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妹が「ずるい!」と言うので、二度目の人生は大公と結婚するのを諦めて辺境伯に嫁ぎます  作者: 江本マシメサ
第三章 リンブルフ辺境伯領へ

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昼食を

 まさか妖精族と契約ができるなんて……。

 優しい気質の持ち主のようで戦闘能力はなかったみたいだが、今後、魔物の魔石を食べることによって能力を得ることができるらしい。

 今後、さまざまな魔物の魔石を食べることによって、まーちゃん、自信を強化できそうだ。

 そんなわけで、まーちゃんに与えたことにより、コロカジールの魔石は残り四つ。

 鑑定魔法で調べてみよう。鑑定魔法が付与された腕輪を装着した手を、コロカジールの魔石にかざしてみる。すると、鑑定魔法が自動発動した。


 アイテム名:コロカジールの魔石

 属性:水

 ランク:★★★

 説明:コロカジールの核から生まれた高品質の魔石。水に関連した用途に利用できる。


 コロカジールは水棲の魔物だからか水属性らしい。

 まーちゃんの食料以外にも、使い道がいろいろありそうだ。


 ここでハルトヴィヒ様があることに気付く。


「アウレリア、ここに皮とか牙みたいな素材があるけれど」

「まあ、本当ですね」


 こちらも鑑定魔法で調べてみると、コロカジールの物であることが明らかとなる。


「魔石化に必要なのは魔物の体内にある核だけで、それ以外の物はこのように素材化するみたいですね」

「へえ、便利だ」


 これまで魔石になりそうな品ばかりを素材にしていたので、このように別のアイテムを得ることができるのだと驚いてしまう。

 魔物から得られる素材は高値で売れる上に、魔技巧品や武器の素材になる。

 ありがたくいただこう。


 気を取り直して、食事の時間にする。

 敷物を広げ、その上に料理が入ったバスケットを広げた。


「わあ、おいしそうだ」

「朝から料理人に作ってもらったんです」


 卵、キュウリ、ハムの三種のサンドイッチに魚のフリッター、炙りチキンに茹で卵――野外で食べやすいメニューを頼んでいたのだ。


「あー、お腹いっぱい」

「もうよろしいのですか?」

「うん、ありがとう」


 少し余りそうだ。おそらく料理人は三人分くらいの料理を用意してくれたのだろう。

 食後の紅茶を淹れる。昼食のときに使おうと、魔石ポットを持ってきていたのだ。

 湖の水を汲んで入れると、浄化魔法が発動した。ここから自動で沸騰し、あっという間に湯となる。


「それも魔技巧品か」

「ええ、そうなんです」

「水の浄化から沸騰までできるなんて、すごく便利だ」

「本当に」


 茶葉も魔石ポットに直接入れ、しばし蒸らす。

 三分後――紅茶の完成だ。


「うわ、すごくおいしいお茶だ!」


 腕前なんて関係ない。魔石ポットの功績である。

 紅茶を飲むと、ホッと一息吐くことができた。


 まーちゃんがバスケットの中身を不思議そうに見えていた。


『これ、なあに?』

「魚のフリッターですよ。食べてみますか?」

『いいの!?』

「ええ、どうぞ」


 フリッターを一つ摘まんで差しだすと、まーちゃんは嬉しそうに受け取った。

 慎重な様子でくんくん匂いをかいだあと、意を決したようにぱくりと頬張る。


『うっわー、何コレ、おいしい!!』


 どうやらお気に召したらしい。瞳をキラキラ輝かせながら、フリッターを完食した。

 他にも残っていたので、まーちゃんに食べてもらおう。


『わあ、おいしい! これも! これもおいしい!』


 あっという間に食べきってくれた。


『あー、おいしかった!』


 サンドイッチや炙りチキンも、まーちゃんは食べてくれた。

 好き嫌いはないようだ。

 普段は木の実や樹皮を食べていたという。魚は普段から口にしていなかったようだが、水面に跳ねる魚を見て捕まえようと飛び込んでしまったらしい。


『こんなにおいしいもの、食べたの初めて』

「よかったですね」

『うん!』


 私と契約してからはお腹が空くわけではなく、食事は必要ないらしい。あくまで嗜好品として楽しむようだ。


 しばらく休憩してから、移動を再開させる。

 問題はまーちゃんをどう運ぶか、である。


「えーっと、ワイバーンに吊す?」

「それは可哀想かと……」

「だよねえ」 

『大丈夫だよ!』


 まーちゃんはそう言って、太い尻尾で地面を叩く。

 すると、私の手の甲に刻まれていた魔法陣が展開させた。

 まーちゃんはそこをめがけて跳び上がってダイブする。すると、まーちゃんは魔法陣の中に入ってしまった。


「なるほど、まーちゃんは魔法陣の中に収容できるんだ」

「みたいですね」


 名前を呼んだら、すぐに召喚できるらしい。

 ひとまずまーちゃんの運搬問題は解決できた。

 再度ワイバーンに跨がり、大空へと飛び立つ。

 それからというもの、なんのトラブルもなくリンブルフ辺境伯領に到着したのだった。

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