第二の犠牲者
魔理沙。私の親友。出会ったのは私が9つの時だった。彼女はこの街に迷い込み、母に助けられた。魔理沙はそれ以来よく私の元へ来るようになった。しかし、幸せな時間はそう長くは続かなかった。
自らを邪神と名乗る男が残酷にも住民を殺した。その住民の中には私や魔理沙の両親も含まれていた。ただ私達は泣き叫び、逃げ続けた。死にたくなかった。
そして、天高くから一人の男が飛んできた。彼の実力は確かだったが、邪神はそれ以上に強く、男は少しづつ押されていった。
「私の魂を見つけなさい。そうすれば全ては元通りになる。」
男はそう言い残し、再び邪神の元へ向かった。そして世界は光で包まれ、邪神も男も残っていなかった。ただ残ったのはひどく荒れ果てた村と住民の亡骸だけだった。
あの男が言っていた彼の魂。それは雨琉雪の魂。創造神の魂。この幻想郷を、いや全ての真実を創った神。しかし何かを創るということはゴミがでる。それはあまりにも害悪なものだった。
「見つけたわ…邪神…」
その男は雪に少し似ていた。灰色の髪にスラッとした体格。しかし圧倒的な邪気。目が合っただけで殺しに来るような残虐さ。恐ろしい。今すぐにでも逃げ出したい。
「私を知っているとは…あなた、何者ですか?」
男は不敵な笑みを浮かべていた。返答を間違えれば即座に殺される。間違わなくともそのうち殺される。詰みだ。だが、せめて一撃でも食らわせないと気が済まない。
「答える必要は…ないわ。」
私は最大速度で男に突っ込む。男は手を突き出してきた。恐らく能力を使うつもりなのだろう。
───夢想天生
私の最終奥義。私はありとあらゆる物から宙に浮き、無敵となる。この状態ならこの男の能力も聞かない…はずだった。
私の胸には邪神の手が突き刺さっていた。つまり、邪神は私の防御を、真実を貫通した。
「そういえばそんな能力を使っている女がいたなぁ〜。まぁ俺には効かないんだけどなぁぁぁ〜」
これが母が負けた理由。冷静に考えていれば分かったことだ。私以上の力を持った母をこの男はいとも容易く殺した。その意味を。
「雨琉雪が創った真実なんて俺には通用しねぇ。俺には俺だけの真実があるんだよ!このヘタレ女!」
雪に伝えなくては。こいつの能力は、真実すらも貫通すると…このまま戦ったら、雪は、死ぬ…
私の最後の力を、博麗の能力を、エネルギーを、雨琉雪に譲渡する。
「雪。後は頼んだわ。魔理沙の仇を、取って…」
俺はその瞬間、何となく空を見た。するとそこにはまるで飛行機の様に飛んでいく魔理沙と霊夢がいた。彼女達は手を繋いで、少し微笑んでいた。俺は酷い喪失感を覚えた。そして全てが伝わった。
「邪神。遂に復活したのか。」
霊夢、魔理沙。お前達の力、使わさせてもらうよ。邪神は、今度こそは俺があいつを殺す。そして全てを元通りにする。
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