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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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56/64

これが現実だ

フェンスの外側、青い服の影が至る所に現れ

足音が四方八方から響き渡る

汗が額の周りを長く伝い落ち

何人かの顔が時折黒い根の方を振り返る

担架を必死に運びながら急ぐ

バタバタ…バタバタ…

「足を速めろ!」高いところに立った青い服の男が、周りをきょろきょろ見回す

「仕事中に寝ぼけてんのかお前ら?」

...

「いいえ、隊長!」声が空間全体に響く

「じゃあそこでへなへな立って何してんだ?」青い服の男が背筋を伸ばし、両手を腰に当てる

「敵が出てくるまで待つつもりか?」

「足を動かせ、早く!」

……

タタタタ…

「報告!」一人の兵士がハガネハラに近づき、手を額に当て、背筋をピンと伸ばす

「当該区域の意識不明者はほとんど搬送完了しました。」

「予備兵も半径10km圏外まで完全に退避させました。」

「ですが…」

「何…だ…?」ハガネハラが目を細め、背中を必死に張る

「武器や装備の話なら…」

「全部置いていけ!」

「命を守るのが先だ!」

「いいえ。」兵士が顔を上げ、担架の方を見る

「ただ…今回の新兵の中で…」

「二人、徐々に意識が戻りつつあります。」

「他にも数名、意識を保っている者がいます。」

「面白いじゃないか!」カンザキが顎に手を当て、担架の方を見る

「今年の第9部隊の新兵も少しは見どころがあるな!」

「俺たちの部隊とは大違いだ。」

「それは…まだ分かりません…」ハガネハラが体を起こす

「俺には…ただの面倒事の山…にしか見えねえ…」

「じゃあ何人か俺に回せよ。」カンザキが目を細め、笑顔で指をフェンスに向ける

「例えば…」

「…あのフェンスの中にいる連中とか?」

「俺に…そんな権限は…ねえよ…」ハガネハラが目を細めてフェンスを見る

「クロガネさんに聞いてくれ。」

チッ.

「あいつに任せたらもっと面倒になる。」カンザキが軽く唇を噛む

…………………………

スゥゥ…

周囲の空間が徐々に暗くなり

一人一人の体が固まるように

視線が一つの点に集中する

ブゥン

光が渦を巻きながら一点に収束し

光の帯がフェンスの向こうへと伸びていく

向こう側から一つの声が響く

「…目を見開いてよく見ろ…」

「…お前たちが否定してきたもの…」

「オブリセルクル。」

……

ガラガラ…ガラガラ….

黒い根が光の中に溶けていく

指一本動かせない体たち

地面が激しく揺れ、石の破片が四散する

ギュウ!

「させるか!」ハガネハラが木の棒を強く握る

………

ボコボコ…ボコボコ…

黒い根が次々に突き上がり

光を突き破り、人々を包み込む

緑の光が徐々にその光を飲み込んでいく

……………..

「何が…起きたんだ…」一人の兵士が目を丸くし、唇を震わせる

……

「おい!」カンザキがハガネハラに目を向ける

「頭おかしくなったのか?」

「そんなことしたらお前の体が…」

ジジジ…ジジジ…

「心配するな。」ハガネハラが体を起こし、電気が腕の周りを走る

「君が思うほど深刻じゃない。」

「むしろ感謝すべきだ。」

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

バチバチ…バチバチ…

フェンスの中、黒い根の奥で

稲妻がまだあちこちに残り

厚い煙が遠くの壁を覆い

「これが限界か?」赤い鎧が人型の頭を一つ掴む

「安物の鉄屑だな。」

「まだ最低出力にも達してねえ。」

ブンッ…

「まあ仕方ねえ。」赤い鎧が人型の頭を投げ捨てる

「今の戦力じゃ…」

「これで十分だ。」

……………

コツ…コツ…

「人間。」赤い鎧がゆっくりレンに近づく

「お前はまだそこにいるのか?」

「それとも…お前も他の奴らと同じか?」

……

カラン…カラン…

煙が徐々に晴れ、すべてがはっきり見えてくる

地面は今、真っ黒で、稲妻があちこちを覆い

至る所に金属の破片が散らばり

液体が空間に広がる

遠くに大きなフレームが砕け散っている

……

「残念だな。」赤い鎧が軽く頭を下げる

「あの時にそこにいたら…」

「もしかしたら…こんなことにはならなかったかもしれないのに。」

「だがもう起きてしまったことは仕方ねえ。」赤い鎧がハルの方を向く

カチャッ.

「お前…は…」赤い鎧が武器をハルに向ける

「ヴォルナクス…次はお前だ。」

フン.

「来る気があるなら来いよ。」ハル(?)が顎を上げ、まぶたを少し下げる

「でも…」

「自分のデート相手を置いていくんじゃねえぞ。」

…………

シュンッ…

煙が一本の長い線になる

小さな水滴が空中に浮かぶ

カニのハサミが赤い鎧の腹に巻きつき

白い鎧がまっすぐ前へ飛ぶ

……

「おいおい。」レンが操縦桿を強く握り、目を細めて画面を見る

「俺のことを忘れるんじゃねえぞ!」

「まだ話は終わってねえんだから。」

ギリギリ…ギリギリ…

半月鎌が今、ゆっくり下がる

火花が空間全体に散らばり

赤い光が赤い鎧の顔の周りを強く輝かせる

「ようやくか。」赤い鎧が頭をレンに向け、足に力を入れる

「そうこなくちゃ!」

「そうでなくちゃ!」

「なのに…」

...

ガキィン!!

「まだ弱すぎる!」赤い鎧が白い機械を弾き飛ばす

…….

ガガガガ…

白い機械が徐々に後ろへ滑る

水滴が溜まって水溜まりになり

長い滑走路が黒い地面に走る

「何!?」レンが体を必死に支え、唇を噛む

「これでもまだ足りねえのか?」

…………

パンッ.

パンッ.

パンッ.

パンッ.

「褒めてやるよ、人間。」赤い鎧が両手を叩き、体を見回す

「お前の相手がただの鉄屑だけなら…」

「それともお前がハイドロファランクスと一緒にいるなら…」

「結果は違っていたかもしれないな。」

「だが。」赤い鎧が両手を横に広げ、レンに向ける

「この結果は覆せねえ。」

「お前の努力は消せねえ。」

「そして事実も…変えられねえ。」

ブォンッ!

「そこで偉そうに説教すんな!」レンが操縦桿を赤い鎧に向ける

「勝負はまだ終わってねえぞ!」

……

ガキン!ガキン!ガキン!ガキン!

火花が赤い鎧全体を覆う

一本一本、金属がぶつかり合う

足をまっすぐ進め、レンが唇を強く噛む

赤い鎧が軽くその周りを滑る

「お前はまだ分かってねえのか?」赤い鎧が鎌を振り続け

「それとも…」

「お前はこの現実を受け入れられねえのか。」

……

ガシャンッ!

「現実を見ろ。」赤い鎧が鎌を振り、白い機械を後ろへ弾く

「お前は自分の鎧を捨てた。」

「お前はできる限りの手を使い尽くした。」

「だが考えてみろ…」

「それがお前の望んだ結果をもたらしたのか?」

「それはまだ分からねえ。」レンが操縦桿を前に引く

…………………….

ギギギ…

金属の体が一瞬止まる

水で覆われていない部分に

黄色い錆が体全体に広がり

関節が徐々に固まり始める

ブゥン…ブゥン

「どうやら宴は終わったようだな。」赤い鎧が鎌を収め、後ろの光が強くなる

「自然は残酷だが…とても公平だ…」

「誰もその法則から逃れられねえ。」

「神であろうと…創造物であろうと…」

ガチャガチャ…

「そんなこと言うなよ。」レンが体を何度も回し、全てのレバーを引く

「もう少し頑張れ!」

「頼む…」

「動けよ!」

スッ…

「もう十分だ。ここで終わりだ。」赤い鎧が首を傾げ、手をレンに向ける

「…」レンが顔を上げ、目を丸くして画面を見る

「さようなら、勇敢な新兵。」光が赤い鎧の姿を徐々に覆う

「お前はよくやった。」

「オブリセルクル。」

………

シュゴォォッ!

光の奔流が空間全体を照らし

全てを飲み込み、消し去っていく

「悪いな。」光の中で声が響く

「俺はそれを許すわけにはいかねえ。」

ギィィン!!

光が今、ねじれ合い

風が渦を巻き、石の鎌を包み込む

破片が一つの点で回転し

一つの影がレンの目の前に立つ

……

「き…さまは…なぜだ…」赤い鎧がレンを睨みつける

「おまえのタイプを…どうして……どうして…」

「あの幻影を…助ける?」

「どうして…か。」ハル(?)が唇を歪めて笑い、レンを横目で見る

「理由は…よくわからん…」

「でも…ただ感じてるだけだった」

……

スルスル…

糸がゆっくり鎌に戻っていく

金色の目がハルから離れる

「おい、ガキ!」ハル(?)が機械を見る

「ハル?」レンが眉を寄せ、口を少し開く

「急に…何やってんだよ?」

「危ないって分かってんのか!?」

「早く逃げろ!」

ハハ…

「お前が間違ってる。」ハル(?)が腰に手を当て、鎌を見る

「あのガキはまだ弱いぞ!」

「意識を取り戻しただけじゃ何もできねえ。」

………

ガキン.

「お前は順番も知らねえのか?」赤い鎧が二つの鎌をハル(?)に向かって振り下ろす

「それとも礼儀ってものが高すぎるのか、てめえみたいな奴には。」

ブォンッ!

「礼儀知らずなのはお前の方だ!」ハル(?)が石の鎌を強く振り、赤い鎧を弾き飛ばす

「そっちの隅で待ってろ!」

……

「それからお前。」ハル(?)が鎌をレンに向ける

「その程度の力で何ができると思ってる?」

「それとも自分は特別だって幻想を抱いてるのか?」

ギリッ…

「俺が知らねえと思ってんのか…」レンが操縦桿を強く握り、唇を噛む

「でも…こうする方が…」

「外でただ見てるよりはマシだ。」

「そうか?」ハル(?)が石の鎌を高く振り上げる

「本当に馬鹿だな。」

「あのガキと同じくらいに。」

「だが…」

コン…コン…

「俺たちはそういうお前を嫌いじゃねえぞ。」ハル(?)が笑い、鎌の柄を軽く機械に叩く

ギュル…

「よく聞け。」糸が徐々に消えていく

「あいつを倒す力を求めるなら、セツナを探せ!」

「お前はもう道を知ってるはずだ。」

……

ドサッ.

糸が完全に鎌に戻る

鱗が地面全体に広がる

ハルの体が鎌の方向に沿って横たわる

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

コツ…コツ…

「残念だな。」赤い鎧がゆっくり近づく

「もっとデータを集めたかったのに。」

「まさかお前がこんなに早く消えるとは。」

……

ズバババッ…

黒い根が突然あちこちから突き上がり

高く伸び、白い機械を覆い隠す

緑の稲妻があちこちを走る

「このデータに興味はあるか?」壁の頂上に一つの影が現れる


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