第十三幕 変わっていく現状
村人たちの悲鳴が響くが、遭遇することも気を付けて歩いて、体力の温存をする。
「いつの間に地図なんて入れていたんだろう……………」
カサッと地図が広げる。そこには蛇の目が書かれた箇所が数個あるものであった。
ズボンのポケットの中に入っていて、一体誰がと思ったがすぐに当てはまる人物が浮かんだ。
「ちゃっかりとしているな、あの狐」
そう。あのキスした瞬間に入れたんだ。
「にしては何でこんなものを入れたんだろう」
明らかにこちらに有利なモノである。邪魔するのであればこんなのを渡すのはおかしい。
「それはよく分からないな。妖の考えていることなんて理解出来ようがない」
「それもそうだね。あ、あった」
そこにはまた木箱が一つあった。しかし、中身は既に取られていたのか何も入っていなかった。
「先を越されたね。次に行こう」
「うん……………」
そんな話をしてまた森の中に入っていくと。
「ひ、ひい!!!」
「た、たすけてくれ!」
声がしてきた。
近くの草むらに隠れて声のした方へ恐る恐る向かっていると。
「黙れ。俺は今、機嫌が悪い」
そこには木に逆さに吊るされた村人たちとそれを見ている鬼の姿があった。
誰もが恐怖で青褪めている。
「そ、それは日ノ巫女が悪いんだろ!?」
「……………」
「そ、そうだ!日ノ巫女がここにこなければ」
「…………………………五月蠅い。黙れ」
「うぎゃ!」
騒ぎだした村人たちの顔を次々に殴っていく。
ベキョ、バキッと生々しい音が鳴り響いて、一方的な暴力を見せられて吐き気を覚えてしまうほど酷い光景だった。
「遊戯の邪魔が出来ればどんなことをしてもいいって言われているんでね。好きにやらせてもらう」
「ひ、ひぃ!!」
自分達では立ち向かっても勝てない存在にどうすることもできない。
「…………………可哀そうだけど、今はここを離れよう」
その言葉に頷くことしかできなかった。
「ああ、本当に可哀そうだ」
そして、また森の中を探索する。
道中で村人たちと遭遇しないか不安であったがそんなこともなく、次のヒントを手にすることが出来た。
「………………法具は魔を封印する為の物である。しかし、その封印は完全とは言い切れない?」
「法具は確かなモノではあるようだね。でも完全ではないって意味が分からないね」
また、歩いてヒントを見つける。
「日ノ巫女は天照大御神、月ノ巫女は月読尊を連想してつけられた。吉凶である双子では反転する?」
なんだろう。これが宝物探しのヒントとなっているようだが全く答えが思いつかない。
「月読尊って女性とも男性とも言われるからそれもヒントになっているのかも」
「ああ。もしかして、その二柱の神になぞって陽と陰のことを言っているのかな」
陽と陰。性別で言うとなると陽は男性、陰は女性と表されるがヒントの反転をすると陽は女性、陰は男性と反対になる。
つまり、このヒントが言うことは、日ノ巫女は女性、月ノ巫女は男性である。そうすると、本戸家で見た日ノ巫女、月ノ御子の字が当てはまってくる。
巫女は日本の神社において神職を補佐して、神に仕える未婚の女性の祭司のことを指す。男性であれば男巫、カンナギと呼ばれる。何故、御子という字にしたのかは不明だがこれで伝説は矛盾していることが分かった。
だが……。
「……………これが宝のヒントになっているのかな?」
「ここまで月ノ御子にヒントが出ているからもしかしたら、月ノ御子関連のモノかもしれない」
神田がそう考えを出してくれる。
私はもうどういう事なのか分からない状態なので、こうまで冷静に考えを出してくれる彼が頼もしい。
しかし、これだけではやはり分からない。他のヒントを探すことにしよう。
それからも地図を頼りにヒントを探していくが開いているのが連続した。
このままでは蛇のいう宝が分からないままになってしまう。
どうするかと話をしていた時だった。
また、村の放送が鳴る。




