沈黙の海が語り始める
遠くへ傾いていく月光……
夜の闇が薄れ、暗闇が後退していく……
紅い炎が徐々に消えていく……
白い煙の柱が少しずつ散っていく……
…
ガラガラガラ……!
遠くから厚い煙塵が巻き上がる……
家々が次々と崩れ落ちていく……
…
カチャ…
「どうやらすべて終わりそうですね!」ハヤマが銃を下げ、煙の方に視線を向ける
「俺たちも行こうか!」ハヤマがリクオを振り返る
…
「そうだな?」リクオが腕を組んで煙を見つめる
「ガキどもに全部楽しませるわけにはいかないよな!」
…
……ザッ……ザッ……
建物の中で響く音……
…
「待て!」ハヤマが手を伸ばしてリクオを止める
…
ギ…ッ!
「誰だそこにいるのは?」ハヤマが銃を闇に向ける
………
トン…トン……
遠くの煙の中から、見慣れた人影が現れる……
見慣れた髪、そして顔に浮かぶ明るい笑み……
…
「レイナ?」ハヤマが目を大きく見開き、銃を下げる
「ここで何してるんだ?」
「今は他のみんなと避難所にいるはずじゃないのか?」
…
「あそこはもう全部片付きましたよ!」レイナが微笑む
「ガキどもも無事ですし、怪我人も治療が終わりました。」
「だから二人が何か必要かと思って来たんです?」レイナが首を傾げて微笑む
…
トン…トン……
「それで、他の連中はどこだ?」レイナが進み寄る
「ガキどものことか?あいつらは今……」ハヤマが炎の方を指差す
…
ガシッ!
「待て!」リクオがハヤマの服の肩を掴む
「どうして俺たちがここにいるって知ってたんだ?」リクオがレイナの目をまっすぐ見つめる
…
「何言ってるんですか?」レイナが首を傾げる
「最初からハヤマさんが教えてくれたじゃないですか?」
…
「確かに!」ハヤマが頷く
「最初に俺が伝えたよ!」ハヤマがリクオを見る
…
タッ…タッ……
「でも今はそんな話をしてる時じゃないですよ!」レイナが目を巡らせ、両手を組む
「今一番大事なのは……」レイナが二人に近づく
「子供たちの安否じゃないですか?」
…
「敵に龍脈も血統も渡すわけにはいかない……」レイナの目が細くなる
…
カチャッ!
「動くな!」ハヤマがレイナに向かって銃を構える
…
「でもどうしてですか?」レイナが手を前に出す
「今はそういう時じゃないでしょう?」
「本当の敵はまだあそこにいるんですよ……」レイナが炎の方を指差す
…
「じゃあ教えてくれよ……」リクオが腕を組む
「俺たちはそんな話、レイナに一度もしてないはずだが……」
「どうして龍脈と血統のことを知ってるんだ?」リクオがレイナをまっすぐ見つめる
…
「説明してもらおうか!」ハヤマが銃を固く握る
……
レイナが足を止める……
顔を地面に伏せる……
背中が徐々に曲がっていく……
…
ククク……
レイナの体全体が震え始める……
…
アハハハハ!!
レイナの体が後ろに反り返る……
頭が背中まで倒れ……
顔に広がる、引きつれた笑み……
…
「俺はよくやったつもりだったんだけどな……」レイナ(?)が手で目を覆う
…
「教えてくれよ……」レイナ(?)が体をくねらせて前に進む
「どうして気づいたんだ……」
「これでも頑張ったのに……」
…
ギリッ…
「三流の演技でよく自信持てるな?」リクオが拳を固く握る
「教えてくれ!」リクオの握り拳に黄金の光が広がる
…
「レイナはどこだ?」
……
ズルッ……
髪が折れ曲がり、絡み合い始める……
顔中に広がる笑み……
オレンジ色の目が二人を照らす……
…
ヒヒヒ……
「どうして……」レイナ(?)が顔を上げる
…
ズザッ!!
「自分で来て確かめろよ!」レイナ(?)が二人に向かって飛びかかる
…………………………………………………………………………………………………………
徐々に弱まる炎の間……
煙の柱が少しずつ薄れていく……
黄金の光を通して、三つの人影がぼんやりと……
…
ゲホッ…ゲホッ…
「どうやら……」黄金の者が体を起こそうとする
「もしかしたら……あの方の言った通り……かもな……」黄金の者がハルを指差す
…
カチッ!
「無駄口はもう十分だ!」ハヤサキが槍の切っ先を黄金の者に向ける
「さっさと吐け!」
…
「ハヤサキ!」シノミが手を伸ばして止める
「ここまででいいわ。」
「残りは私がやる!」シノミがハヤサキを見る
…
「でもお嬢様、この野郎が……」ハヤサキが黄金の者を指差す
…
「安心しろ……」黄金の者がハヤサキに目を向ける
「負けた者は……勝者の意志に従う……」
「もう……人をさらう理由もない……」
…
スッ……
「じゃあ教えて……」シノミが体を低くして黄金の者を見る
「どうして大海は陸を攻撃することを選んだの?」
「どうして人魚は平和協定を破ったの?」
……………
……ズッ…
「お嬢様……」黄金の者が体を起こし、シノミを見る
「恐らく……誤解している……」
「大海が協定を破ったわけじゃない……」
「人間が……破ったんだ……」
…
「どういう……意味?」シノミが目を大きく見開く
…
「神の言葉……そのままだ……」黄金の者が目を開こうとする
「人間が……協定を……破った……」
…
「分からない……」シノミが進み寄る
「私はここに十分長くいたわ。」
「人類は協定通り、私たちに侵略をやめたはずよ!」
…
スッ……
「でもあなたは……本当に……」黄金の者が背を岩に預ける
「すべての人間が……あなたが見た通りだと……保証できるのか……?」
「何……」シノミが体を引く
………
「あなたは知らないかもしれないが……」黄金の者が周りを見る
「大海が……再び汚染されている……」
…
「あなたも見たはずだ……」黄金の者がシノミを見る
「怪獣が……戻ってきた……」
「そしてあなたは知っている……怪獣が……本当は何から生まれるのか……」
…
「フォロックス……」ハヤサキが小さく唇を動かし、槍を見る
…
クッ……
「まさか……お前のような者が……知るとは……」黄金の者がハヤサキを見る
「だがそれは……問題じゃない……」黄金の者が首を振る
…
「本当の問題は……」黄金の者が目を細める
「私たちが……あのプラットフォームに行った時……毒が流れ出していた場所に……」
「返答も……抵抗も……」
「そして……稼働中のプラットフォームに……人間は一人も……いなかった……」
………
スッ……
「でもそれだけで大海全体が攻撃する理由にはならないでしょう?」シノミが立ち上がる
「そんな問題が起きたなら。」
「こちらから積極的に人類に連絡すれば済む話じゃないの?」
…
「評議会は……それを決めた……」黄金の者が手を伸ばす
「どういう……こと?」シノミが体を固くする
…
ドサッ……
「今の人魚は……もう人類を……平和を……信じていない……」黄金の者が手を下ろす
「多くの者が……痕跡もなく消え……」
「多くの家族が……突然親族を失い……日ごとに増え……」
「そして……洞窟の方から……叫び声が……響き渡る……」
…
ガサ……
「評議会は……捜索隊を……作った……」黄金の者が鎧の中に手を入れる
「俺は……多くの者と……志願した……」黄金の者が白い貝殻を握る
…
カチ……
「洞窟に……飛び込み……」黄金の者が貝殻を開き、じっと見つめる
「隅々まで……探し……」
「だが……」
…
……ポタ……ポタ…
貝殻に水滴が静かに落ちる……
黄金の者の両手が震える……
そして視線が……離れない……
…
「私たちが見たものはすべて……」黄金の者が頭を上げてシノミを見る
「血に染まった鎖……」
「壁に刻まれた爪痕……」
「そして……愛する者たちのそばにあった……馴染みの品々の破片……」
………
「私……ごめんなさい……」シノミが頭を下げる
「知らなかった……」
…
「だから……」黄金の者が口元を歪め、目を大きく開いてシノミを見る
「評議会は……投票を行い……」
「そして……ほとんどが……戦争を……選んだ……」
………
パッ!!
煙に包まれた中で……
紅い炎が眠りにつこうとする中……
黄金の者の目の前に光が閃く……
シノミとハヤサキの背後から照らし……
…
ドンッ!
黄金の者が二人に向かって体を投げ出す……
手で二人を遠くへ弾き飛ばす……
…
ズガッ!!
音があらゆる道に響き渡る……
赤い血しぶきが空中に浮かぶ……
そして黄金の者の体に、穴が次々と開いていく……
……
ガバッ!
「お前は何をやってるんだ?」ハヤサキが驚いて黄金の者を見る
…
「何が……起きたの……」シノミが頭に手をやり、軽く振り返る
……
……ッ
二人の目が見開かれる……
体が凍りついたように……
…
ゴッ……ハァ……
「あなたを……」黄金の者の口から血が滴り、シノミを振り返る
「大海全体が……追っている……」
「絶対の権力を得るため……」
「そして……最後の龍脈を……排除するため……」
…
ズンッ!!
地面の小石一つ一つまで赤く染まる……
黄金の者の体が地面に伸びる……
両手はまだ貝殻を握ったまま……
笑顔の子供の写真……
そして黄金の者を温かく抱きしめる女性……
……………………………………………………………………………………………………………
ダン!ダン!ダン!
黄金の光線が連続して飛んでいく……
遠くの屋上へ……
黒い影が炎の真ん中に向かって銃を構えている場所へ……
…
「させるか!」ハヤマが銃をまっすぐ向け、目を大きく見開く
…
バッ!!
「集中力を切らすなよ!」レイナ(?)がハヤマに飛びかかる
「もっと俺と遊んでくれてもいいだろ!」レイナ(?)の目が細くなり、手でナイフを握る
…
キィン!!
「俺たちの家を壊すなよ!」リクオがガントレットでナイフの切っ先を防ぐ
…
ズザァァ……
レイナ(?)の足元に沿って薄い煙が……
黒い服の背中が、今すぐ後ろに……
…
「遊ぶならいいぜ!」リクオが拳を握り、レイナ(?)を睨む
「でもお前を満足させられる相手と遊べよ!」
…
「だったらみんなで遊ぼうよ!」レイナ(?)が口元を歪める
「人数が多い方が楽しいだろ!」
…
ゴツッ!
「十分だ!」黒い服の者がレイナ(?)の肩に手を置く
「任務は完了した。もう留まる理由はない。」
「でも……」レイナ(?)が黒い服の者を振り返る
…
「それとも命令に逆らうつもりか?」黒い服の者がレイナ(?)を睨む
「分かりましたよ……」レイナ(?)が肩を落とす
「止めるなら止める……」
…
「ねえみんな……」レイナ(?)が二人に向かって手を振る
「また今度遊ぼうね!」
…
スッ……
黒い煙がレイナ(?)と黒い服の者を包み込む……
二つの影が徐々に夜に消えていく……
…..
「待て!」リクオが手を前に伸ばす
…
「クソッ!」リクオが歯を食いしばる
…
ギシ…
「まだまだやることがあるみたいだな。」ハヤマが銃を下げる
……………………………………………………………….
遠い地平線から朝陽が昇る……
夜の闇が徐々に追い払われていく……
紅い炎は今、消えている……
露わになったのは、いたるところに散らばる瓦礫の山……
そして道全体を覆う、深紅の色……
雪白い雪の下に、まだ道という道が覆われたまま…
冷たい霧の幕が、静かに万物を覆い隠しているとき…
ふと、すべてが過ぎ去っていく。
まるで昨日だったかのように。
…………………………………
みなさん、読者のみなさん、
今、どうしていますか?
頭の中に、まだ何か引っかかっていることはありますか?
時間は本当に早く過ぎますね。
あっという間に、こんなに道を歩いてきた。
そして、おそらくそれはまだ序章に過ぎない。
扉はまだ開かれるのを待っている。
もう…その時が近づいているのかもしれない。
次の階段が手を振って呼んでいる。
私は先に進みます。
また会いましょう、花火の向こうで。




