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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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30/99

沈黙の海が語り始める

遠くへ傾いていく月光……

夜の闇が薄れ、暗闇が後退していく……

紅い炎が徐々に消えていく……

白い煙の柱が少しずつ散っていく……

…

ガラガラガラ……!

遠くから厚い煙塵が巻き上がる……

家々が次々と崩れ落ちていく……

…

カチャ…

「どうやらすべて終わりそうですね!」ハヤマが銃を下げ、煙の方に視線を向ける

「俺たちも行こうか!」ハヤマがリクオを振り返る

…

「そうだな?」リクオが腕を組んで煙を見つめる

「ガキどもに全部楽しませるわけにはいかないよな!」

…

……ザッ……ザッ……

建物の中で響く音……

…

「待て!」ハヤマが手を伸ばしてリクオを止める

…

ギ…ッ!

「誰だそこにいるのは?」ハヤマが銃を闇に向ける

………

トン…トン……

遠くの煙の中から、見慣れた人影が現れる……

見慣れた髪、そして顔に浮かぶ明るい笑み……

…

「レイナ?」ハヤマが目を大きく見開き、銃を下げる

「ここで何してるんだ?」

「今は他のみんなと避難所にいるはずじゃないのか?」

…

「あそこはもう全部片付きましたよ!」レイナが微笑む

「ガキどもも無事ですし、怪我人も治療が終わりました。」

「だから二人が何か必要かと思って来たんです?」レイナが首を傾げて微笑む

…

トン…トン……

「それで、他の連中はどこだ?」レイナが進み寄る

「ガキどものことか?あいつらは今……」ハヤマが炎の方を指差す

…

ガシッ!

「待て!」リクオがハヤマの服の肩を掴む

「どうして俺たちがここにいるって知ってたんだ?」リクオがレイナの目をまっすぐ見つめる

…

「何言ってるんですか?」レイナが首を傾げる

「最初からハヤマさんが教えてくれたじゃないですか?」

…

「確かに!」ハヤマが頷く

「最初に俺が伝えたよ!」ハヤマがリクオを見る

…

タッ…タッ……

「でも今はそんな話をしてる時じゃないですよ!」レイナが目を巡らせ、両手を組む

「今一番大事なのは……」レイナが二人に近づく

「子供たちの安否じゃないですか?」

…

「敵に龍脈も血統も渡すわけにはいかない……」レイナの目が細くなる

…

カチャッ!

「動くな!」ハヤマがレイナに向かって銃を構える

…

「でもどうしてですか?」レイナが手を前に出す

「今はそういう時じゃないでしょう?」

「本当の敵はまだあそこにいるんですよ……」レイナが炎の方を指差す

…

「じゃあ教えてくれよ……」リクオが腕を組む

「俺たちはそんな話、レイナに一度もしてないはずだが……」

「どうして龍脈と血統のことを知ってるんだ?」リクオがレイナをまっすぐ見つめる

…

「説明してもらおうか!」ハヤマが銃を固く握る

……

レイナが足を止める……

顔を地面に伏せる……

背中が徐々に曲がっていく……

…

ククク……

レイナの体全体が震え始める……

…

アハハハハ!!

レイナの体が後ろに反り返る……

頭が背中まで倒れ……

顔に広がる、引きつれた笑み……

…

「俺はよくやったつもりだったんだけどな……」レイナ(?)が手で目を覆う

…

「教えてくれよ……」レイナ(?)が体をくねらせて前に進む

「どうして気づいたんだ……」

「これでも頑張ったのに……」

…

ギリッ…

「三流の演技でよく自信持てるな?」リクオが拳を固く握る

「教えてくれ!」リクオの握り拳に黄金の光が広がる

…

「レイナはどこだ?」

……

ズルッ……

髪が折れ曲がり、絡み合い始める……

顔中に広がる笑み……

オレンジ色の目が二人を照らす……

…

ヒヒヒ……

「どうして……」レイナ(?)が顔を上げる

…

ズザッ!!

「自分で来て確かめろよ!」レイナ(?)が二人に向かって飛びかかる

…………………………………………………………………………………………………………

徐々に弱まる炎の間……

煙の柱が少しずつ薄れていく……

黄金の光を通して、三つの人影がぼんやりと……

…

ゲホッ…ゲホッ…

「どうやら……」黄金の者が体を起こそうとする

「もしかしたら……あの方の言った通り……かもな……」黄金の者がハルを指差す

…

カチッ!

「無駄口はもう十分だ!」ハヤサキが槍の切っ先を黄金の者に向ける

「さっさと吐け!」

…

「ハヤサキ!」シノミが手を伸ばして止める

「ここまででいいわ。」

「残りは私がやる!」シノミがハヤサキを見る

…

「でもお嬢様、この野郎が……」ハヤサキが黄金の者を指差す

…

「安心しろ……」黄金の者がハヤサキに目を向ける

「負けた者は……勝者の意志に従う……」

「もう……人をさらう理由もない……」

…

スッ……

「じゃあ教えて……」シノミが体を低くして黄金の者を見る

「どうして大海は陸を攻撃することを選んだの?」

「どうして人魚は平和協定を破ったの?」

……………

……ズッ…

「お嬢様……」黄金の者が体を起こし、シノミを見る

「恐らく……誤解している……」

「大海が協定を破ったわけじゃない……」

「人間が……破ったんだ……」

…

「どういう……意味?」シノミが目を大きく見開く

…

「神の言葉……そのままだ……」黄金の者が目を開こうとする

「人間が……協定を……破った……」

…

「分からない……」シノミが進み寄る

「私はここに十分長くいたわ。」

「人類は協定通り、私たちに侵略をやめたはずよ!」

…

スッ……

「でもあなたは……本当に……」黄金の者が背を岩に預ける

「すべての人間が……あなたが見た通りだと……保証できるのか……?」

「何……」シノミが体を引く

………

「あなたは知らないかもしれないが……」黄金の者が周りを見る

「大海が……再び汚染されている……」

…

「あなたも見たはずだ……」黄金の者がシノミを見る

「怪獣が……戻ってきた……」

「そしてあなたは知っている……怪獣が……本当は何から生まれるのか……」

…

「フォロックス……」ハヤサキが小さく唇を動かし、槍を見る

…

クッ……

「まさか……お前のような者が……知るとは……」黄金の者がハヤサキを見る

「だがそれは……問題じゃない……」黄金の者が首を振る

…

「本当の問題は……」黄金の者が目を細める

「私たちが……あのプラットフォームに行った時……毒が流れ出していた場所に……」

「返答も……抵抗も……」

「そして……稼働中のプラットフォームに……人間は一人も……いなかった……」

………

スッ……

「でもそれだけで大海全体が攻撃する理由にはならないでしょう?」シノミが立ち上がる

「そんな問題が起きたなら。」

「こちらから積極的に人類に連絡すれば済む話じゃないの?」

…

「評議会は……それを決めた……」黄金の者が手を伸ばす

「どういう……こと?」シノミが体を固くする

…

ドサッ……

「今の人魚は……もう人類を……平和を……信じていない……」黄金の者が手を下ろす

「多くの者が……痕跡もなく消え……」

「多くの家族が……突然親族を失い……日ごとに増え……」

「そして……洞窟の方から……叫び声が……響き渡る……」

…

ガサ……

「評議会は……捜索隊を……作った……」黄金の者が鎧の中に手を入れる

「俺は……多くの者と……志願した……」黄金の者が白い貝殻を握る

…

カチ……

「洞窟に……飛び込み……」黄金の者が貝殻を開き、じっと見つめる

「隅々まで……探し……」

「だが……」

…

……ポタ……ポタ…

貝殻に水滴が静かに落ちる……

黄金の者の両手が震える……

そして視線が……離れない……

…

「私たちが見たものはすべて……」黄金の者が頭を上げてシノミを見る

「血に染まった鎖……」

「壁に刻まれた爪痕……」

「そして……愛する者たちのそばにあった……馴染みの品々の破片……」

………

「私……ごめんなさい……」シノミが頭を下げる

「知らなかった……」

…

「だから……」黄金の者が口元を歪め、目を大きく開いてシノミを見る

「評議会は……投票を行い……」

「そして……ほとんどが……戦争を……選んだ……」

………

パッ!!

煙に包まれた中で……

紅い炎が眠りにつこうとする中……

黄金の者の目の前に光が閃く……

シノミとハヤサキの背後から照らし……

…

ドンッ!

黄金の者が二人に向かって体を投げ出す……

手で二人を遠くへ弾き飛ばす……

…

ズガッ!!

音があらゆる道に響き渡る……

赤い血しぶきが空中に浮かぶ……

そして黄金の者の体に、穴が次々と開いていく……

……

ガバッ!

「お前は何をやってるんだ?」ハヤサキが驚いて黄金の者を見る

…

「何が……起きたの……」シノミが頭に手をやり、軽く振り返る

……

……ッ

二人の目が見開かれる……

体が凍りついたように……

…

ゴッ……ハァ……

「あなたを……」黄金の者の口から血が滴り、シノミを振り返る

「大海全体が……追っている……」

「絶対の権力を得るため……」

「そして……最後の龍脈を……排除するため……」

…

ズンッ!!

地面の小石一つ一つまで赤く染まる……

黄金の者の体が地面に伸びる……

両手はまだ貝殻を握ったまま……

笑顔の子供の写真……

そして黄金の者を温かく抱きしめる女性……

……………………………………………………………………………………………………………

ダン!ダン!ダン!

黄金の光線が連続して飛んでいく……

遠くの屋上へ……

黒い影が炎の真ん中に向かって銃を構えている場所へ……

…

「させるか!」ハヤマが銃をまっすぐ向け、目を大きく見開く

…

バッ!!

「集中力を切らすなよ!」レイナ(?)がハヤマに飛びかかる

「もっと俺と遊んでくれてもいいだろ!」レイナ(?)の目が細くなり、手でナイフを握る

…

キィン!!

「俺たちの家を壊すなよ!」リクオがガントレットでナイフの切っ先を防ぐ

…

ズザァァ……

レイナ(?)の足元に沿って薄い煙が……

黒い服の背中が、今すぐ後ろに……

…

「遊ぶならいいぜ!」リクオが拳を握り、レイナ(?)を睨む

「でもお前を満足させられる相手と遊べよ!」

…

「だったらみんなで遊ぼうよ!」レイナ(?)が口元を歪める

「人数が多い方が楽しいだろ!」

…

ゴツッ!

「十分だ!」黒い服の者がレイナ(?)の肩に手を置く

「任務は完了した。もう留まる理由はない。」

「でも……」レイナ(?)が黒い服の者を振り返る

…

「それとも命令に逆らうつもりか?」黒い服の者がレイナ(?)を睨む

「分かりましたよ……」レイナ(?)が肩を落とす

「止めるなら止める……」

…

「ねえみんな……」レイナ(?)が二人に向かって手を振る

「また今度遊ぼうね!」

…

スッ……

黒い煙がレイナ(?)と黒い服の者を包み込む……

二つの影が徐々に夜に消えていく……

…..

「待て!」リクオが手を前に伸ばす

…

「クソッ!」リクオが歯を食いしばる

…

ギシ…

「まだまだやることがあるみたいだな。」ハヤマが銃を下げる

……………………………………………………………….

遠い地平線から朝陽が昇る……

夜の闇が徐々に追い払われていく……

紅い炎は今、消えている……

露わになったのは、いたるところに散らばる瓦礫の山……

そして道全体を覆う、深紅の色……




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