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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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57/99

いつも通りの一日…?

ぐっ…うっ…

目の前に広がるのは、闇に覆われた空間

両手が痺れて、動かすことすらできない

汗の一滴一滴が、体中を伝い落ちる

耳がぼんやりして、喉が詰まったように苦しい

…

こつん

突然、遠くから小さな音が響く

小さな波紋が、俺の視界に浮かぶ

…

おい…

「ハル。」背後から声がする

…

「ハル。」

…

「ハル!」

………

んん…

目がゆっくり開き、体を起こしていく

ぼさぼさの髪が視界を覆う

…

「ねえ、ハル。」後ろから聞き慣れた声がする

「ハル!」

「起きたなら返事しなよ!」

…

うぅ…

両手でゆっくり髪をかき上げる

目が半開きのまま、体を後ろへ向ける

唇が小さく動く

「レン…なのか?」

「結局…何が…起きたんだ?」

…

「は?」レンの影がぼんやり浮かぶ

「まだ夢見てんのかよ?」

「たった数分前だぞ!」

…

「数…分…」俺は軽く首を回して周りを見回す

「何が…起きたんだ…」

「みんなは…どこに行った…」

…

「どうしたんだよ?」レンの影がだんだんはっきりしてくる

「みんな今めちゃくちゃ大変なんだぞ!」

「みんなの救世主が急に寝てんじゃねえよ!」

…

「そうだ…思い出した…」俺は片手を額に当て、目を細める

「俺たち…訓練中だったよな…」

「そしたら突然…あの野郎が…」

…

「まあ、そう言っても間違いじゃねえな。」レンの影が視線を逸らす

「たぶんクロハさんの影響だろ。」

「まあいいや。」

「さっさと目を覚ましてくれ。」

…

こつん

俺は手探りで周りを探る

小さな物が当たる感触と共に、軽い音がする

妙に馴染みのある感覚

…

「どこだ…」手があちこちを這う

…

ぱさっ

「さっきからどうしたんだよ?」レンの影が白い紙の後ろから現れる

「まさか答え全部忘れたとか言うんじゃねえよな!」

…

「え?」俺の目が大きく見開かれ、体が凍りつく

…

「どうした?」レンが首を傾げて俺を見る

「そんなにおかしいか?」

…...

ガタッ!

教室の真ん中、みんなが顔を伏せている

黒い文字がびっしり書かれた答案用紙が机に並ぶ

俺は椅子から跳ね起きた

視線をキョロキョロさせ、手が制服に触れる

見たこともない制服。

でも、妙に馴染みがある

…

「トガミさん。」教室中に声が響く

「わざわざ全クラスに報告しなくてもいいですよ。」

…

「…」俺はゆっくり振り返り、目を見開く

…

黒い机が置かれた教壇の隅

白いチョークで「テスト」と書かれている

見覚えのある影が、片手で顎を支え

もう片方の手でページをめくっている

「終わったなら他の生徒にもやらせてください。」ハヤマ先生が俺をチラリと見る

……………………………………………………………………………..

「リーン♪」

陽光が隅々まで差し込む中

チャイムの音が空間に響き渡る

本が綺麗にしまわれ

長い列が教室から続いて出ていく

……

ぐーっ~

「助かったー!」レンが両手を組んで思いっきり伸びをする

「今日はもう終わりかと思ったわ!」

「また飯おごってもらうな!」

…

コツ…コツ…

俺は廊下を歩いていく

人ごみをすり抜けながら、視線を絶えず動かす

「ねえ、レン。」

「結局…何が起きたんだ?」

「みんなどこに行った?」

「あの野郎…結局…あいつ…」

…

「は?」レンが目を丸くして俺を見る

「まだ寝ぼけてんのか?」

「それともまだ中二病全開か?」

…

うっ…

「…」俺は顔を背け、手を額に当てて顔を歪める

…

ぽんっ

「ほら、早く覚醒しろよ」レンが俺の背中を叩く

「このままじゃ…」

「学食の行列に勝てねえだろ!」

…

「まあ…そうだな…」俺は前を見て、手をゆっくり下ろす

………………………………………………………………………………….

がやがや…がやがや…

周囲は人で溢れかえっている

各カウンターに行列ができ

机は座る人で埋まっている

…

「今日は急に人が多いな。」レンが後頭部に手を当てて周りを見回す

「どこも満席じゃん。」

…

「別にいいよ」俺は微笑んでレンの方を見る

「なんか買えたし。」

「どこで食べても同じだろ。」

…

フフフ…

「どこでも…いいのか…?」レンが唇を歪めて俺を横目で見る

…

「えと…それは…」俺の顔が青ざめ、体が縮こまる

………………………………………….

ドン!ドン!

真っ白な服を着た人影だらけの部屋

サンドバッグがあちこちで揺れている

汗の滴が床中に飛び散っている

……………

「これ…」俺の唇がピクッと動く、指がその部屋を指す

「マジかよ?」

…

「だって、お前がどこでもいいって言ったじゃん。」レンが首を傾げて目を丸くする

…

「でも…せめて…」俺の顔が強張り、部屋をチラ見する

「せめて…選ぶべきじゃ…」

…

「いいじゃん!」レンが手をブンブン振って、目を細めて笑う

「どうせ通り道だろ?」

……

たたたっ...

遠くから足音が聞こえてくる

…….

「通り道?」俺はレンを見て、顔が強張る

…

ぽん…

「ほら、もう隠すなよ!」レンが明るく笑って俺の肩に手を置く

「みんな知ってるって。」

……

ぱたぱた…

足音がどんどん近づいてくる

……

「知っ…知ってるって何を?」俺の肩が固まる

…

はぁ…

「まだとぼけてんのかよ!」レンが肩を落として顔を伏せる

「いいか。」

…

「武道大会の後から気づいてたぞ。」レンが背中を丸めて俺を見上げる

「その後も何回かあの野郎が来てただろ。」

「体育祭の時も。」

「文化祭の時も。」

…

「結局…お前は何を…言ってるんだ…」俺の体が縮こまり、目を逸らせない

…

「つまり…」レンが目を細めて眉を下げながら

「お前と…」

「…ヤマザキさんのことだよ。」

……………………………………….

ぎゅむっ!

一つの体が俺をがっしり抱きしめる

白い服が視界を埋め尽くす

赤い髪の束が目の前を過ぎる

…

「ハルくん!」頰が相手の体に密着する

「どれだけ待たせたと思ってんの?」

「めっちゃ怒ってるんだからね?」

…

俺は必死に目を見開き

体をよじって相手を見ようとする

「ツメコ…さん…?」

…

ぎゅーっ…

「もう…」ツメコさんがさらに強く抱きつく

「またそうやって呼ぶの?」

「そんな呼び方やめてよ!」

「約束した通り呼んでよね。」

…

「なあ…お前ら…」レンがゆっくり手を上げて目を細める

「悪いけど邪魔してるけど…」

「周りをちょっと気にしてくれないか?」

………

ツメコさんの体がゆっくり俺を離す

顔を耳元に近づけて

「後で続きね♪」

…

「…」俺の顔が真っ赤になり、頭が熱くなる

…

…

プシュー

口が勝手に開いたまま

白い煙が体中に薄く広がる

…

周囲の空間が、急に暗くなっていく

緑色のラインがあちこちに浮かび上がる

そして一つの声が、俺の意識を横切る

「気絶した者たちを全員、早くここから連れ出せ!」


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