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異世界SF「Nexus World」  作者: だいむね


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10/12

隙

 オッフルは苦しんでいた。最悪の状況になってしまったからだ。

 サクリが全部隊に包囲されている。


 包囲網の外で合流したオッフルとアパルは考える。


【狙撃で逃げる隙を作り出そうと思う。中距離組が包囲網をコントロールしているから、魔法使いを狙おうと思う】とオッフルが提案する。


【具体的に誰を狙うつもりだい?】とアパルが問いかける。


【エルドが一番脅威だから、エルドかな。今後の展開で一番めんどくさい魔法使いだと思う】とオッフルは返す。


 レクエルドは『アングル』を使いこなす技術の高い魔法使いである。戦闘のセンスもよく、周囲から警戒されている。

 訳のわからない軌道で弾を撃ってくるので、対応が難しいのだ。


【一応確認だけど、撃てる?】とアパルがオッフルに確認をとる。


【魔法使いなら近くに味方がいることもないだろうから大丈夫……だと思う】とオッフルは多少不安げに返した。


【アパルも1番近い魔法使いを倒してくれると助かる。スナイパーのハハムを見つけたら最優先で倒してくれ】とオッフルがアパルに指示を出す。

 1人でも魔法使いを減らそうという作戦だ。


【了解。お互いうまくやろう】と言い、アパルは『ステルス』を起動してレーダーから消える。

 オッフルも『ステルス』を発動してレーダーから消えた。


 ⭐︎


[オッフルとアパルがレーダーから消えたわ。奇襲に注意して]とジーニアスがニアとアステールに注意を促す。


[承知]とニアが返す。アステールも[了解!]と返事した。


(オッフルはここ最近スナイパーの動きをしていない。なら2人とも奇襲かしらね)とジーニアスは分析した。


 一方レクエルド隊は[みんな、2人レーダーから消えたみたいだ]とハハムが隊員に連絡する。


[多分オッフルとアパルね。てことは奇襲狙いかしら]とアウローラが返答する。


[多分そうだろう。奇襲に警戒しつつ、現状維持をするぞ]とレクエルドが指示を出した。


 隊員から[了解!]と返事をもらう。


 サクリを中心とした包囲網はレクエルドとアウローラを中心に魔法使いが位置を調整し、サクリを中央から逃がさないようにしている。

 それを近距離組がサクリに斬りかかることでサクリに何もさせずにいた。


(これじゃ何もできない!)とサクリが焦ったくなる。


 しかし、包囲している側もサクリを崩すことができないようだ。

 剣と盾、『シールド』を駆使して攻撃を防いでいる。


 包囲する側は(弾だけは撃たせるな)と全員が考え、この包囲網をつづけるしかない。 


 焦ったくなったサクリが自分の周囲に『シールド』を展開した。1枚で周囲を覆ってしまうほど大きな『シールド』だ。普通なら耐久力が落ち、破られてしまうだろう。


 実際それを隙と捉えたハハムがサクリを狙撃した。

 しかし、シールドは全く破られる気配がなかった。


 サクリは【プリマーヤ!】と叫んで体の何倍も大きさがある珠を生成する。

 その珠を分割し、四方八方に弾を放つ。


 その場の全員が『シールド』で『プリマーヤ』をシールド2枚で防ぐ。


 魔法の弾は魔力量によって威力が増す。サクリは魔力量が上限を超えているため、威力がとんでもないことになってしまう。

 故に、全員が防御に回らざるを得なくなった。


 そして、その隙にオッフルがハハムを狙撃した。

 ハハムは突然の狙撃に対応できず、ネクサス体が解除され、石板の前に転送された。


 【狙撃ってことはオッフルか?!】と驚くレクエルド。味方を撃ち、トラウマになって以来、彼は模擬戦闘訓練で狙撃をしていない。

 完全なる初見殺しが決まったのである。それも最高の相手であるハハムにである。


[レーダー役がやられちまったな。全員ある程度まとまって動くぞ!]とレクエルドが指示を出す。


 レクエルド隊のネクサスアビリティは『レーダー』ではない。『プリマーヤ』である。『レーダー』をハハムに一任しているため、ハハムが落とされると『レーダー』を失うのだ。


 そしてこの騒動の間に、アパルがアステールを落としていた。『ステルス』で『レーダ』上から消えての奇襲である。


【待たせたな。助けに来たぞ】とオッフルがサクリの元に辿り着き、そう告げた。


【僕も助けに来たよ】とアパルもサクリに告げた。


【待ったわ! ありがとう!】とサクリが2人に返した。


 包囲網が崩れ、各々の隊が合流を選択した。

 

 ここからが本番である。

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