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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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92/99

これは予定になかった?

コツ…コツ…

霧を利用し、崩れた家々の残骸を伝いながら、

少しずつ、あの奇妙な巨大な機械に近づいていく。

だが不思議なことに、黒い鎧の連中は俺の向かう方向に全く気づかない。

なぜ奴らは兵士のことは知っているのに、俺には気づかないんだ?

だが今はそれを一旦横に置く。

とりあえず、真っ直ぐあの機械へ向かう。

…

ズシ……ズシ……ズシ……ズシ……

もちろん時々は注意を払う。

奴らが俺を見ているかどうかはわからないが、数分おきに黒い鎧を着た数人が機械の近くの道を巡回している。

そんな時は、幸いこの場所には隠れる場所がいくらでもある。

体を低くし、岩や大小の瓦礫に身を寄せ、

待って、また待って、

時には前の道が都合良ければそのまま這って一気に進み、

そうでなければ数分待ってからでもいい。

…

…

すっ.

長い間地面を這いずり回った末、ようやく目的地に着いた。

目の前の機械は、改めて見ると本当に奇妙だった。

異様に高い機械で、全身が二重の厚い装甲に覆われ、中央だけに非常に広い隙間が空いている。

その隙間の中では、無数の螺旋状のものが絶えず震えている。

それに、あちこちに文字が書かれている。

俺が今まで学んだどの文字とも似ていない文字だ。

…

見れば見るほど理解できない。

機械そのものではなく、単純に、

なぜ人魚どもがこの機械を、三方が壁だけの建物の真ん中に置いたのか。

残りの一方は海に向かって真っ直ぐで、何の遮蔽もないのに。

…

カタカタカタ……カタカタカタ……

その疑問より、こちらの方が難しいかもしれない。

どうやってこれを破壊すればいいのか?

特に、数分おきに黒い鎧を着た数人が部屋に入り、いくつかのキーを叩いて出ていくのだから。

…

好奇心から、近くの窓に近づいて中を覗き込んでみた。

もしかしたら弱点が見つかるかもしれないと。

だが、違った。

好奇心に応えたのは、顔に真っ直ぐ吹き付けられる熱い熱気だった。

目が、真夏に保護メガネなしで太陽を直視したように焼けるように痛み、

涙が止まらず流れ落ちる。

音を立ててはいけないとわかっていても、体がもがくのを止められない。

これは……どういうことだ……

さっき近づいた時は……

熱くなんて……なかったのに……

なぜ急に……

…

ブゥゥゥン……

これが幸運かどうかはわからない。

地面でもがいている最中に、音が直接頭に響いてきた。

少し楽になってから気づいたのは、

自分の手が今、奇妙な管に触れていることだった。

機械と、別の小さな家を繋ぐ管だ。

…

…

たど……たど……

少しずつ、その管に沿って体を引き寄せるように進んでいく。

いつの間にか無意識に立ち上がり、周囲の物にしがみつきながら進む。

いつも立ち込めていた霧が、今はほとんど見えなくなっていた。

ただ、管が向かうその家だけがはっきり見えた。

…

コツ…コツ…

この家は、すべての通路が崩れた家具で塞がれているのに、

奇妙なことに、中は異常なほど清潔だった。

家具がないだけでなく、埃ひとつ、水滴ひとつ、亀裂ひとつない。

まるで、ここでは何も起こらなかったかのようだ。

…

コツ…コツ…

そのまま進むと、視界も徐々に回復してきた。まだヒリヒリする感触は残っているが。

そして家の真ん中、伝統的な様式の居間に、

管の終点である、巨大な、透明な液体で満たされたタンクがあった。

…

タンクもかなり高いので、外から家具を何点か運び込み、小さな塔のように積み上げた。

それから自分で登る。塔は絶えず揺れたが、

少なくとも、蓋を少しこじ開けるには十分だった。

コキッ……

ぴちゃ……

「冷たい……」

指がタンクに触れた瞬間、

こんなに冷たいものが、なぜ……

…

まさか……これは、キャンプで聞いたことのある、

大型機械用の冷却液と同じものなのか?

だとしたら……

このタンクを破壊するだけで……

あの機械も自壊するのでは?

…

ふるふる……ふるふる……

待て、落ち着け。

この機械を破壊しただけで問題は解決するのか?

外にはまだ黒い鎧の連中がいる。

それに巨大な怪獣があの辺りをうろついている。

軍は慌てて動けない。その隙に人魚どもが別の同じ機械を起動したらどうする?

…

…

バシャッ!

そうだ!

外の怪獣は、血の匂いがすると必ず現れる。

今この瞬間、

この液体を怪獣の好物に変え、

奴が自ら人魚の見張りを攻撃するように仕向けばいい!

普通なら難しいことだが、

俺にはそれを可能にする能力があるじゃないか!

…

…

なぜ……できない……

俺は……どこで間違えた?

今、手に白い塊がいくつも張り付き、

関節が痛み、皮膚が少しずつ引き裂かれるようで、

冷たい痺れが腕全体に広がっていく。

なぜ、まだ変換されない?

…

そして、俺の手から、

小さな傷を伝って赤い血の滴が流れ始めた。

だがその後に続いたのは、全く予想外のことだった。

俺の細い血の筋から、透明な液体全体が、

徐々に赤く染まっていき、

生臭い匂いが部屋中に広がり始めた。

…

成功した。

できた……

俺は……

…

ガシッ……

一瞬の油断で気づかなかった。

いつの間にか、黒い鎧の三人が俺を取り囲んでいた。

一人が腰と口を強く抑え、

残りの二人が両腕を固く掴む。

そして、

「我々と一緒に来てください。」

「ここはもう安全ではありません。」

「奴らに発見される前に離れましょう。」

…

…

そのまま三人に引っ張られ、巨大な機械から一気に駆け離れていった。

残りの黒い鎧の連中が指を指して駆け寄ってくるのを構わずに。

だが、それも長くは続かなかった。

…

ドォォン……

再びレンガの破片が飛び散り、赤い炎と黒い煙が機械一帯を覆い尽くす。

赤い水が周囲の空間に飛び散る。

もちろん黒い鎧の連中も例外ではなかった。

そして、彼らが最も望まない存在が現れた。

怪獣は味方か敵かなど気にしない。

おそらく知っているのはただ一つ、

食うことだけだ。

ガバッ!

…

…

そこから離れた後、目の前の最大の問題は、俺を取り囲む黒い鎧の三人だった。

どんな方法を使っても、勝てる見込みは薄い。

どうすればいい?どうすれば……

…

スッ……

「突然の訪問をお許しください!」

「ネレウス様の命により、

ここに休戦の提案をしに参りました。」

「敬愛する竜神の末裔よ!」

…

( ╹▽╹ )

「何が……起きてるんだ?」


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