の人は恐らく超不利な転送位置か、自分がマークされていると自覚がある人物ということ)と考えるジーニアス。


(誰かはわからないけど、まずはその人を確認するのがいいわね)と考えがまとまったジーニアス。


[2人とも、集団の中で消えた人がだれか確認するわよ。それがサクリならそのまま落とす、そうじゃなければ捜索をしましょう]


[承知]とニアが返す。[OK!]とアステールも返事をする。


 3人とも消えた人物を探しに渦中に向かう。


 ☆


[俺外に消えたやつが1人いるぞ]とハハムが『レーダー』を見ながら言う。


[誰だ?]とレクエルドがハハムに確認をとる。


[わからないが、集団になっているうちの1人だったぞ]とハハムが『レーダー』の情報を伝える。


[そいつをとりあえず全員で見に行くぞ。異論あるか?]とレクエルドが魔法通信で3人に問いかける。


[見つけた相手がジーニアスなら私は落としに行く、サクリならあなたに任せる。それ以外なら捜索を続行するでいいかしら?]とアウローラが質問する。

 意見が割れているからこそ、質問しているのだろう。


[構わねぇ。それでいくぞ。ハハム、位置を教えてくれ]とレクエルドがハハムに位置を聞く。


ハハムは全員に指示を出し、皆がそれぞれ集団の中心へ向かうのであった。


 ☆


『ステルス』を使用しながら円の外から出ようとするサクリ。全速力で駆け巡る。


 後ろから気配を感じ、振り向くとニアが斬りかかっていた。

 咄嗟に『シールド』を張ることで防ぎ、バックステップをとって距離をとる。


 サクリはニアに見つかってしまった。恐らく、ジーニアス隊がすぐに駆け付けるだろう。


[こちらニア。サクリを発見。戦闘に入ります]とニアが魔法通信で発見した旨を伝える。


[了解。全員ニアのところに集合よ]とジーニアスが指示を出す。


[了解!]とアステールが返す。


 サクリはニアから逃げる方法を考える。それと同時に魔法通信で連絡を取る。


[こちらサクリ。ニアに見つかったわ! 逃げれないか考えてるけど無理そう!]と伝えた。


 オッフルは自分の判断ミスを悔やみながらも表には出さず、[すぐに向かう。死ぬなよ!]と返した。


 サクリは元気よく[任せなさい!]と返した。


 ニアは隙を与えんとばかりに距離をずっと詰めている。

 

 サクリは魔法戦士と呼ばれるポジションで、剣と魔法を両方扱う。サクリの場合は盾も持っている。

 距離を詰める理由は、サクリの弾が強力すぎるので、それを打たせる暇を与えないためだろう。


 サクリはニアを振り払えずにいた。ずっと近づかれてイラついていた。


 【この!】と言いながら西洋剣を振るうサクリ。それを西洋剣で受け太刀し、さらに距離を詰める。

 全力の一撃でニアが大きくノックバックする。その隙にサクリは珠を作り出す。


 このままではまずいと察したニアが近づこうとしたが、間に合わないと悟り距離をとる。

 サクリが弾を射出する。サクリよりも大きいその珠を、ニアに全力でぶつける。


 ニアはシールドを張るが、防げないと悟りおもいっきりサクリから距離をとる。    

 全力疾走である。

 そこに、シールドが4枚追加される。


 サクリはジーニアス隊が合流したことを悟る。そして、その勘は当たっていた。


【おまたせ。よく耐えたわね】とジーニアスがニアをほめる。


【待たせてごめんね! 今から力になるね!】とアステールがニアに謝る。


【2人ともありがとう。すごく助かる】とニアは返す。本心だろう。


 3人相手に逃げ切らないといけなくなったサクリ。状況は絶望的である。

 ただ、ここさえ凌げば合流できる。そうなればこちらもやりようがある。


 空いたスペースにダッシュするサクリ。この状況を打破するために合流するためだろう。


 そのスペースに複雑な軌道を描きながら弾が飛んで来た。その弾を『シールド』で遮断する。


[こちらレクエルド。サクリを発見した。ジーニアスもいるが、どう動く?]とレクエルドが魔法通信で報告する。


[……なるべくジーニアスをマークしながら、サクリを落としましょう。サクリを落としたらすぐにジーニアスを落としましょう]とアウローラが返答する。


[それで行くぞ。ハハム、『レーダー』の情報を共有してやれ]とレクエルドがハハムに指示を出す。ハハムは[了解]と告げ、指示に従う。


【ここからが勝負どころね! 切り抜けてみせるわ!】とサクリが意気込む。


 三つ巴の激戦が今始まる。

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