守る者と立ち向かう者
ジャマル達一行は2人と別れ緊急招集が、掛かったギルドに向かう。
【最古の戒めが危機の為この招集を受け取り次第即刻ギルドに集結されたし】
と手紙に書かれていた為、具体性の無さとその短い文から緊急性が伺えた。
その為か別の理由かジャマル達一行の空気は重かった。
その空気を打開するかのようにリムバラは話始めた
「ね〜そんな重苦しい空気辞めて気楽に行かない?」
「お前いつもそんな軽口言わねぇだろ⋯どうした?」
「ん~今は負ける気がしないというかぁ〜守りたいモノ増えちゃった感じなのよねぇ~」
「⋯同感⋯」
「俺もだ」
「お前ら2人は口数少なすぎなんだよ!!」
「あら?ジャマル、それはいつもの事よ?でも前より話す様になったみたいね?ドマリ~」
「⋯///」
「照れちゃって~リーちゃん寂しぃわぁ〜」
「いや、それは無いだろ」
「ちょっとシャル!失礼でしょ?本当に寂しかったらどうするのよ!」
「本当だったらそんな事言わない」
「⋯リーちゃん⋯意地悪⋯」
「ドマリ〜ごめんって〜でも哀ちゃのお陰で貴方が明るくなったの嬉しいと思っているわ?それは本当よ?」
「⋯リーちゃん⋯」
「おいドマリ、リムに騙されるなよ?ソイツ昔からそうやって垂らしな所があるからなぁ」
「ちょっとジャマルまで!!」
「ハハハッ!お前ら3人のじゃれ合いなんて何時ぶりだ⋯懐かしいな」
「確かにな、昔はよくこうやって話してたんだがな⋯いつからかドマリもリムも根詰め過ぎてあんまり余裕が無かったんだろう」
「いや、1番はお前だよ⋯ジャマル」
「あ?俺か?」
「そ〜よ〜?さっきの哀ちゃんの挨拶からアンタ雰囲気が少し優しいもの、ね?ドマリ?」
「⋯ジャマル⋯優し⋯でも⋯渡さない⋯」
「おいおい、当人置いて何勝手に想像してんだ!!そんなんじゃねぇよ」
「あ!!そうだジャマル、ギルドに行く前にシャル達にさっきの話しておいたら?」
「あ?あぁ、そういや今回2人は聞いてないのか」
「あぁ、お前に哀を連れ出すよう指示を受けたからな」
「⋯哀⋯寂しそう⋯」
「あぁ、それで頼んだんだ⋯歩きながら話すか⋯
ドマリ、シャル、お前らはアイツをどう思う?」
「⋯哀⋯何も⋯知らない⋯可愛い⋯」
「俺も同感だ⋯可愛いと言うより妹に似てると思っているが」
「まぁシャルは隠れシスコだもんねぇ?」
「⋯違う」
「まぁまぁシャル、そんな恥ずかしい事じゃないわよ〜」
「おい、お前ら⋯話を戻すぞ?
まぁ街に連れて行って貰った理由の1つでもあるんだが、
アイツは色々知らないし、ここの連中と違いすぎるし、会った場所も場所だ」
「それに、話し方なんかを含めて色々気になる所が多いんですって」
「その事から俺は犠牲者だと思ってる」
「後、あのご主人の襲撃だけど⋯ジャマルはミラゴの仕業じゃないかって疑っているそうよ?」
ミラゴとはゴブリンより上のランクに位置し群れを為すという所は似通っているが、最大の違いは頭の良さや種類の違いである。
ゴブリンはDランクの魔物で近接戦闘を集団で行ってくる特性がある。
稀にゴブリンソーサラーと言った魔法を使う個体も居るが、
見習いと初級冒険がランク上げの為狩りに行く魔物である。
対してミラゴはCランクの魔物で個体によってパラメータが違う為確立した戦い方がないのだ、
遠近や中遠と様様な個体が集団や個人で戦う特性がある。
見習い等まだ間もない冒険者だと死人が出てしまう為中級冒険者以上が対応する魔物である。
「アイツが矢を見て伝えたがっていた事を含めて考えると恐らくミラゴで間違いねぇ⋯そしてもしかしたらアイツ、見ちまってるかもしれねぇ」
「だから“何か“とまでは分からなくても違和感を感じて怖いながらも側に居たドマリに話をしたんだな」
「⋯⋯」
「ド~マ〜リ〜?そんな心配しなくても貴方が好きな哀ちゃんは強い子よ?
あんなの見た後なのに私達を信じてくれて、いっぱい話もして笑ってくれるんだから!!⋯ね?そうでしょ?」
そう言われドマリは俯いた顔を上げ頷いた。
そのままジャマルに向かって鋭い視線を送る。
「あのなぁ⋯」
「あら?私も同感なんだけど?」
「リム、お前まで⋯はぁ⋯相変わらずかよ⋯」
「ジャマルも同感の様だ、今回の件が終わり次第もう一度あの森を偵察してくる」
「何勝手に!⋯いや、頼む、お前じゃなきゃ出来ねぇ事だ、信じてるぜ」
「あらぁ〜?哀ちゃん効果かしら?何時は「頼むぜ」ぐらいなのにカッコつけちゃってぇ〜」
「ハハハッ!確かにな、頼まれてやるよ」
「バ、バカ!!そ、そんなんじゃねぇよ!!」
「⋯図星⋯顔、書いてる⋯」
「お前は気に入ったならもう少し会話増やしてやれや!!」
「⋯話す⋯苦手⋯哀⋯賢い⋯」
「そう怒らないでよぉ、ドマリだって変わってきたんだから~
それにそろそろ到着しそうよ?あ〜早く今回の件終わらせてお風呂に入りたいわ〜」
「⋯リーちゃん⋯ありがとう⋯」
「い~え!」
(哀のお陰か何時もより賑やかだな⋯哀⋯ちゃんと帰ってお前を守ってやるからな⋯待ってろよ⋯)
この和やかな雰囲気からでもこれからの事を考え一行は一層気を引き締め各々の思惑が錯綜する。
無事に帰るため、そして早く事態の収集をするために⋯




