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過保護と負けず嫌い

人々の往来に驚きながら話をし、

2人の好意を無駄にしない様に、そして最大の感謝を込めて楽しむことを決めた。

どこに行こうと2人は嫌がること無く着いてきてくれたが、

ドマリさんなんかは可愛い髪飾り等を見たらすぐ私につけさせようとしたり

シャルさんは食べ物を見かけると「食べるか?」等聞いてくれたり⋯

構われて嬉しい反面、親子でのテーマパークを想像してしまい少しションボリしてしまう。

そんな中私は1軒の店を見て止まった…

不思議そうな2人に笑顔で


「あっち!」


と伝えどうしてこんなに離さないのか分からないドマリさんの手を引き駆け出した。

シャルさんは後ろで「危ないぞ」と言いつつ着いてきているのがわかる。

そこは布地屋さんの様で今来ている服はドマリさんのお下がりだし、何着か繕って見ようと思い立ち止まる。

ゴードンさんから貰ったお小遣いもこれなら無駄ではないだろう。

そう思い店を外から眺めてるとドマリさんは躊躇いなく入っていき連れられて私も入ってしまった⋯

シャルさんも着いてくてれ居るが入口付近で待機の様だ⋯

そこからはドマリさんタイムと名付けよう

色んな布地を宛がったり私に見せたり

時間が溶けそうな程目まぐるしがった。

私は必死に着いていくも呆気なく撃沈してしまい、

初めに目に入ったお気に入りの梅色と蕾紅梅色と桜色の3枚を手にシャルさんと並んで立っていた。


「ピンクが好きなのか?」


そう聞かれ


「好き!⋯キレイ⋯シャルさん⋯目みたい!!」


そう伝えるとシャルさんは面食らったかの様にそっぽを向いてしまった⋯悪い事したかな?


「ごめ、なさい」


そうショボくれながら俯くと


「いや、何も悪い事はしてない⋯俺たちは目を見られる事が殆ど無くてな⋯慣れないだけだ、すまない」


そう謝罪してくれた。

そういえばさっきの話だと深くフードを被ったりする人が多いと聞いて確かに見られる機会は少ないのかなと思った。

私はよく頭を撫でられる時顔を見る癖がある様で目が合っていると思っていたが⋯と、2人で話しているとドマリさんが帰って来た

大荷物を抱えて⋯


「それ⋯どう?」


どうしたのか聞きたいのに上手く喋れない為伝われ!!と思いを込めて伝えたら

初めて話してくれた


「哀⋯コレ似合う⋯私買う」


初めにあまり話さないって言っていたが、話し下手なのだろうか?

それにしても多い!!

どうにか止めたくて口を開こうとした時、


「ドマリ、哀が困ってるぞ」


とシャルさんの助け舟⋯

落ち込んだ様子のドマリさんに私は


「コレ、好き⋯いしょ⋯つくて?」


自分の持ってる布地を見せながらドマリさんに一緒に服を作るお願いをしてみた。

先程迄の落ち込みが嘘のように笑顔で頷いてくれて

山程の布地を直しに行った

シャルさんにお小遣いを渡してお会計をしてもらってその店を後にし、次なる目的地を探す。

目新しい物に溢れる今楽しさで満たされ私はすっかり忘れてしまっていた。

何故あの森は懐かしく感じ思い出の場所と似ていたのか⋯

あの古時計と瑠璃の声がした理由は何か⋯

存在は覚えているのに何故か名前が出ないもう1人の親友⋯

そして決して忘れてはならない、ここは異世界であると言うこと。



~~~

「どうだ、俺の考えは?」

「いいと思うわよ?けど、あんた⋯相変わらず臆病ね?」

「あ?なんの事だよ。」

「その顔は図星ね〜?あの子⋯哀ちゃんの事よ」

「別に怖「じゃ!無かったら?シャルにわざわざ合図して迄連れ出させ無いでしょ?」」

「⋯はぁ⋯ちげぇーよ、可哀想だと思ったんだ」

「可哀想?ん~確かにあの森で迷子になって、その上見た感じ未だ外に慣れてない感じよね…にしてもアンタのそういう世話焼きな所、昔から変わんないわね」

「それだけじゃねぇ⋯目の前に死人なんざ俺らでもいい気分じゃねぇのに、それをあんな奇妙な格好と場所で若い女が見たんだ⋯少し気の毒だろ」

「ふ〜ん?な〜んかそれだけじゃぁ無さそうだけど〜?」

「これリム、あまりジャマルをイジメてやるな」

「あら?ゴーちゃん聞いてたの?」

「俺は虐められてねぇ!!」

「まぁまぁそういう事もあろうよ、ホホッ

それよりお前さん達話し合いは結構じゃが、腹は減らんか?」

「おぉ、ゴードンすまねぇ」

「ゴーちゃんありがと〜でも、私は今は遠慮しとくわね。最近腕が鈍くなっちゃってね⋯少し裏庭で動かしてからにする〜」

「そうか⋯ジャマルは少し待っておれ

リム、お前さんはちと背中を見せい」

「や〜だ〜、ゴーちゃんのへんた〜い」

「リム⋯お前と言うやつは⋯解っておるのか?」

「おい、ゴードン、リム言ったい何の話だよ」

「ん~まぁ今はこの2人だけだしいっか⋯」


そう言ってリムバラは背中の紋様を2人に見せた

呪法族には稀に増魔(ゾウマ)族に変異する事が有り、

その変化は力の制御等様々な所に影響を及ぼす。

そして今現在リムバラには増魔族特有の紋様が背中に浮き出ていた。


「これは⋯」

「かなりの激痛の筈じゃ⋯お主いつから⋯」

「哀ちゃんに出会う少し前からかしら?違和感を感じたのは」

「でもお前あの時普通に!!」

「相当な痛みも有るだろうがジャマル、お前さんも知っての通りリムは負けず嫌いじゃての」

「そんなもんで抑えれるのかよ?!」

「な訳無いでしょ?痛いわよ!!でも⋯私はアンタの相棒よ?

こんな物に負ける程ヤワじゃな・い・の。

人を辞める気もサラサラ無いしね~」


そう言い残しリムバラは部屋を出ていった。


「人を⋯辞める?」

「ジャマルはあまり種族には詳しくなかったか?

リムのあれは増魔と呼ばれる種族に変異しかけていてな⋯

魔力暴走等を起こすと魔族になってしまうんじゃよ⋯」

「そんな?!アイツが⋯」

「ジャマル、今はリムを信じる他は無い⋯それに全員が魔族になる訳ではない⋯己の力を抑制し、コントロール出来れば今まで通り⋯いや、今迄より強くなって帰って来れるからの。」

「ゴードン⋯なら心配要らねぇな!!相手はリムだぜ?変異だか変化だか分からねぇが、アイツの負けず嫌いは一筋縄じゃねぇからな」

「それに、リムは1度言った事を曲げる事を嫌がる質だからのぉホホ

さて、飯の支度でもするかの⋯ジャマル、手伝え」

「あいよ」


そうしてリムバラの秘密を共有した2人が雑談混じりに遅めの昼食を取っていた。

哀たちが大変な目に合うまでは⋯


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