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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
始まり – 試練を越える

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39/63

選択の始点

ゴロゴロ…ゴロゴロ…

街並みを越えて

密集した家々の間を抜けて

……

車は走り続ける、遠くの場所へ

電線がまばらになり

人影が徐々に薄れ

そして海の姿が、ゆっくり消えていく

……

ギギッ…

車輪が止まる

周囲は今、木々に覆われ

目の前に残るのは一つの門

壁にくっきり浮かぶ「9」の数字

……

「よし。」コウカが周りを見回す

「着いたよ。」

……

「男どもはここで降りろ!」川崎先生が俺たちを振り返る

「これからここが一時的な宿舎だ。」

……

「じゃあ女の子たちは?」レンが目を丸くする

「まさか練習しないってわけじゃないだろ?」

……

「さっさと降りろ!」川崎先生が目を細める

「女子は別のエリアで訓練だ。」

「同じ場所に置けるわけないだろ。」

……

「川崎先生……」俺は振り返る

……

「心配すんな!」川崎先生が軽く首を振る

「悪いことなんて起きないよ。」

「まっすぐ前見て、自分のことだけやれ!」

……

「そういう意味じゃないんです。」俺は軽く手を振る

「俺たち、どこに行けばいいんですか?」

……

コホン…

「俺の話、全然聞いてなかったのか?」川崎先生が軽く手を口に当てる

「部屋番号は37、C棟だ……」

「それに従って行け。」

……

「今度こそちゃんと覚えたか?」川崎先生が目を細める

……

「俺だけか? お前もそう思うだろ?」レンが小さく囁く

「明らかに先生、何も説明してないよな?」

……

「何か言ったか?」川崎先生が目を大きく見開いてレンを見る

……

「なんでもないです!」レンが首を激しく振る

……

「もう質問ないなら……」川崎先生がドアの方を指す

「いつまでここで突っ立ってるんだ?」

……

ゴロゴロ…

枯れ葉が敷き詰められた道の上……

人の気配のない空間に

車が去り、残された二人の人間……

……

キュッ…

「行こうぜ?」レンが軽くリュックの紐を握る

「うん」俺は軽く頷く。

…………………………………………….

サク…サク…

アスファルトの道に枯れ葉が積もり……

高い木々が道を囲み

俺たちは細い道を進む……

……

建物が両側に現れ始め……

整えられた木々が並ぶ……

……

ポロッ!

「何……」レンが手を離し、目を大きく見開く

「何だこれ!?」

……

ザワザワ…ザワザワ…

周囲は今、無数の人影に囲まれ

道いっぱいに広がり

会話があちこちで響く……

……

ポリポリ…

「こんな広いとこで誰を探せってんだよ?」レンが軽く頭をかく

「もう帰ろうぜ、ハル?」

……

「今さらそんなこと言うのか?」俺は肩を落とす

「だったら最初に車から降りる時点で言うべきだろ!」

……

「そりゃそうだよな!」レンが顔を逸らす

「まさかここに来るなんて思わなかったんだよ!」

……

「まあ冗談だけど……」レンが軽く笑う

「ここにお前一人置いていけるわけないだろ。」

……

「レン……」俺は目を丸くする

……

「それに誰が知ってるよ、ここに来てまた何が起きるか!」レンが両手を広げる

「最近だって女の子一人連れて帰ってきたばっかりだろ……」

「今度は一人でハーレム作るんじゃねえの?」

……

「そんなことあるかよ!」俺は両手を振る

「まだまだだよ、そんなの!」

……

「つまり昔はやったってことか?」レンが軽く目を細める

……

ズカ…ズカ…

「そんなことあるわけねえだろ!」俺はレンに近づく

……

「わかったわかった……」レンが軽く後退する

「もう言わねえよ!」

……

ガヤガヤ…

視線が俺たちにちらちら注がれ

ささやきが空気に広がる……

……

「とりあえず部屋探そうぜ?」俺は軽く後退する

「このままじゃマズイだろ!」

……

「うん……」レンが周りを見回す

「どこ行ってもこんな感じか……」

……………….

スッ…

大きな黒板の前……

周囲に貼られた紙の束

白いチョークで描かれた地図が現れる

……

「どれどれ……」レンが目を泳がせる

「37…37…37…」

……

「37なんてどこにもねえ!」レンが俺を見る

「C棟しか書いてないぞ。」

……

「部屋番号を細かく書いてないのかも?」俺は紙の方を見る

「この辺にあるかも。」

……

「あった、俺たちの名前。」俺は一枚の紙で手を止める

「やっぱりC棟だ。」

「とりあえずそこ行こうぜ!」

………………………………………………………

高い木々の間……

丁寧に刈り込まれた草むら

向かい合った大きな建物

剥がれかけた塗装

銀色に変わったタイルの床……

……

人々が中庭に集まり……

建物を眺め……

スマホをいじり続ける手……

……

「ここまで来てまだ遊んでんのかよ?」レンが首を傾げる

「マジで空気読めねえな、あいつら。」

……

トン…トン…

「違うよ!」一つの人影が俺たちに近づく

「ただこれから始まることに備えてるだけ。」

……

「委員長!」レンが跳ね上がる

「なんでここにいるんだ?」

……

ハハ…

「説明したら長くなるよ……」白川さんが軽く微笑む

「ここで全部終わってからでいいだろ。」

……

「それよりお前ら……」白川さんが目を細める

「なんで急にここに?」

「葉山先生がまだ案内してないのか?」

……

「それが……」俺は軽く顔を逸らす

……

スッ…

「こいつに聞けよ!」レンが俺を指差す

「何だよ……」俺は軽く後退する

……

はぁ…

「十神さん……」白川さんが腰に手を当てる

「なんでいつもトラブルに巻き込まれるんだよ。」

「周りのことも少しは考えてくれ。」

………………………………………………………………………..

ザッ…ザッ…

建物から一人の人影が出てくる

緑のシャツに肩章

翼と星のマーク

俺たちに向かって歩いてくる

手にノートをしっかり持って

……

「全員集合!」男が腰に手を当てて言う

……

周囲の人々が背筋を伸ばす

視線が前方に集中する……

……

「皆さんもご存知の通り……」男が周りを見回す

「我が国は今、潜在的な脅威に直面している。」

「敵はすでに攻撃を開始した。我々もただ見ているわけにはいかない。」

……

「ここにいる皆が、明日から前へ進む。」男が両手を軽く上げる

「国の槍となり、敵を打ち砕き、我々のものを守る。」

……

「だが……」男が周りを見る

「軍は弱者を必要としない。」

「ここにいる皆の中で、本当に前へ進めるのは一部だけだ。」

「残りは自ずと自分の位置を知る。」

……

「今、皆に最後の道を与える……」男が背筋を伸ばす

「選べ!」

「本気で準備ができていない者は、ここに来た道を戻れ。」

「本気で準備ができている者は、今、目を逸らすな。」

……

「だがよく確かめろ!」男が軽く目を細める

「次に待っているのは……」

「地獄だけだ!」

……………

人々が凍りつく

視線がもうどこにも逸れない……

………

「よし!」男が腰に手を当てる

「皆の時間を無駄にしない……」

「さっそく始めるぞ!」

……

「まず自己紹介を……」男が胸に手を当てる

「俺は鉄原三条中佐、士官訓練担当だ。」

「これからの2ヶ月、皆は俺の下で働く。」

「よろしくな。」

……

「さて今から……」鉄原さんが手元のノートを見る

「部屋番号のトップの人、縦列に並べ。」

「番号順に……」

「同じ部屋番号の者は先頭の隣に。」

……

バタバタ…バタバタ…

人々が乱れて動き……

先頭の人に押し寄せる……

……

「委員長もか?」レンが目を丸くする

「まさか……」俺は軽く近づく

……

「同じ部屋みたいだな。」白川さんが軽く微笑む

……

人々が列に並び……

視線が周りを回る……

……

「今日からこの列にいる奴らは……」鉄原さんが周りを見る

「皆の仲間だ!」

「20人、仲良くやれよ。」

……...

クイッ…

「ハル……」レンが俺の服を軽く引いて囁く

「俺たちの列、10人しかいねえぞ?」

……

「何か誤差か?」俺は軽く目を細める

………

「自分の順番通りに……」鉄原さんが建物の方を指す

「列ごとに部屋に入れ……」

……

トン…トン…

「先頭の者……」鉄原さんが建物に入る

「人数確認して。」

「俺についてこい、基本装備を受け取る。」

………………………………………

コツ…コツ…

列が次々と続き……

目を細めながら

部屋に向かう……

……

「なんで……いつもこうなんだよ……」レンが肩を落とす

「毎回……3階かよ……」

……

「仕方ないだろ……」俺はレンを振り返る

「俺たちが最後の部屋だから。」

………

目の前に

古い木のドア、色褪せたもの

壁は剥がれ落ちた塗装の層

埃が軽く周囲に付着……

……

ギィィ…

ドアがゆっくり開き……

部屋中、蜘蛛の巣だらけ

埃が隅々まで覆い

10組の二段ベッドが並ぶ……

……

「マジかよ……冗談だろ……」レンが部屋を指す

「ここで……2ヶ月……?」

「…………」俺は目を大きく見開いて部屋を見る

………

タタタ…タタタ…

俺たちの視線が振り返る

走ってくる人影に向かって……

……

白川さんが俺たちに近づく

顔をしかめ……

手に箒、モップ、ゴミ取り道具……

……

「どうしたんだよ、そんなに急いで?」俺は軽く首を傾げる

……

「ヤバい……」白川さんが唇を動かす

「本当にヤバい。」

……

「そんなことより大事なことあんのかよ!」レンが目を大きく見開き、部屋を指す

「見てみろよ、ここで暮らすんだぞ!」

……

「落ち着けよ、白川さん。」俺は軽く手を伸ばす

「何があったのか、ゆっくり話せ。」

……

「1時間……」白川さんが小さく唇を動かす

……

「1時間って何だよ?」レンが首を傾げる

「そんなに大したことか?」

……

「わかんないのか?」白川さんが顔を上げる

……

「この部屋を1時間以内に片付けられなかったら……」白川さんが部屋を見る

「今日、俺たちの部屋全員、飯抜きだぞ!」

……

「は?!!!!」周囲の全員が振り返る

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