静かな狩人
太陽が今、真上から万物に照りつける
風ももう止まった
枯れた葉ももう落ちなくなった
…
練習場の地面は凹みだらけ
足跡が砂に深く刻まれて
緑の芝はあちこちに散らばり
茶色のラインが縦横無尽に交差してる
………
ぐう〜
「結局あいつら、いつまで続けるつもりだよ?」
レンが背中を丸めて、腹を抱える
「朝飯はインスタントラーメンだけ…今度はこれかよ…」
レンの目は細まり、遠くのテーブルを睨む
「なんで午後にやらせねえんだよ!」
…
「知らないの?」アヤノさんが目を丸くして振り向く
「こういう練習、普通に一日中引っ張るよ。」
「たまに徹夜になることだってある。」
…
「イヤァァァ!!!」レンが頭を抱え、顔を伏せる
「こんなん…誰が生きていけるんだよ…」
「殺してくれ…もういい加減にしてくれ…」
…
はは…
「そこまではいかないって。」アヤノさんが笑って周りを見回す
「こういう時って普通…」
「誰かが食べ物持ってきてくれるんだよ。」
……
こつ…こつ…
遠くから足音が響く
…
「言ったそばから来た!」アヤノさんが武器テーブルのほうを見る
……
ことん…ことん…
爆弾弾がきれいに片付けられ
武器が袋の中に収められる
…
食事のトレイが次々とテーブルに並ぶ
仕切り付きの弁当箱が均等に置かれ
スープの椀があちこちに並び
炊飯器が椅子の上に置かれる
……
「アヤノさん…」俺は目を丸くして振り向く
「どうしてそんなに詳しいんだよ?」
「あの爆弾の作り方も、これも…」
「俺たち、そんな指導受けてないぞ。」
…
「実は…」アヤノさんが口を曲げ、手を顔に当てる
「父さんが教えてくれたんだ。」
…
「結局お前の親父ってどこの神様だよ?」レンが目を伏せ、まつ毛がぴったり並ぶ
………………………………………………………
カチャ…
練習場の方から響く音
…
カチャ…カチャ…
視線が一斉に人形に向かう
額に汗が長く伝う
ショットガンが真正面を向く
……
「開始!」遠くのテーブルから声が響く
……
どどどど…
足が止まらない
煙と埃が四方に舞う
まっすぐ立っていた芝が横に倒れる
…
パンッ! パンッ! パンッ!
白い煙が群衆の間に漂う
火薬の匂いが空間に広がる
人形たちが徐々に後退する
でも…
……
タタタタ…タタタタ…
一人の少女が画面に顔を埋め
指がキーを叩き続ける
一人の少年がその場に立ち尽くし
銃を人形たちに向け続ける
.........
がつがつ…がつがつ…
「あの二人、何やってんだよ?」レンがスプーンをトレイに向ける
「そんなにじっとしてて点取れるのか?」
「もしかして…腹減りすぎて頭おかしくなった?」
…
「お前みたいに誰でもないわ!」俺は目を細めてレンを見る
「多分まだ本気出す気がないだけだ。」
…
「もしくは…」アヤノさんが顎に手を当てる
「あの二人、ただ待ってるだけかも?」
…
「どういう意味?」レンが首を傾げる
「この大会って…」
「早く終わらせたほうが勝ちやすいんじゃね?」
…
「必ずしもそうじゃない…」アヤノさんが顔を伏せる
「さっき人形の動き見てただろ。」
「あれに同じ戦術は通用しない。」
…
「それに…もし勝つ気がないなら…」アヤノさんが二人を見る
「シラカワさんが爆薬の作り方なんて聞いてこないよ。」
……………………………………………..
バラバラッ…バラバラッ…
人々が四方に吹き飛ぶ
銃が芝の上に転がる
目を見開き、体が固まる
…
ズシン… ズシン…
赤い目が煙の向こうに現れる
陽光を浴びた体が一人ひとりに迫る
……
「クロミ…」シラカワがアサギリをちらりと見て、銃を人形から離さない
「クロミ!」
「まだ終わってないのか?」
「もう来始めたぞ!」
…
カタカタカタ…
「頑張ってるって!」アサギリは画面から目を離さず、指を激しく動かす
「でもこいつら全然簡単じゃない!」
「もう少し時間が必要!」
…
「時間がないんだよ。」シラカワが周りを見回す
「人形どもがもう…」
………
ジリ… ジリ…
「お願いだから許してくれ!」芝の上に倒れた男が人形に向かって手を伸ばす
「負けた…もうやめてくれ…」
…
ピカッ!
人形の目が赤く輝く
足が前へ進む
……
カンッ!
人形の首に火花が散る
銀色の指が固まる
電気が四方に飛び散る
遠くから声が響く
…
「何待ってんだ!」シラカワがスナイパーライフルを男に向ける
「早く逃げろよ!」
……
ピカッ!
赤い目が一斉に同じ方向を向く
銀の鎧が向きを変える
シラカワの視線が銃を振り回す
…
「…」アサギリは画面から目を離さない
…
ガシャッ!
「もうダメだ!」シラカワが銃に弾を込める
…………….
ドドドド…ドドドド…
人形の影が一方向に殺到する
目が燃え、背中が曲がる
爪が真正面に突き出る
…
バサッ…バサッ…
シラカワの腕が前に伸びる
布切れが風に舞う
黒い煙が空間を覆う
緑の芝が一色に染まる
スナイパーライフルが人形から離れない
…
カンッ!
一直線が煙を貫く
人形の鎧に直撃
小さな火花が黒い幕の中で弾ける
…
…
パンパンパン…パンパンパン…
閃光が空間に広がる
火花が人形を包む
足が芝の上でリズムを刻む
…
バァン!バァン!バァン!
白い煙がシラカワの周りに軽く広がる
一直線が次々と人形に突き刺さる
視線が一度も瞬かない
白い体が少しずつ薄くなる
…
カチッ!
突然、音が止まる
煙と火が静まる
シラカワの手がスナイパーに戻る
カンッ!…カンッ!…
………
カチッ! カチッ!
「クロミ!」シラカワが後ろを振り返る
「まだ終わってないのか?」
「もうネタ切れ寸前だぞ!」
…
タタタタ…
「まだ時間が必要。」アサギリの額に汗が流れる
…
ガン!
「もっと早くしてくれ!」シラカワがショットガンを人形に叩きつける
「この遊び、長く持たねえよ!」
……
ドン!
ギリギリ…ギリギリ…
ショットガンが顔の前に構えられる
人形が列をなして押し寄せる
…
ズザーーーッ
茶色のラインが緑の芝を切り裂く
茶色の埃が空間に舞う
汗が服に染み込む
シラカワの歯が強く食いしばる
…
…
タンッ!
汗が空中に飛び散る
キーの音が止まる
アサギリの唇が笑みを浮かべる
…
プツッ…
人形の影が止まる
赤い光が徐々に消える
…
「これって…」シラカワがアサギリを振り返り、笑みを浮かべる
「やっぱりな!」
…
グッ!
「…」アサギリの笑みが固まり、目が丸くなる
…………
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
ざわめきが空間に広がる
視線が二人のほうに集まる
顔が近づき合う
…
「こんな戦い方でも勝てるのか?」
「これからどうすんだよ?」
「運よく上手い奴と組めただけだろ。」
「俺のペアが役立たずじゃねえといいけどな。」
……
「中尉!」女がハガネハラを見る
「こんな勝ち方、俺たちどうすんですか?」
「結果は否定できないけど、現実的には…」
…
ガハハ…
「だからお前まだ独身なんだよ!」ハガネハラが女を見る
…
「だから…まだよくわからないんですけど…」女が首を傾げる
「もう少し詳しく説明してもらえます?」
…
「よく考えてみろよ…」ハガネハラが二人を見る
「あのガキどもがコートで見せたものは何だ?」
………
トコ…トコ…
二つの影が道の果てへ進む
遠くの金色の光に向かって
…
ガリンッ!
「これでいいだろ!」シラカワが銃を光に叩きつける
…
バリーン!バリーン!バリーン!
「…」アサギリが顔を伏せ、ラップトップを何度も光に叩きつける
……
「待て待て。」シラカワが手を伸ばして止める
「もう十分だろ…叩き続ける必要ねえよ…」
…
ギュッ…
「でも…」アサギリがシラカワの手を握り、顔を伏せる
「これのせいで…お前が…」
「俺が遅かったら…もしかして…」
…
なでなで…
「大丈夫だって。」シラカワがアサギリの頭に手を置く
「これくらいなんでもねえよ。」
「お前が時間稼いでくれりゃそれでいい。」
…
「ナツメ…」アサギリが顔を上げる
………
「そこの兄ちゃん姉ちゃん!」ハガネハラが腕を組んで睨む
「ここにラブロマンス映画の上映会なんかないぞ!」
「さっさとこっち来い!」
「次のグループも早くしろ!」
…
「…」シラカワがアサギリを見る、二人の唇が笑みを浮かべる
……............
ガバッ!
「次は俺の番だ!」レンが跳ね起き、芝生を見る
「あそこから俺の演技をしっかり見てろよ!」
…
「早々にコケるなよ!」俺が口元に手を当てる
…
「わかってるって!」レンが背を向け、手を高く振って振り返る
「お前らに負けるわけねえだろ!」
………………………………………………………………………………………………………………
人々が肩を寄せ合う中
囁きがあちこちで響く
オレンジの髪が周りを歩き回る
頭を回し、口元に笑みを浮かべる
…
一人の少女が列の最後で立ち止まる
青い髪をポニーテールに結び
毛先が少し緑がかる
視線が手に持ったナイフに注がれる
……
「やあ!」レンが手を振り続け、目を細める
「絶対お前が俺のペアだろ!」
「よろしく…」
「…」少女の視線がレンに向く
…
「…よろしく…」レンの笑みが消え、目が大きく見開く
「…」少女の体が固まり、目が大きく見開く
……
「はあ?!!!!」練習場中に響く声
「なんでお前なんだよ!」
…
「なんでどこ行ってもお前なんだよ?」ネネが顔を背け、腕を組む
「面倒くさいし、邪魔だし。」
…
「こっちだってごめんだよ!」レンが腕を組み、背を向ける
「たとえ世界で最後の一人でも…」
「お前とは組みたくねえ!」
…
ドンッ!
「誰がお前の助けなんか必要だよ、レン!」ネネが体をぶつける
「誰がゴリラとチーム組みたいかってんだよ、ネネ!」レンが顔を近づける
…………
「ねえ…」アヤノさんが人々の列を指す
「コバヤシさんあんな感じだけど…大丈夫かな?」
…
はは…
「まあ…大丈夫だろ…」俺は口を歪めて笑い、目を閉じる
「普段からあんなんだよ!」
………
ググッ…ググッ…
「…」レンとイシワカさんが顔を寄せ合い、体を押しつけ合う




