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妹が「ずるい!」と言うので、二度目の人生は大公と結婚するのを諦めて辺境伯に嫁ぎます  作者: 江本マシメサ
第三章 リンブルフ辺境伯領へ

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リボン交流会

 あれくらいの年頃の子はどんな物を喜ぶのか。

 わからなかったが、リボンにレース、手袋を用意して待ってみた。

 やってきたルカエルとミカエルは、暖炉前で眠るまーちゃんを見て怯える様子を見せていたが、リボンを巻いているのに気付いて「かわいい」と呟いていた。


「どうぞこちらへ。いろいろありますので、見てみてください」


 私が用意した品物を見るなり、瞳をキラキラ輝かせる。


「何これ、かわいい!!」

「すごい!! おしゃれ!!」


 リボンは何かに使えるかもしれないと思って、たくさん買っておいたのだ。

 まさか、彼らと仲よくなれそうなきっかけになるとは、夢にも思っていなかった。


「こちらがサテンで、これはオーガンジー、レース・ジャガードに、ベルベット――」

「触ってみてもいい?」

「髪に合わせてみたくて」

「ええ、どうぞ」


 二人で楽しそうに、ああではない、こうではないと言いながらリボンを選んでいた。

 妹がいたら、こんな感じなのかな……なんて考えたものの、カーリンがいたんだったと思い出す。

 カーリンとは姉妹らしいことは一度もしなかったな、と遠い目をしてしまった。

 ルカエルとミカエルは時間をかけてリボンを選び、最終的に同じレース・ジャガードのリボンにしたようだ。


「はい、どうぞ」

「え、一巻きごとくれるの!?」

「少し分けてくれるんじゃないの!?」

「二人で分けるので、たくさんあったほうがいいでしょう?」

「そうだけれど」

「でしたら、二人で仲よく分けてくださいね」

「あ、ありがとう」

「大事にするから」

「はい!」


 あと、王都で買っていたお土産も渡す。


「こちら、王都で購入した品物でして、お二人にお土産をと思いまして」

「え、嘘!?」

「お土産!?」


 箱に詰められた化粧品を見るやいなや、驚いた顔でこちらを見る。


「これ、いいの……?」

「すごく素敵な品だわ……!?」

「はい。お二人が喜んでくれると思って、買ってきました」


 喜んでくれたようでホッと胸を撫で下ろした。


「そういえば、レニのリボンもかわいかったわ」

「あれはどこのなの?」

「レニさんへのリボンはわたくしが使っていた品で、個人の工房で作られたリボンだったような気がします」


 同じようなリボンが欲しいと言われたものの、新品はあいにくない。


「わたくしが使っていたリボンならありますが、あれが使用人に下げ渡す物ですので」

「アウレリアにお仕えしたら、リボン貰えるの?」

「そうなの?」

「え、ええ、使用人に私物を下げ渡すことはありますが」

「そうなんだ」

「へえ」


 二人は顔を見合わせ、何やらヒソヒソ話をしているようだった。


「アウレリア、今日はありがとう」

「リボンと化粧品、大切にするわ」


 ルカエルとミカエルは上機嫌な様子で帰って行った。

 ひとまず少しだけ打ち解けたような気がして、安堵したのだった。


 ◇◇◇


 翌朝――思いがけない展開となる。

 私を起こしにきたレニに続き、メイド姿のルカエルとミカエルがやってきたのだ。


「えーっと、ルカさんとミカさん、その格好はどうしたのですか?」

「アウレリア様に今日からお仕えするようにしたの!」

「お母様やお父様もいいって!」 


 いったいどういうことなのか。レニを見ても、困った顔を見せるばかりだった。


「お母様に、行儀見習いをしなさいって言われていたのよ」

「アウレリア様にお仕えしたら、いいと思って」

「そ、そうなのですね」 


 なんでも今日から二人は、私のメイドとして仕えることにしたらしい。

 いきなりの展開に、起きたばかりの頭がついていかない。


「頑張るから!」

「よろしくね!」

「は、はあ……」


 戸惑う気持ちが大きかったものの敵対されるよりはいいか、とひとまず思うことにした。

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