約束と招集
リムバラの変化、ジャマルの葛藤、ゴードンの心配
それらは今この場に居る3人には知る由もない出来事だった。
各々の思惑が錯綜し、これから起こる現象と真実に哀は耐えらるだろうか?
ーーー
やっとの思いで布地屋さんを出て次は何を見に行こうかと悩むといい匂いが漂ってきた⋯
(((グー)))
腹の虫が叫び声を挙げ始めたので何か食べたいな⋯とキョロキョロすると
何処からかシャルさんが串焼きを買ってきてくれていた。
「とりあえず今はこれで我慢しろ。後で飯屋を探そう」
有り難い申し出に
「あり、あと!!」
と笑顔で返事は忘れない
フッと笑ったシャルさんは空いた手で頭を撫でてくれて
ドマリさんはいつ食べ終わったのか後ろから抱き着かれてしまった⋯頭が重たいです⋯ドマリさん⋯
冷めてしまわぬうちに串焼きをモグモグ食べる
これは牛だろうか?しっかりした肉感があって噛むほどソースと肉汁が、絡んで美味しかった!!
「美味いか?」
「ん!!」
「⋯可愛い⋯」
1度話をしてからドマリさんは単語でも声を聞かせてくれるようになってすっかり仲良くなった気分だ。
シャルさんは相変わらず面倒見のいいお兄ちゃんで
ドマリさんはやっぱりスキンシップ激しいお姉ちゃんだ
となるとジャマルさんとリムバラさんはお父さんお母さん?
⋯考えたくないので辞めておこう⋯うん
串焼きを食べ終わり、今居る大通り沿いの道から横の通りに出ると馬車が通っていたり、干し草の匂いが鼻を掠めた。
あれは⋯馬車であっているのだろうか?
馬⋯の様な生き物が荷馬車を、引いている所を見るにおそらく馬車だ
そしてこの通りは住宅街が近いのかペット?を散歩させている人もチラホラ⋯
あれ?この世界って動物がいない?
いや、正しくは私の知る動物⋯と言ったところか?
「シャルさん⋯これ⋯」
言葉が分からない為持ってきた絵本にあった絵を指さし動物の事を聞こうとしたら
「あぁ、それはメイニュウだな、見てみるか?」
意外と近い場所に居るらしいので頷き連れて行ってもらたった。
今見た感じ私はここは地獄の入口に思えて仕方ない⋯
街ゆく人が連れている動物は恐らく私の知る限りケルベロスだろう。
それにしては大きさは小さくあんなにヨダレも垂らしていない⋯
馬は見た感じ馬なのだか角が合ったり蹄が炎に覆われていたり⋯
そう来ると牛や鳥は⋯と考えていると
「着いたぞ」
シャルさんの声を聞き見上げた途端私は怖くてドマリさんの後ろに隠れてしまった。
見た目が完全にミノタウロスやコカトリス、ボアだからだ。
2人は不思議そうに心配しながら害は無いと宥めながら私を落ち着かせようとしてくれていた。
お陰で少し落ち着き、再び動物達に目を向けた。
(あーここは地獄だったのか⋯ハハハ)
なんて思っていたらシャルさんが
「この従魔達は俺たちと共存して生きてくれる生き物だ」
メイニュウにコレアス、コレリス、ブラットボアが居ると教えて貰った。
⋯ボアはボアなんだ⋯
つまり、ミノタウロスがメイニュウと言う牛で
コカトリスがコレアスと言う雄鶏でコレリスが雌鳥で
ボアはブラットボアで豚なんだね⋯
色々不思議に思うもここは異世界だ、違いがあって当たり前だろうな⋯うん、そう思い込むことにした。
ゴードンさんから貰った魔物の本には載っていなかったような⋯
でもこの絵本には確かに似通った動物が描かれている。
魔獣と従魔の違いを後でゴードンさんに聞いてみようと思っていたらここで爆弾発言
「さっきの肉はあのメイニュウのだぞ?」
「⋯ボア⋯好き」
おやおや⋯私は思い違いをしていた様だ⋯
てっきりあれは牛だと思い込んでいた。
そりゃ多少違う名前かな?とは思ってもここま見た目が違うとはおもわないじゃん?!
なんてまたツッコミを入れつつ少しこの世界の動物に興味を持ち始めた私はドマリさんと少し触れ合い体験をさせて貰っていた、
こうしてると見た目怖い普通の牛だった⋯
そんな時突然突風が吹きドマリさんが私を背に隠し
シャルさんが横に着く形で守っくれた。
風が止んだと思ったら目の前には大きなペガサスの様な羽が着いた馬だ⋯
「此方ストームブレイクの皆様宛の緊急招集のお知らせです。
拠点に向かう途中お二人をお見掛けしましたのでお渡しさせて頂きます。」
「分かった、ご苦労だ」
「とんでもございません。では、失礼します」
これまたすごい突風を巻き起こしながら飛び去って行くペガサス⋯
あの人は郵便屋さんなのかな?雰囲気からして冒険者の関係者さんなのかな?
なんて考えながらカッコイイなぁと見届けて振り返ると
2人の剣幕から一大事なのが見て取れた。
真剣な眼差しの2人に近寄り、コチラに気付いて申し訳無さそうな顔の2人に絵本の女の子達複数人が楽しく遊んでいる絵を指さしながら笑顔で
「また!くる!だいじょぶ」
そう気にしてない様子で伝えた。
2人は眉を下げながらも頭を撫でてくれて
途中私のお弁当を買って帰路に着いた。
その間ドマリさんは離れないとでも言うようにピッタリで
シャルさんも珍しく近い距離に居る
恐らく相当大変な事が起こっているんだろう⋯
でもこの人達は強いし互いを信頼して居る
きっと大丈夫⋯そう言い聞かせながら絵本を抱える手に力がこもった。




