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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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42/88

未来を決める一歩〈一〉

ザッ ザッ…ザッ ザッ…

陽射しがまっすぐ地面を照らしつける

木の枝が四方八方に広がってる

落ち葉一枚ない道

そしてきっちり剪定された小さな並木

一人ひとり、視線をきょろきょろさせ

小さな会話が空気に混じる

目がカッと見開かれ、キラキラ輝きだす

女子寮の建物が、だんだんはっきり見えてきた頃

……

ザッ ザッ…ザッ ザッ…

広い空き地に入る。緑の芝が一面に広がってる

両側に、機械が二列にずらっと並んでる

長いテーブルが二つ、シートで完全に覆われ

銃の列が真ん中の広場を向いてる

あちこちに散らばった人形たち

俺たちの正面に、もう一列の長い列

肩まで伸びた長い髪

そして見覚えのある顔が、目の前に現れる

………………

「全員、注目!」鋼原さんが高く手を上げる

「気をつけ!」

ピタッ!

全員の足が止まる

全員の視線が前へ

背筋をピンと伸ばした背中

「全員、よく聞け!」鋼原さんが手を背中に回し、視線をぐるっと周りに走らせる

「戦場で、俺たちにとって一番大事なのは仲間だ。」

「自分がミスったとしても、仲間が必ずそこにいて支えてくれる。」

「状況が予想外になっても、仲間さえいれば、まだ勝てる。」

「戦場でたくさんの人間と連携するのが、勝ちへの鍵だ。」

コツ…コツ…

「この一ヶ月、お前らはもうお互いに慣れたはずだ…」鋼原さんが歩きながら、一列ずつ見渡す

「一緒に暮らして、一緒に飯食って、一緒に掃除して…」

「だがな…」鋼原さんの目がカッと見開く

「戦場は決してお前ら男だけで戦う場所じゃねえ。」

「常に支援する奴、衛生兵、装甲部隊がいる…」

「たった一瞬のズレが…」鋼原さんが目を細める

「一つの衝動的な判断、一つの自分勝手な欲望が…」

「そこにいる全員の命を全部吹き飛ばす代償になるかもしれない。」

ドス…ドス…

「だからこそ…」鋼原さんがシートのかかったテーブルへ歩み寄る

「今日は軍区の女子小隊と、実戦形式の連携訓練だ。」

「今日の結果が、これからお前らに何が起きるかを決める。」

……

シャッ…

シートが一気に引き剥がされる

下から大量の銃がずらっと並んでるのが露わに

それぞれの武器が、きっちり種類ごとに並んでる

「さあ、早く来い!」鋼原さんが目をギラつかせて見る

「戦場で自分が使う武器を選べ…」

「近接でも遠距離でも制限はねえ。」

「ただ、お前らがそれを本当に使いこなせるようにしろ。」

………

ガチャガチャ…ガチャガチャ…

一列ずつ、人間がテーブルに殺到する

奪い合い、銃に手を伸ばす

押し合いへし合い、カタナを掴む

「お前ら、まだ何待ってんだ?」鋼原さんがこっちを振り返る

「早く動かねえと良いもんはなくなっちまうぞ。」

「は、はい…」綾野さんが両手をぎゅっと絡ませる

「こんなに混んでて、誰が入れるって言うんですか!」蓮が笑って腰に手を当てる

「ただの剣のためにあんなに奪い合って、もし不良品引いたらどうすんの?」

フッ…

「どうでもいい。」鋼原さんが唇を歪める

「とにかく早く選べばいいんだよ。」

………

群衆はもうテーブルから離れてた

武器もだいぶ減ってる

コツ…コツ…

俺たちは歩みを進め、テーブルを見回す

誰かが置いてった武器たち

「本当にそれでいいのかよ、クラス委員?」蓮が目を細めて白川さんを見る

「ショットガンってリロードめっちゃ時間かかるだろ?」

「それにスナイパーもな。」

「この広さのグラウンドでどうやって使うつもりだよ。」

カチャ…カチ…

「使えるよ。」白川さんが微笑みながら、一丁ずつ銃を分解していく

「この武器たち、全部状態いいんだから。」

「マガジンもまだかなり余ってるし。」

「小林さんはそれだけでいいの?」白川さんが首を傾げる

「当たり前だろ!」蓮がグローブはめた両手を上げる

「会ったらぶん殴るだけで終わりだよ。」

「あっちも両側にナイフ付いてるしな。」

……

ガチャガチャ…ガチャガチャ…

「これじゃない…これじゃない…」綾野さんが手を次々動かす

「どうしてないんだろう…」

「綾野さん。」俺が目を丸くする

「何探してんの?」

「欲しいもの、そこにないの?」

「あ、いえ…」綾野さんが後ずさり、そっと隣のドローンに手を置く

「ただ…もうちょっと色々探してて…」

「色々?」俺が首を傾げる

「どういう意味?」

「ただ…小物みたいなの…気にしないで…」綾野さんが唇を尖らせ、武器の山を振り返る

「催涙ガスとか…閃光弾とか…マスクとか…」

……

コツ…コツ…

「そういうのはあとで出す!」鋼原さんがこっちへ歩いてくる

「お前ら、いつまでメイクしてるつもりだ?」鋼原さんが睨みつける

「さっさと列に戻れよ!」

「はい!」俺たちは武器を掴んで列へ急ぐ

……………………………………………….

「お前ら全員、自分の武器は決まったな。」鋼原さんが周りを見回す

「今から今回の形式を簡単に説明する…」

「今日の訓練は全部ペア形式だ。」鋼原さんが背筋を伸ばす

「一度に五組を上げて訓練する。」

「お前ら一人ひとりが、女子小隊の誰かとペアになる。」

「二人でグラウンドに立ってる人形を突破しろ。」鋼原さんが体を傾け、人形の方へ手を向ける

「マップのゴールまで行って、それをぶっ壊せ。」

「同時に、その人形たちに捕まったり…」

「殴られたり、無力化されたりしないように…」

「一人が失敗したら、そのペアは失敗だ。」

「ただし…」鋼原さんが目を細める

「混戦になった場合…」

「お前らが割り当てられた女子と連携できなくても…」

「別の女子とバッチリ息が合ったなら…」

「お前らも合格だ。」

「二人とも無力化されず…」鋼原さんが顎を上げる

「そして最後の標的を二人でぶち抜ければ。」

「合格とする。」

「質問はあるか?」鋼原さんが姿勢を正して見る

「ありません!」列全体から声が響く

「なら俺の手にあるリスト順だ!」鋼原さんが紙の束を高く上げる

「最初の五人、グラウンドへ出ろ。」

………………………………………………………………………………………………………………

ザッ…ザッ…ザッ…

足音が、訓練場の先頭へ徐々に進む

視線が、隣の相手へ向かう

手が、武器を前方へ向ける

遠くから響く言葉

「よろしくな!」

「ちゃんと撃てよ!」

「邪魔すんな!」

「俺を信じろ!」

……………

「第一グループ、準備…」鋼原さんが手を高く上げる

「よーい…」

スッ…

「開始!」鋼原さんが強く手を振り下ろす

……

ドドドド…

列が、人形に向かって突っ込む

武器が、前方を離れない

銃口が高く構えられる

指先が、トリガーを引く

カチッ…

火花一つ出ない

音一つしない

薬莢一つ飛び出さない

カチッ…カチッ…カチッ…

銃を持った奴らの顔が歪む

指が何度もトリガーを引き続ける

視線が、銃と人形を行ったり来たり

「なんで撃てねえんだ?」一人の男が周りを見回す

「どうしたの?」女の子がトリガーを引き続ける

「弾、ちゃんと入ってるのに。」女の子が銃を見回す

……

ダッ…ダッ…ダッ…

人形の目が、突然輝き出す

手が、武器を構える

兵士たちに向かって突進する

……

「何だあれ?」蓮が目を丸くする

「誰も動くなんて言ってなかったぞ。」

……

ダダダダ…

剣を持った奴らが前方へ突っ込む

武器を人形に向ける

顔が次第に歪んでいく

ガキンッ!

金属片がゆっくり落ちていく

兵士の目の前、輝く剣

そして人形の輝く目

兵士の目が見開かれる

顔が青ざめ、体が動かない

唇が何度も震える

「何だこれ…」

「ありえねえ…」

パンッ! パンッ! パンッ!

人形の背後で黄色い光が閃く

弾丸の束が兵士に向かって飛ぶ

人形が前へ前へと進む

ドンッ!

列が、今は押し倒される

弾があちこちに飛び

足が後ずさりする

…………

「ここまでだ!」鋼原さんが手を高く上げる

コツ…コツ…

「お前ら姉妹、何やってんだと思ってんだ?」鋼原さんが腕を組み、顎を上げる

「これが本物の戦場だったらどうなってたか、分かってんのか?」

「隊長…これらは…」男が武器を振り返る

「もしこれらが問題じゃなければ…最初から…」

「最初から成功してたってことだろ。」鋼原さんが目を細める

「人形を早々に片付けてたってことだろ。」

「結果は全然違ってたってことだろ。」

「そういう意味だよな?」

「はい!」男が背筋を伸ばす

「装備が悪すぎたせいで、こうなってしまったんです…」

「隊長、どうか…」

……

「馬鹿野郎!」鋼原さんが顔を歪める

「戦場に二度目のチャンスなんてねえ。」鋼原さんが振り向く

「戦場はお前が誰か、装備が何かなんて興味ねえ。」

「一つだけ知ってる…」

「お前の命、お前自身で守れるかどうかだけだ。」

カチャ…

「装備すらちゃんと確認できねえようなら…」鋼原さんの足が剣の破片を蹴る

「他人を守るなんて言うな…」

「お前らのその小さな命すら守りきれねえぞ。」

「さっさと列に戻れ!」鋼原さんが二列を指差す

「戻って、自分が何をしたかよく考えろ。」

トボ…トボ…

だが手はだらりと下がり

視線は地面に落ち

足取りはますます遅くなる

………………………………………………………………………………………………………………

ガチャガチャ…ガチャガチャ…

列が互いに目を張りつめて見合う

手が、自分の隣の武器袋に伸びる

視線が、武器テーブルの方へ

だが今、武器はほとんどなくなっていた

残ってるのはちっぽけなものだけ

そして空間に響く言葉

「どうすりゃいいんだ…」

「こんなんじゃ無理だろ。」

「やばいぞ。」

「あの時…」

……

「見たろ?」蓮が目を細め、唇を軽く尖らせる

「さっき突っ込んでたら、今頃あいつらと同じだったぜ。」

「突っ込まなかったのはお前が面倒くさがっただけだろ。」俺が目を細めて蓮を見る

「学食の時もお前…」

ひゅ〜ひゅ〜

「誰も知らねーよ…」蓮が顔を背ける

「十神さん…」綾野さんが近づき、俺の手元を見る

「それだけで本当に大丈夫?」

「確かに…」白川さんが顎に手を当てる

「こんなに武器があるのに、なんで石の鎌なんか選んだのか分かんない。」

「鉄の鎌の方が軽くて扱いやすいのに。」

そっ…

「自分でもよく分かんない。でも…」俺が石の鎌に手を置く

「ただ…感覚的に…」

「なぜか…これがいいって思った…」

………………………………………………………………………………………………………………..

列が交代で続いていく

顔が笑っては消え

監視してる奴らが、冷たい水のコップに手を伸ばす

はぁ…

「みんなくそくらえ…」鋼原さんが鼻の頭に手を当てる

「どうして誰もまともにできねえんだ?」

「仕方ないですよ。」隣の軍服の女性が微笑む

「ある程度は予想してましたから。」

「終わらせましょう。」鋼原さんが紙の束を見る

……

「次のグループ、上がれ!」鋼原さんが周りを見回す

…………………………………………………

青い髪の少年が前へ進む

周りをドローンが飛び回る

ズボンの脇に二つのマスク

体に小さな爆弾がいくつも付いてる

対面に、背の高い女の子

深紅の短い髪

手足に分厚いグローブ

脇に沿って並ぶ刃物

「ねえねえ、ちょっと聞きたいんだけど。」赤髪の女の子が少年に近づく

「君って、春くんと一緒のグループだよね?」

「春…くん…」青髪の少年が空を見上げる

「十神さんのこと?」

「そうそう、その子!」赤髪の女の子が笑う

「私たち同級生なんだよね。だから色々聞きたいことがたくさんあって。」

「ついでに言うと私、ツメ子。」赤髪の女の子が笑う

「山崎ツメ子。」

「よろしくね。」

「僕は…」青髪の少年が唇を軽く尖らせ、後ずさる

「綾野…月岡綾野。」

「よろしく…」

……

「全員準備…」遠くから声が響く

……

ヒュンッ…

「あとで話せない?」青髪の少年が前方を見ながらドローンを調整する

「今ちょっと…」

シャキン…

「オッケー!」赤髪の女の子が刃を構える

「まずはこいつらをキレイに片付けよう!」

……

「開始!」音が訓練場全体に響く


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