【資料】特定タンパク質研究資料
2034年のラット実験で転送に成功したラットに共通して発見された
特定タンパク質{Omnidimensional Resonance Protein(全次元共鳴タンパク質)}:ORP
は、多次元への対応に不可欠なものであると結論付けられた。
国連はこの研究を監視する直轄の組織、国際多次元技術委員会(UDTC)を設立。
Ωコアの直接利用が出来るターミナルテックにのみこの研究を委託し、対外的には、危険な研究の全面禁止とした。
2035年、特定タンパク質に差異があることが発見される。
特定タンパク質を持たないラットにも、特定タンパク質に良く似た物が一部のラットから発見され、T軸を使用しない、Ω軸のみの転送には、その特定タンパク質に類似したタンパク質を持つラット、及び特定タンパク質を持つラットで成功している。
これを、特定タンパク質のレベルとした。
2037年測定時、人類ではレベル2〜5まで確認されている。
検体数は7,211,428,986(約72億)
保有率は
レベル3が95.84%
レベル4が1.153%
レベル5が0.0000000138%
特筆すべき能力は次元への耐性で、レベル3で3次元以上への耐性。
以降もレベルの数値が、次元への耐性に適合する。
この3次元世界において、レベル2特定タンパク質保持者は、何かしらの障害を持って生まれる可能性が高く、レベル1保持者は死産した胎児からのみ発見。
生存不可能なタンパク質と断定する。
そして副次的な効果として、空間把握能力の高さが文字通りレベル違いである事が挙げられる。
また全ての生物に共通し、レベル5個体には、時折他の個体とは異なる見え方をしている可能性が指摘されている。
特定タンパク質は全ての生物が保有し、ラットのような繁殖頻度と出産率の高い生物ほど、高レベルの特定タンパク質を保有する。
繁殖率と特定タンパク質レベルの分布がおよそ比例することから、世代交代と遺伝的相性などがレベル向上の鍵になっていることが判明した。
追加実験により遺伝的相性のいい、特定タンパク質保有個体同士の番からは、高確率で親を上回る質の特定タンパク質が発生することが確認された。
それでも、1世代の交配のみで1レベル分上がるのに必要な相性の良さは、10億分の1を超える希少な例であると推測される。
また自然界において、特定タンパク質の後天的獲得は確認されていないが、外科手術による一部臓器の移植を起因とした獲得は確認されている。
特に骨髄移植による特定タンパク質を生成可能な造血幹細胞の定着は、遺伝的相性が良ければ特定タンパク質のレベル下降の割合が最も低いことが分かった。
安定した移植には、そもそも遺伝的相性の良さが求められるため、交配による特定タンパク質の質の向上実験と併せ、高レベルORP発現に不可欠な要素となる。
また、クローンには特定タンパク質の生成能力は引き継がれるが、世代を重ねる毎に大きく劣化することが確認されている。
《追加報告》
レベル5保有個体に対し、遺伝的相性計数99.99999998%を示す個体が存在。
上記適合率はおよそ50億人に1人であり、さらに、
・異性個体
・同一国内への出生
・年齢差1歳
という条件を持つ今ケースは、統計学上0として扱う確率である。
Ωコアによる解析結果においても、同等事例の再現可能性が極めて低いと判断された。
今後も追跡を継続し、必要であればΩコアによる接触機会の最適化を行う。
現時点において、本件は人類史上最も有望なORPレベル上昇事例と判断される。




