偶然の出会い?
ズシッ……ズシッ……
眩しい陽光が降り注ぐ、見慣れた廊下。
木々の葉は微動だにせず、他に音ひとつしない。
周囲には今や人影ひとつなく、
残っているのは、俺の足音と、
背中でまだ眠っている友人だけだった。
…
ズシッ……
「変だな。」足を止め、周りを見渡す。
「今日はみんなどこへ行ったんだろう?」
...
コツ…コツ…
「そこのお前。」遠くからぼんやりとした人影が現れる。
「なぜ今になってまだこんなところにいるんだ?」
…
ズッ……
「……」人影から目を離せないまま、体が硬直し、軽く後ずさる。
…
トン……
目の前に現れたのは、少しだらしのない服装の青年だった。
外側に大きな緑の上着を羽織り、中には白いセーター。
少し乱れた茶髪と、眼鏡の奥の灰色の瞳。
そして、分厚い手帳を手にしている。
…
「こんな時間にまだここにいるのか?」青年が顔をしかめて自分を見る。
「もうずいぶん遅いってわかってるのか?
さっさと中央エリアへ行け!」
…
ビシッ!
「それに背中の奴はなんだ?」青年の腕がレンを指す。
「なぜ今になって眠りこけてるんだ?
今日がどれだけ大事な日かわかってるのか?」
…
「……」喉が固まり、目を離せない。
…
ギュッ…
「聞いてくれ。」青年が手帳を胸に当て、両腕を組む。
「たとえどれだけ落ち込んでいようと……
自分がどれだけ無能だと感じていようと……
最初から軍を追い出されたいと思っていたとしても……」
...
「あの……」唇がわずかに動く。
...
スッ!
「最低限の礼儀くらいわきまえろ!」青年の手が自分の前に来る。
「動機が何であれ……
今日の選抜には出るべきだっただろう?
隊長たちはどれだけ忙しくても時間を割いてここに来ているんだぞ?
彼らの時間は非常に貴重だ。それなのに……」
…
「僕は……」目を細める。
…
「何か問題があるなら、まず選抜に参加しろ!」青年の視線が真っ直ぐに刺さる。
「どのチームに選ばれようと……
合理的な要求なら、彼らはちゃんと聞いてくれる。
なぜこんな逃げ回る真似をするんだ!
臆病なのはほどほどにしろ!」
…
「それで……」青年が手を少し下げる。
「どう弁解するつもりだ?」
…
「実は……僕たちは……」唇がわずかに動く。
「今はもう……黒鉄さんのチームに入っています。」
…
…
「へっ!?」青年の目が見開き、体が凍りつく。
「本当か?」
…
「うん。」軽く頷く。
「詳しくはよくわからないんですけど……
どうやら……そうみたいです。」
…
…
バッ!
青年がバッと身を屈め、俺に向かって深く頭を下げる。
「申し訳ございませんでした!」
「私の不注意な言動を、どうかお許しください!」
「人を見誤って、つい叱責してしまいました!」
…
(;・∀・)
「大丈夫です!」青年に手を伸ばす。
「早く顔を上げてください!
ちょっとした誤解ですから!」
…
「いけません!」青年は微動だにしない。
「先ほどの行為は、そう簡単に許されるものではありません!
相応の罰を科してください!」
…
( ̄▽ ̄;)
「……」体が固まって青年を見つめる。
………………………………………………………………..
パンパン…パンパン…
青年が徐々に立ち上がり、服についた埃を払う。
「困らせてすまなかった。
急ぎすぎてこんなことになってしまった。」
…
「いえ、大丈夫です。」軽く微笑み、目を細める。
…
パラッ……
「理解してくれてありがとう。」青年が手帳を軽く開く。
「せめて埋め合わせとして……
食堂まで一緒に来てくれないか?」
…
「お誘いありがとうございます。」軽く頭を下げる。
「でも今は少し急いでいて。
ご覧の通り……
この友人をどこかでちゃんと休ませなきゃいけなくて。
他の友達にも会わないと。」
…
ポリポリ…
「そうか。」青年が指で頰を掻く。
「それじゃあ無理だな。
じゃあまた今度会おう!
その時に今日の分を埋め合わせるから!」
…
「ありがとうございます。」ゆっくりと体を起こす。
「では僕は……」
…
カリカリ…カリカリ…
「ちょっと待って。」青年が上着のポケットからペンを取り出し、手帳に書き込む。
「行く前に少しだけ聞かせてくれ。
安心しろ。
すぐに終わる。」
…
「は……はい……」軽く頷く。
…
「食堂の食事はどうだった?」青年が目を丸くして自分を見る。
…
「……」体が硬直する。
…
「飲み物の品揃えはどうだ?」青年がさらに近づく。
「十分に揃っていると思ったか?」
…
「あの……」
…
「それとも即席食品やお菓子の類は?」青年の目が徐々に輝き出す。
「このグループに何か要望はあるか?」
...
「実は……」
…
「揚げ物、生もの、機能性食品はどうだ?」男がさらに顔を近づける。
「薬は?基本的な日用品は足りているか?
店舗のスペースや配置は?」
…
(⊙﹏⊙)
…
「遠慮せずに感想を全部言え!」青年が今や顔のすぐ近くにいる。
…
「実は……」唇がわずかに動く。
「僕……食堂には……一度も行ったことがなくて……」
…
…
(´;ω;`)
青年が深くうつむき、背中を自分に向ける。
…
「あの……」目を丸くして青年を見る。
…
ふぁ〜……
「ねぇ……ハル……」耳元で声がする。
「何……さっきから何でこんなに騒がしいんだよ……
もう……着いたのか……?」
…
「ごめん、レン。」軽く顔を傾ける。
「ちょっとこの人と話してただけだ。」
...
「急がないと……遅れる……」レンが背中に顔を押し付ける。
「みんな……ずっと待ってる……
遅れるなよ……」
…
「わかってる。」軽く微笑む。
…
「って待て。」体が突然止まり、思わず顔をしかめる。
「起きてるなら自分で降りて歩け!
背負ってるの疲れるんだぞ?」
…
スヤスヤ……
…
「おい。」眉が徐々に寄る。
…
「早く行った方がいいんじゃないか?」青年の声が突然響く。
「今ここで言い争っても解決しない。
とりあえずあいつを運んでから後でどうにかすればいい。」
…
「……」視線をゆっくり青年に向ける。
…
スッ……
「今日のことは一旦ここまでにしよう。」青年が名刺を自分に差し出す。
「もし将来何か必要なことがあったら……
遠慮なく連絡してくれ。
自分のできる範囲で協力する。
今日の埋め合わせとしてな。」
...
「でも僕は……」唇がわずかに動く。
…
スッと
「遠慮するなよ、ハルくん。」青年の唇が小さく微笑み、名刺を自分のポケットに滑り込ませる。
「俺はただ……
潜在能力のある人間を応援するのが好きなだけだ。
それに、自分の顧客に悪い体験をさせたくないだけさ。」
........................................................................................................................................................................
ハルの背中が徐々に高い建物の陰に消えていく。
残されたのは、分厚い手帳を持った青年だけ。
視線はまだハルが向かった方向を追っている。
…
タタタッ…タタタッ…
「緊急事態です!」白い服の一団が青年の方へ駆け寄る。
「総司令部からの緊急命令です。
後方支援部隊は全員、直ちに東京へ移動せよとの命令です。」
...
バタンッ!
「今日は本当に忙しいな。」青年が手帳を閉じ、視線を逸らさない。
…
「マツバキ様。」白い服の者たちが揃って頭を下げる。
「申し訳ありません。
ほぼ同一の周波数を検知できたのですが……
予期せぬ障害に遭遇し……
まだ目標に接近できていません。
ですが……間違いないと思われます。」
…
スッ……
「よくやった。」青年が白い服の一団に手を差し出す。
「だが、この瞬間から……
対象に関するすべての件は……
俺自身が引き受ける。」
…
「ですが……マツバキ様。」一人の白い服の男が目を細めて青年を見る。
「最後の者が消えてから……もう何百年も経ちました……
今また……彼らと全く同じ者が現れた……
ここで動かなければ……あの秘密が……」
...
「だからこそ俺が引き受けるんだ。」青年の視線は変わらない。
「お前たちのやり方のままだったら……
あと何回失敗するつもりだ?」
…
「……」白い服の一団が深くうつむく。
…
コツ……コツ……
「フォロックス……イージス……アストラル……ハイドロファラックス……」青年がハルの向かった方向へ軽く歩き出す。
「何年も待ち続け、絶望の中で探し続けた末……
ようやく……この星の禁じられた扉への鍵が現れた。
今度こそ、先輩たちのような失敗は許されない。」




