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妹が「ずるい!」と言うので、二度目の人生は大公と結婚するのを諦めて辺境伯に嫁ぎます  作者: 江本マシメサ
第四章 ドワーフ族の里へ

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野営の晩

「アウレリアよ、森の行き来でかなり魔石を手に入れられたのではないか?」

「ええ、そうなんです!」


 魔法の鞄から魔石を取りだし、テーブルに並べてみる。

 ついでに鑑定魔法で情報を調べてみよう。


 シルク・スパイダーの魔石 属性:光 ランク:★★★★ 

 シルク・スパイダーの魔石 属性:光 ランク:★★

 フレイム・アントの魔石  属性:火 ランク:★★★ 

 フレイム・アントの魔石  属性:火 ランク:★ 

 ポイズン・バードの魔石 属性:毒 ランク:★★☆ 

 ポイズン・バードの魔石 属性:毒 ランク:★☆ 

 キラー・ラヴィットの魔石 属性:無 ランク:★★★ 

 キラー・ラヴィットの魔石 属性:無 ランク:★☆ 

 サンダー・サーペントの魔石 属性:雷 ランク:★★★☆ 

 サンダー・サーペントの魔石 属性:雷 ランク:★☆

 ホーン・ウルフの魔石 属性:無 ランク:★★★

 ホーン・ウルフの魔石 属性:無 ランク:★


 鑑定魔法で調べた情報を、ハルトヴィヒ様やブリーゼ様にも共有する。


「ふむ……。なかなか興味深いな」

「同じ魔物から作られた魔石でも、ランクが違うんだ」

「個体による強さの違いか?」

「それもあるかもしれませんが、弱らせた状態で魔石化したか、倒した状態で魔石化させたかの違いが明確にありました」


 違いは一目瞭然。魔石化したときの、輝きがまったく違っていたのだ。


「魔石自体も、大きさが違うな」

「そうだねえ」


 やはり生きているときに魔石化させたほうが、よりランクが高い魔石ができるのだろう。


「あと、ある程度弱らせないと、自動吸収オート・ドレインができなかったようで」


 コロカジールのときに自動吸収オート・ドレインできたのは油断していた上に、私を狙っていない状態だったから可能だったのかもしれない。


「なるほど。神々の遺物アーティファクトといえど、万能ではないわけか」

「そのようです」


 分け前はどうしようか。と提案したものの、ブリーゼ様が不思議そうに私を見つめる。


「お前が作った物だろうが。分ける必要なんてない」

「しかし、ブリーゼ様も魔物を倒しましたし」

「いい、いい、取っておけ。私はただ魔物退治に参加しただけに過ぎないのだから」


 何度も危ないところを助けてもらったのに、本当にいいのか。意見を求めるためにハルトヴィヒ様のほうを見る。


「ブリーゼがそう言うんだから、いいんじゃない?」

「わかりました」


 戦闘中、助けてもらったことに対して、感謝の気持ちを伝える。


「律儀な女よ」


 私が律儀な女ならば、ブリーゼ様は寛大な女だろう。

 なんて言葉を返したら、ブリーゼ様は楽しそうに笑っていたのだった。


 ◇◇◇


 お風呂も使っていいというので、ありがたく入浴した。

 簡易的なものだとブリーゼ様は言っていたが、魔技巧品の浴槽があって、不自由なく使える。

 ゆっくり浸かることができて、一日の疲れを洗い流すことができた。


 夕食は屋敷から持ってきていたお弁当をいただく。

 もしかしたらどこかに立ち寄って食べる暇などないかもしれないので、お屋敷の料理人に頼んで作ってもらったのだ。


 メニューは卵、ハム、キュウリの三種のサンドイッチに、ローストポーク、カボチャのテリーヌに、キャロット・ラペ、ジャガイモのガレット、ミートローフ、鴨のコンフィ、鮭のムニエル――どれもおいしそうだ。

 もしかしたらエルフ族であるブリーゼ様は菜食である可能性があるため、野菜系の料理も用意してもらった。

 けれども心配は杞憂だったようで、ブリーゼ様はミートローフを頬張っている。


「うまい料理ばかりだ! とっておきのワインを開けよう!」


 ブリーゼ様は上機嫌な様子でワインを開け、ごくごく飲み始めた。


「ハルトヴィヒも、アウレリアも飲め!」

「ありがとうございます」


 ハルトヴィヒ様は魔物を警戒するため、ワインは断っていた。


「真面目な奴め」

「アウレリアのことを守らないといけないからね」

「ははは、そうかそうか、いいぞ、もっとやれ!」


 私はあまりお酒は飲めないので、一杯だけいただいた。

 付き合えなくて申し訳ないと思っていたが――。


『わ~~、これ、おいし~~』

「おお、お前、ワインの味がわかるのだな!」

『うん、わかるかも~~』


 あろうことか、まーちゃんがワインを飲んでいた。


『ぶどう液、おいしいなあ』

「だろう、だろう」


 ブリーゼ様はまーちゃんの肩を組んで、楽しそうにワインを飲む。

 酒盛りを始めてしまった。


「いい飲みっぷりだ」

『えへへ、おいしいから~~』


 まーちゃんはお酒を飲んで大丈夫なのか。

 ほどほどにしておいてほしい、と物申してしまった。


 夜も更け――私とブリーゼ様、まーちゃんは三人でロフトの寝台で眠る。

 目を閉じると、すぐに意識が遠のいていった。

 かと思えば、ハッと目を覚ます。

 時計を見たら、日付が変わっていた。

 二時間ほど眠っていたのだろうか。

 なんだか胸がざわざわして、目覚めてしまったよう。

 むくりと起き上がると、ブリーゼ様が声をかけてくる。


「アウレリア、どうした?」

「いえ、少し胸がザワザワしていて」

「私だけではなかったか」


 なんでもブリーゼ様の耳には、森の悲鳴が聞こえたという。


「無視していたんだがな」

「何か森で起きているのでしょうか?」

「ふうむ、そうだな……」


 少し様子を見に行ってくるという。

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