行き違いと想い
ジャマルの悩みはただ1つ。
哀についてだった。
ゼフ達に素直に言えない理由⋯
最近の魔物達の活動が活発化した事や異形が現れた事、
そして魔物の活発化に伴い本来の魔物の動きと違う動きを見せる個体が現れた。
それらは些細な事だった、今回の件”古の封印”が関わっているなら尚更⋯
だが、タイミングが悪かった。
哀が現れその直後に今回の件、だから尚更悩まざるを得なかった。
その旨を昔から知る仲間に話してどう思うか⋯想像に容易い⋯案の定、
「それじゃ、今回の件は哀ちゃんが原因みたいじゃない!!」
「ジャマル⋯沈む⋯覚悟⋯」
「落ち着け!お前らの気持ちも分かるから相談しに来たんだろぅが!!」
シャルは静かに怒りそれでも大人しく聞いていた
「シャルもドマリも落ち着いてくれ⋯今回事が事なだけに慎重に行かなきゃならねぇ⋯」
「でも、ジャマル!!」
「リム、お前が1番わかってんじゃねぇのか?」
ビクつくリムバラ⋯
その姿にドマリはジャマルを睨み、シャルは納得行かないと言った視線を投げる
言葉はキツくてもジャマルは信じたかった、最近の魔物が異常なのも、このタイミングでの異変も⋯
そう考えてしまう自分が間違いだと何か他の要因が有ると⋯
「皆、一旦落ち着いて整理しないか?」
「1番殺気放ってるお前に言われたかねぇよ⋯シャル」
「すまない⋯リムバラ、お前は哀の生い立ちを知っているか?」
「いいえ⋯恐らく生贄の⋯とは⋯」
「リーちゃん⋯」
「ドマリは?」
「知らない⋯恐らく哀も⋯可愛い妹」
「おい!お前は一人っ子だろうが!!それになんも知らねぇなら⋯!!」
「ジャマル⋯お前は?」
「⋯はぁ⋯正直リムと同意見で犠牲者だと思ってる⋯
奇妙な格好はしてたが、何も知らない、話せない辺り妥当だろうな⋯
最近の魔物の件は時期的に成功したと思っても仕方ねぇだろ?」
「なるほどな⋯」
「おい、お前はどうなんだよ」
「⋯俺は巻き込まれただけだと思ってる」
「は?」
「シャル?」
「⋯」
「詳しくはまだ解っていないが、哀が今回の精霊使い殺しでは無いのは事実だ」
「は?⋯お、おい⋯精霊使いが殺されたなんて⋯聞いてねぇぞ?」
「ジャマル⋯それは本当よ⋯」
「リム!!お前まで!!」
「これは、精霊から聞いてたの⋯」
「なんで⋯黙ってた?⋯」
「結界に支障が出る程なんて聞いてないのよ!!
それに⋯私は精霊使いじゃないからそういう話が飛んできた程度なのよ⋯ごめんなさい⋯」
「俺はこのパーティの斥候であり情報を集める立場だ、リムバラが言う様に確実な事しか言えないんだ⋯お前の為にもな⋯ジャマル」
「⋯その件は解った、確実になったらお前は隠さず話すだろうから信じよう。
だが、この件に哀が関係ない理由は?」
「哀には適正が無い⋯つまり精霊が見えず、あの森に居た時、あの独特の空気の淀みに気付けてい無かった、
それに機関に関しての情報や話が出ないのがその証拠だと思う」
「成る程な⋯確かに犠牲者であの淀みが分からないなら、精霊使いを殺す理由は無いな⋯
よし!お前らの気持ちも意見も分かった」
「それじゃあ⋯」
「あぁ、俺もアイツが関係有るとは思いずらい⋯
他の奴らには魔物の異変と異形についてで話を通す」
「⋯ジャマル⋯出来る」
「お前が懐くんだ信じるよ。
相当なことが無い限りんな事無かったからな」
「⋯///」
「シャル、ありがとな⋯お陰で目醒めたわ」
「お互い様だ⋯すまなかったな」
「どうってことねぇよ⋯お前ら、アイツの件暫く隠すぞ。」
「その方が哀ちゃんの為よね⋯」
「⋯お出かけ⋯」
「それは大丈夫だろ、公に哀を知らせなければいいだけだ」
「シャルの言う通りだドマリ、また、街に行って遊んでやれ」
「⋯ジャマル⋯ありがとう」
「おう、したらゼフ達に報告とこれからについて話してくる⋯あーそうだ、シャル」
「なんだ」
「1度アイツの所に行ってこい」
「どうした?」
「情報が欲しい⋯今回は特に」
「っふ⋯解った。お前は良い奴だよ」
そう言い合った2人が肩をぶつけて挨拶した
ジャマルは広間に繋がる扉にシャルは窓に向かって歩く
「⋯リーちゃん⋯」
「大丈夫よ、ドマリ⋯ジャマルはね?不器用なだけで本当は哀ちゃんの事話す気は無かったと思う⋯じゃないと私達に聞かないでしょ?」
「⋯」
「うん、昔からそうよね⋯お節介でお人好しだからああやって本心じゃない悪役に回る⋯もう少し分かりやすかったらいいのにね?」
「⋯リーちゃんも⋯隠し事⋯」
「それは⋯ドマリにはもう少し落ち着いたら話すはね?」
「ん⋯待ってる⋯」
そんな2人の会話の最中シャルは既に哀の居るゴードンの家に向かって居た
シャルが着いた時哀は光に包まれていた時だった。
その事でより確信を持ったシャルはまたギルドに戻った⋯
そう⋯本当に哀は巻き込まれただけだった⋯
この世界の歪み⋯そして夜の闇に⋯




