荒廃の裏側
しばらく進んだものの、今はもう車に戻るしかなかった。
背中に、さっきまでまだイライラしていた少女を背負っている。
なぜか今はぐっすりと眠り込んでしまっている。
いくら呼んでも、少女は動かない。
しかし、この廃墟と化した街の真ん中に、しかもあの奇妙な怪獣の領域に彼女を置いていくわけにはいかなかった。
……
彼女は少し変わった性格ではあるが。
だが、
彼女を車に連れて帰る方が、ここに置き去りにするよりはましだ。
……
同時に、車に戻った今でも、
コウカはあの時と同じように、同じ目で、同じ姿勢のまま立ち尽くしていた。
今、頭の中に彼女の言葉が浮かんでくる。
この霧の中には、
この怪獣以外にも何かがあるらしい。
……
だから、
私は少女をコウカの真正面に静かに横たえ、
大きな布を探して全身を覆い、
傍らに置いてあった特別な槍をゆっくりと取り上げ、
それから、濃い霧の方へ体を向けた。
命令を破ったことで処罰されるかもしれないと分かっていても。
手には、コウカから渡された小さな鎌しかない。
バタンッ!
……
……
コツ…コツ…
街の奥へ進めば進むほど、すべてがますます奇妙になっていく。
瓦礫の塊が至る所に崩れ落ち、その間に焦げた木片が混じっている。
数歩進むたびに、いくつかの薬莢と、瓦礫の間に大きく黒ずんだ血の跡が見える。
しかしその一方で、
街の向こう側、いや、街の残りの部分は、
今やすべてが大きな泥の層となっていた。
白い煙が絶えずあちこちから立ち上り、長い間何かを揚げ続けている鍋のような音が響いている。
……
さらに数歩進むと、
目の前に、この場所にあるはずのない光景が広がっていた。
黒い煙の柱があちこちから立ち上り、まだ燃え残っている火の点々。
地面に無数に散らばる薬莢、何丁もの銃がいくつにも折れていた。
大きく黒ずんだ穴、弾痕だらけの壁。
……
しかし何より奇妙なのは、
いくつかの石の塊に、極めて真っ直ぐな切断線が入っていることだ。
まるで特殊な切断機にかけられたか、
あるいは誰かに切り落とされたかのように。
……
コツ…コツ…
さらに数歩。物がそこら中に散乱している。
まだ新しいのに空の缶がいくつか。
半分ほど中身が残っているものもある。
そしていくつかは、踏みつぶされたように歪んでいる。
……
それに沿って、地面に乱れた足跡を目で追う。
気づけば、すべてが一つの方向に向かって集まっている。
しかし足跡ではなく、すべての痕跡が導く先には、
長く真っ赤な直線が同じ方向へ伸びていた。
いくつかの窪みにはまだ鮮やかな赤が溜まっており、
そして、さっきまでの乱雑な足跡とは明らかに違う、深く沈んだ足跡。
……
私は小さな鎌を握りしめ、額に汗が染み出る。
その瞬間から、私は長い血痕の方向を避け、
近くの石塊に沿いながら、周囲に注意を払い続けた。
……
……
コツ……コツ……
本当に奇妙だ。
地面の赤い痕跡を追えば追うほど、
体がどんどん重くなっていく。
一歩一歩がますます遅くなり、
目の前の景色がどんどんぼやけていき、
頭の中では、痺れるような感覚が何度も響いてくる。
まるで自分が巨大な鐘の中に閉じ込められ、
誰かがあらゆる方向から同時に叩いているかのように。
……
ドサッ!
まだ前に進めると思っていた。
だが、どうやら間違っていたらしい。
体はもう起き上がる力もなく、大きな石塊の傍らに崩れ落ちるだけだった。
鼻血が止まらず地面に滴り落ち、
手足はますます麻痺していく。
今や目の前の自分の手さえはっきり見えない。
……
ズズズ……
巨大な黒い影が突然、周囲すべてを飲み込んだ。
近くのレンガや石が白い煙を上げて溶け始め、
私の中の本能が、この体を動かさないよう必死に止めているかのようだった。
今はもう外に出て見る力もない。
しかし、ある感覚がする。
今この瞬間、最も会いたくないものが、
この石塊のすぐ後ろに立っているような。
……
このままでは、本当に終わりかもしれない。
体は動かず、頭は集中できない。
向こう側では、自分が倒れるのをただ待っている者がいる。
車に残るべきだった。
もっと早く離れるべきだった。
もっとうまくやるべきだった。
……シノミを……この光景から……守るために……
……
……
「¥€£$@#π&^¶×」
……
ハッ……!
突然、
すべてが静寂に沈んだ。
目の前の景色がはっきりとし始め、
手足も少しずつ動くようになり、
鼻血も止まった。
……
カラ……カラン……
代わりに、
黒い小さな石片が両側に絶えず落ちてくる。
……
まだ麻痺している左手を少しずつ上げ、自分の耳に触れる。
しかし、
慣れ親しんだ肌の温かさや、いつもそこにあった耳介ではなく、
感じたのは、
奇妙なほど冷たい感触だけだった。
耳の上に、奇妙に硬い何かが載っている。
だがなぜ、
これが当たり前のように馴染み深いと感じるのだろう。
……
……
ズブッ……
何が起きているのか理解しようとしている間に、
すべてを覆っていた巨大な影が徐々に小さくなり、
そして、何事もなかったかのようにすべてが元に戻った。
……
ザッ……ザッ……
迷いなど一切なく、まだ理解できないまま、
泥の表面が波打つのを止めた瞬間、
大きな石塊に沿い、地面の濃い赤い線を辿りながら、
私は全力で足を引きずって走り出した。
今この機会を逃せば、
二度目はないかもしれない。
……
……
ザッ、ザッ……
そして、ひたすら顔を上げず走り続けた後、
目の前に現れたのは、奇妙な巨大な機械だった。
中心部が絶え間なく回転し続け、
私が知るどの照明とも違う、奇妙な灰色の光。
そして、
黒い鎧を着た者たちが機械の周りに散らばって立っている。
以前出会った黒い鎧の者を思い起こさせるが、彼らからは奇妙な不安感が漂っていた。
……
さらに遠くを見ると、
その機械から少し離れた地面の縁で、
すべての赤い血痕がそこで終わっていた。
なぜなら、
今目の前にあるのは、
小さな山。
赤い血が絶えず流れ落ち、
緑色の軍服から、日常の街で見かけるような質素な服まで、入り混じった衣服。
……
小さな山……血だけで作られた山。
男も女も、幼い者も老いた者も、
すべてがただ積み重なっている。
……
一体何が……起きているんだ……
……
……
ズズズ……
しばらくすると、巨大な黒い影がその山を覆い隠した。
巨大な口がぱっくりと開き、
そして、その山が立っていた地面さえも、
何も残らなかった。
……
ギリッ……
目は離せない。拳は何度も握りしめられ、
歯を食いしばり、今この瞬間頭にあるのはただ一つ。
なぜ奴らはこんなことをするのか。
気づいた時には、
体はすでに黒い鎧の者たちの方へ歩み出していた。
……
ガキンッ!
幸いにも、
その時、私の体が突然止まった。
さっきの怒りはまだ残っているのに、
まるで切り取られたように。
……
そして振り返ると、いつからかも分からないうちに、
背中にあるはずの鎌が、大きな石塊に真っ直ぐ刺さっており、
奇妙な糸のようなものが周囲から伸び、私の手に絡みついていた。
手を開いて鎌を放そうとしても、どうにもならない。
……
「貴様、自殺するつもりか?」




