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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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54/63

次の皿が来る前に

ドゴォン!!!

周囲の空間、四方八方、木の根がびっしり覆い尽くす

光る人形どもがギチギチに挟まって動けねえ

青々とした芝生、今は煙と砂塵に埋もれてる

でっかい砲口もろとも、地面に叩きつけられる

……

ミシ…ミシ…

遠くの機械の目、点滅する光

体が震えて、関節が無理やり動こうとする

巨大な機械の体から、錆びた黄色い破片がパラパラ落ちる

一緒に、関節の隙間から水滴がポタポタ落ちる

ガチャガチャ…ガチャガチャ…

コックピットの中、機械の内部

汗がダラダラ、顔中びしょ濡れ

両手がめちゃくちゃにボタン叩いて、レバー引きまくり

レンの顔が歪んで、唇をギュッと噛み締める

目が一瞬も離れねえ、前のスクリーンから

……

ギチッ.

戦線の向こう側、赤い鎧のヤツがガッチリ構えてる

両手で三日月型の鎌を握り締め

体を傾けて、赤い光を遠くの機械に向ける

…………

ギギギ…

「どうしたんだ、若い戦士?」赤い鎧が両手をゆっくり下げて、レンに向き直る

「そんなに勝ちたくないのか?」

「それとも…」

「ただの隠れて撃つだけのヘタレか?」

ブルブル…ブルブル…

「…」機械の目が激しく点滅、装甲が層ごとガタガタ揺れる

「ん?」赤い鎧が体を起こして、首を傾げてレンを見る

……

ガチャン…ガチャン…

「クソッ!」レンの両手が止まらず動き回り、目がキョロキョロ

「なんで動かねえんだよ?!」

「このままじゃ…」

……

ドン… ドン…

「…」赤い鎧がゆっくりレンに近づく、両方の鎌を背中に収める

ガチャガチャガチャ!!

「頼むから動けよ!」レンがレバーを乱暴にガチャガチャ、ボタン全部連打

「何か一つでも動く部分残ってんだろ?!」

「やめろ。」赤い鎧が金褐色の機械の腕に近づく

「このまま続けても…」

「お前が得るものなんて、何もいいことねえぞ?」

「だから何だよ?!」レンがコントロールパネルのスクリーンに目をやり、マイクを引き寄せる

「それでもお前なんかに…」

「仲間を傷つけるのか?」赤い鎧が機械を見上げて言う

「奪うのか? お前のものだったものを?」

「それとも、お前の全部の努力を…」

「無意味にするのか?」

「…」レンの目がギュッと細まり、体がピタッと止まる

そっ…

「安心しろ。」赤い鎧がそっと金褐色の機械の腕に触れる

「お前…何する気だ?!」レンがガラスに向かって体を投げ出す

スルスル…スルスル…

「言っただろ…」赤い鎧の腕からワイヤーが飛び出し、金褐色の機械の腕に潜り込む

「俺はただ、公平な勝負がしたいだけだ。」

「少なくとも、相手がこの古い相棒ならな。」

……….

ゴォォ…ジジジジ!!

金褐色の機械の腕全体に光が広がる

稲妻が空間中にビリビリ走る

点滅してたランプが、急に眩しく輝き出す

ガバッ!!

赤い鎧の手がゆっくり離れる

レンの両手がギュッと握り締め、体がシートに沈む

周囲が眩い光に包まれ、金褐色の機械が地面を蹴って跳ね上がる

…………………………………………………………………………….

リン…

「なんでそんなことすんの?」女が顎を手に乗せて、地面に寝転がったまま

「そのまま勝っちゃえばいいじゃん、楽でしょ?」

「わざわざ敵を助ける意味あんの?」

フッ…

「やっぱりお前ら、分かってねえな」ハル(?)が唇を歪めて笑う

「黒い岩の間で長く生きすぎて、感覚が鈍ったか?」

「それとも…」ハル(?)が女をチラッと見る

「お前だけ…まだ新鮮なのか?」

バッ!!

「ちがうちがうちがう!!!」女が跳ね起きて、空を仰ぐ

「私まであいつらみたいだったら…」

「どうやってここまで来れたってのよ?!」

「それにさ、考えてみてよお客様…」女が手をバタバタ振る

「私まであいつらと同じだったら…」

「今こんなに上手くいってる状況、あり得た?」

「…」ハル(?)が目を細めて女を見る

「ま、いいさ」ハル(?)がレンの方へ顔を向ける

「お前がどうなろうが俺には関係ねえ。」

「邪魔さえしなけりゃな。」

パン!

「はーい! もちろんです!」女が頬をパチンと叩いて、にっこり笑う

「せっかくのお客様の食事、邪魔するわけないじゃないですか!」

「でもね…」

リン…

「自分の料理をこんな風に放置して…」女が目を細めて、そっとレンを見る

「本当に…お客様全員、満足できるのかな?」

ドンッ!!

「余計だ!」ハル(?)が鎌を地面に叩きつける

「俺たちがそんな弱っちいもん必要かよ?」

「ただの無駄な労力だ。」

「了解しました!」女が両手を腹に当てて、軽くお辞儀

「お客様がそういうお味がお好きなら…」

「そのままにしておきますね。」

……

ビリ…ビリ…

手に持った石の鎌が、急に激しく震え出す

ハル(?)の目が離せなくなる

唇が微かに動く

「面白いじゃねえか。」ハル(?)の唇が小さく動いて、鎌から目を離さない

「そこまでやる気なら…」

「その資格、俺から奪ってみろよ。」

…………………………………………………………………………………………………..

カチッ…カチッ…

光がもうチカチカしなくなった

体が、滑らかに動き始める

関節が一切引っかからずスムーズに動く

「どうだ?」赤い鎧が機械を見上げる

「もう問題ねえか?」

「ない…全然…」レンの唇が震えて、コックピットの中をぐるぐる見回す

「全く問題ない…」

「でも…どうやって…」

「最初に言っただろ?」赤い鎧が両手を下ろして、首を傾げる

「俺はただ…」

「公平に戦いたいだけだ。」

「すげえ!」レンの目がキラキラ光って、手がゆっくり緩む

「さっきまでボロボロだったのに…」

「数分で直しちまうなんて!」

ふふっ…

「当たり前だろ。」赤い鎧が腰に手を当てて、目を輝かせる

「俺が誰だと思ってんだ?」

「あいつらだって面倒見てやれる…」

「こんな古い機体くらい、朝飯前だ!」

「そうか」レンがスクリーンから目を離さず、両手を胸の前で組む

「だからあんなに速く直せたんだ!」

「今まで何台直してきたんだ?」

ふふっ…

「そんなに多くねえよ。」赤い鎧の体が小さく震えて、ハル(?)の方をチラ見

「ただ単に…」

「面倒くせえヤツが11人もいるだけだ。」

「いつまで経っても自分で面倒見れねえ連中がな。」

………

「でも…それは後でいい。」赤い鎧がレンを見上げる

「もう大丈夫になったか?」

ウィン…ウィン…

「最高すぎる!」金褐色の機械がグルグル回る

「新品みたいだよ!」

「そうか?」赤い鎧が目を細めて、体を少し縮める

「良かったな。」

「じゃあ…」

シュンッ!!

「始めるか?」赤い鎧がレンに向かって突っ込む

………………………………………………………………………………………………………………

[フェンスの外側]

ガラガラッ…ガラガラッ…

「早く!」青い服の影たちがバタバタ走り回る

「まだこの辺にたくさん残ってるぞ。」

「もっと酷くなる前に。」

「おーい!」遠くから青い服のヤツが手を振る

「こっち来いよ!」

「ここ結構人数いるぞ!」

……

地面に転がってる人たちの間

弾の殻がコロコロ転がる

コンピューターの画面が数字を狂ったように跳ね回る

ん…

空間の真ん中で、小さな音が響く

何人かの顔が、急に歪む


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