異世界と初めまして
あの森での出来事に1つの決着を着け、
渡された本を読みながら皆の言葉も大分理解が出来る用になってきた。
話すのはまだ拙くて上手く話せない所は変わらないのが悔しい所⋯
そんな気持ちを抱えながら2、3冊の本や絵本を眺めていたら
シャルさんが声を掛けてくれた。
「まだ知らない事もあるだろうが、1度街を見てみるか?」
悔しさや寂しさを察してか分からないけど、誘ってくれた事は素直に嬉しい!!
今は皆のお陰で、着替えも済まして見た目も少しまともになった様に思う。
それまでは、変な人だっただろうし、この世界の人とは口が裂けても言えない状況だった⋯
ココに来る道中も気が動転していたり、状況を理解するのに必死で、周りを良く見る余裕等な全く無かった。
私は改めてそのお誘いに笑顔で頷き、
今お気に入りの街や人、森に動物達が色々書き込まれて楽しそうな絵本を小脇に抱え椅子から立ち上がった。
私はその絵本を不思議な国のアリスと思っている。
するとドマリさんとシャルさんが背中を支える様に入口まで案内してくれた。
そこに少し疑問を持ってしまったがそれはすぐシャルさんによって解決された。
「俺たちはチームだが基本ジャマルとリムバラが話し合いで決めた事を後から纏まった話で聞いて何か意見があればその場で意見するスタンスなんだよ。
ドマリを見てわかると思うが、コイツも俺もあんまり話すのは得意じゃないからな」
うん、しっくり来る⋯けれども!
シャルさん意外と私とお話してくれてませんか?
ドマリさんについてはまだ声すら聞いてませんが?
等と心でツッコミを入れてしまったが、まぁそういう関係なら
今の不安定な私の付き人として2人が来るのは当たり前の様な形になるんだろうな⋯
でもドマリさん?
心配は分かります⋯私も外は怖いです。
でも⋯流石に近すぎませんか?!
シャルさん!何とか⋯と目線を向けると知らぬ存ぜぬの視線⋯
酷い!!嫌ではないけれど!!それはあまりにも酷くないですか?!
そんな嘆きは誰にも聞かれず初めての異世界観光が始まるのだった。
「ワシはまだ調べたい事もあるしこのまま残るとするわい、楽しんで来なさいな」
そう言って私に少しお小遣いをくれた。
⋯親戚のおじいちゃんかな?
あれ?この家は結局⋯
「あの⋯家⋯」
不思議そうに指さしながらシャルさんに顔を向けると
「あぁ、ここはゴードンの家でな、普通冒険者は酒場や宿屋で情報を集めながら過ごすんだが、俺たちは此処を拠点に色々出回るんだ」
なるほど⋯だからそれぞれの部屋っぽい所があったり皆着いてそうそう定位置みたいに座り込んだんだ⋯
え?じゃあお店じゃなく家だった?!物多過ぎない?!
新しい発見は驚きの嵐だ⋯
そんな私の肩をポンポンと優しく叩かれ
見上げるとドマリさんが柔らかい笑顔で手を引いてくれた。
つられて私も笑顔になり、絵本を落とさない様にしっかり抱え共に扉を開けた。
薄暗い部屋から外に出た為か目が少ししょぼしょぼして上手く視点が合わない⋯
何度目かの瞬きの後目の前に広がる景色に圧巻した。
大通り沿いにあるらしいこの建物は周囲を商店等が囲っていて、
日本で言う出店の様な形で商売をしていたり、所々ショーケースに並ぶ様に飾られている普通のお店もあって
そんな中を行き交う人々の雰囲気がお祭りの様だった。
私は景色もそうだがそれ以前に驚く事が起こっていた⋯
「何か怖いことがあったのか?」
無意識に2人の手を強く握っていたようだ⋯
それを見兼ねてシャルさんが聞いてくれた。
私は驚き2人に謝りたくて頭を下げ2人の手を離した、
ドマリさんは気にしないでとでも言うように再び手を握り直してくれた。
その気遣いが嬉しくて、心が暖かくなった
「だい⋯じょぶ⋯人⋯びっくり⋯」
そうシャルさんに伝えると
少し考える様な素振りをし、コチラに向き直って微笑んで落ち着かせるように頭を撫でながら話をしてくれた。
「そうか⋯異種族を見た事がなかったのか。それは驚くよな、だが大丈夫だ」
この世界には異種族として様々な個性を持った人々が居る。
人族でも異なりがあるらしく
強起族
ドマリさんやジャマルさんがその種族に当たる様で、
強起族は生まれつき筋力が強い種族
見た目は高身長や大柄な人が特徴
(確かにドマリさんやジャマルさんは大きいなぁ⋯色々)
呪法族
リムバラさんがその種族に当たり。
呪法族はその昔エルフの血を引いて生まれた血族
見た目は妖艶な人や羽のある人等が特徴
(リムバラさんの妖艶な見た目は生まれつきなのか⋯羨ましい⋯)
従速族
シャルさんがその種族の様で、
従速族は遠くの物を見たり聞いたり等周囲に過敏になる種族
光や音に弱いのが特徴で基本皆深くフードを被ったり耳を覆う何かを着けているそうだ。
(過敏ならこんな人混み大丈夫なのだらうか?)
通常種として個性が無い人を指す様だ。
ゴードンさんがその通常種らしく、恐らくは私もそうだろうと教えられた。
他にも様々な種族が居るらしいが、
今関わってる人達の事だけでも覚えておいて損は無いって話された。
(異世界に来たらと思うと魔法!とか戦闘力!とか期待しちゃったけど⋯今の話だと私には特異な能力は無いみたい⋯でもゴードンさんは頭が良いからもしかしたら頭脳的な特異はあるかも?⋯今度試してみようかな?)
私個人として気になるのは目の前を通る人々の中に居る、
ウサギのような耳が生えてる人、尻尾だけ生えてる人、顔が動物の様に見える人、子供の様で大人のように年齢を重ねてる様に見える人、どうやって浮いているのだろうか?分からない人⋯
これが異種族と言うのだろうか?
街ゆく人は驚きもしてないし当たり前のように行き交いそして話をしている。
そしてもちろんこの2人もだ⋯
私の知ることわざで十人十色とは言うがこれが正にそれだなと感じた瞬間だった。
色々聞いてうーんと頭を捻るも分からないのでここは普通に楽しみたいなと思ってしまう私は楽観的過ぎるのだろうか?
2人は心配そうにでもしっかり私の言葉を待ってくれている様に見える。
だから私は
「もう⋯へいち!!⋯たのし!!⋯あっち!」
そう笑顔で伝え、指さしながら出店に向かう
2人は安心して子供の相手をするように「転ぶなよ」「⋯」等いいつつ私には笑顔で着いてきてくれた。




