表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/13

おとぎ話と勇気

帰るとジャマルさんとゴードンさんが食事をしながら話し込んでいた。

私達の帰宅に気付き軽く腕を挙げて挨拶していた。

2人も挨拶を返しその後直ぐジャマルさんにさっきの人の手紙を渡し、難しい話を始めた。

私はすっかり置いてけぼりなので辺りを眺めるとリムバラさんが居ないことに気付いた、

何処に居るのかな?と思いキョロキョロ見渡し探していると後ろのドアが開いた、

振り返ると何処か辛そうな、苦悶の顔をしたリムバラさんが立っていたが、

私に気付くとなんて事無いかの様な顔に代わり

「おかえり」と頭を撫でてくれ

そのまますれ違いジャマルさん達との話し合いに参加した所を、見届けた。

私はボーッと過ごすのもどうかと思いこの世界を少しでも知るため

ゴードンさんの書物を少し漁らせて貰った、

ふと目に着いた2つの本を手に取りペラペラ見てみた

1つはよくあるおとぎ話の絵本で勇者がドラゴンと戦って勝つと言った内容の絵本だった。

もう1つも絵本の様に絵が多いのだが絵本と言うには文字が多く感じる。

先程迄私が座っていた椅子にこの2つと借りている数冊の本をテーブルに置き先程気になった本を読んでみた


その昔この世界には女神とエルフと精霊の3種族が存在し

その中で世界を豊かにする事を望んだ3種族は

女神が人を、エルフが従魔を、精霊が土地を創り共存し豊かに暮らしていた

だか、ある時その3種族から異なる性質の者たちが産まれてしまった。

女神だったものが異形(イギョウ)を産む魔神となり

エルフだったものが呪獣ジュジュウを産むダークエルフとなり

精霊だったものが呪いを産む呪霊(ジュレイ)となった

その異なる性質を持つ3種族は女神達が築き挙げた楽園を崩壊させる程凄まじい勢いで不浄は広がって行った。

それを何とかすべく女神達3種族は立ち上がり魔神達3種族に立ち向かうも聖なるモノと悪なるモノの相性は良くなかったようで、

女神達3種族は敗れたと思われた。

そんな女神達は一縷の望みをかけ、己の命を掛けて祈った、

その祈りは天に届いたかの様に空から突如光が刺し、周囲を包み込んだ。

そして辺りに少し熱を残し星が落ちるような音がした後

光が刺した所は浄化され、その場には1人の男の子が立っていた。

後にその男の子は勇者であり、古代人の粗と呼ばれ荒んだその戦況を覆した⋯というお話だった。


「その話は今はおとぎ話として語り継がれておるよ」


顔を、上げるとゴードンさんが立っていた、

ゴードンさん曰く、今はその名残りで人に害なす存在を呪獣や魔物と言った括りにして魔物の本に載っているそうだ、

従魔等も健在している為コチラは絵本等に出てくるあの動達の事の様だ。

そんな会話をしていると


「お主が良ければ哀と呼んで良いか?」


と聞かれ頷く


「うむ、なら哀、皆はこれからギルに行ってひと仕事の様だ、

哀が良ければワシと一緒にココに残って研究の手伝いをしてくれんか?聞きたい話もあるしのぉ⋯どうじゃ?」


と聞かれたが、今の私は何が出来るとか以前に会話もままならないのに着いていくと思われたんだろうか?

寂しいが、邪魔になって皆が危険になる方が嫌なので

首を縦に振り本を掲げ


「コレ⋯よむ⋯みな⋯だいじ」


迷惑とかこれが最後とかじゃない、私は皆を信じて

ここで勉強していっぱいお話したい!!

みんなの力になりたい!!

その思いが伝わったのか


「分かった、なら一緒にお見送りと行こうかの」


そう言い終わると皆は話が纏まり、準備を終えて出発前に私を待っていてくれた。


「哀ちゃんいい?また帰ってくるからゴーちゃんとここで大人しく待っててね?」

「だいじょぶ!⋯待てる」


そう笑顔で伝えたら力強い抱擁が待っていて窒息死そうだった⋯


「哀⋯」


そう寂しそうに話すドマリさんは口下手なだけで顔を合わせると表情豊かだ

相変わらず目では心配や混乱等感情が混ざった眼差しだ

心配は仕方ないので私は精一杯の笑顔で


「また!いく!やく、そく!!」


と、さっきの言葉を伝え少し安心の色を覗かせた眼差しに

ゆっくり近づいて何時ものようにゆっくり抱きつく

優しく抱き返してくれて行ってくると言う眼差しを受け取り離れた

離れて直ぐにシャルさんからいつも以上の頭撫攻撃をくらいながらもこれは寂しいと悔しいが混ざっているんだろうと思い耐えていると「行ってくる」と短くそれでいてしっかり帰ってくると伝わる力強さで言われたので

私は頷き、笑顔で手を振った。

ジャマルさんは私を警戒しているのか未だに近付き難い所がある

どうしたものかな⋯と悩んで直ぐ私は思い出し駆け出した。

さっき読んだ絵本の男の子はまるでジャマルさんのように見えたから⋯

そしてジャマルさんの前で止まり少し驚いているジャマルさんに息を切らしながら絵本に書かれているドラゴンと戦う男の子を指さしながら


「ジャマ、ルさ⋯これ!!⋯かっくい!!」


と精一杯伝えながら笑顔を向けると、少し笑ったように見える。

そして小さく「おう」と答えてくれた。

1人づつ別れを告げ背中が見えなくなるまで手を振って見送っていたら、ゴードンさんに


「そろそろ戻りなさい、冷えてきておる」


と言われてしまい中に促された。

少しだったがみんなといたお陰で忘れていた寂しさを思い出したかのように感じ胸が痛くなった。


(何か胸騒ぎもする⋯みんな無事でいて欲しい)


そう思いまたみんなと出掛ける為に私は部屋に入りゴードンさんに色々教えて貰ったり手伝ったりで話を聞いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ