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(2)修学旅行

 仏右乃フツウノ高等学校はいたって普通の高校だ。

みんなそれなりに勉学に励んでるし、それなりの悩みもある。そんな平和な毎日が流れる学校。


 さて、もうすぐ修学旅行がある。場所は長野県。

ん?海外ではないのかって?まあ、良いじゃないか。私が飛行機に乗るのが怖いからとは口が裂けても言えないが。

引率は私と各担任の先生、それと生活指導の松本マツモト先生だ。

その間、教頭先生には学校の事を任せてある。

生徒がウキウキしている中、何を隠そう私も内心楽しみなのだ。前日眠れなかったほどに。


 順調に目的地まで向かう。その間は生徒たちは自由に雑談をしたり眠ったりしている子もいる。

サービスエリアで小休憩。私が自販機でコーヒーを買っていると1人の男子生徒が近づいてくる。

「おれ、ブラック飲めないんですよね。砂糖6個入れないと」と言うこの究極の甘党生徒は田中くん。

成績は中の中。特に問題行動を起こすわけでもなく、普通に学校生活を送っている。結構カッコ良い。

「おれはりんごジュースにしようかな」と財布を取ろうとした時、ブチッ。

田中くんのカバンに着いていたストラップが切れた。「あっ」

そして切れたストラップを私に差し出す。「これあげます。要らなかったら捨ててください」

大してこだわりがなかったものなのか、あっさりしている。

そしてしれっと私にゴミ処理を任せたようだ。


 目的地に無事到着。昼食を食べ、班ごとに自由行動を行う。

自由行動では班ごとに一台ずつタクシーを支給し、自由に観光地を巡ってもらうのだ。青春だね。

我々引率もタクシーに乗り、子どもたちが事前に提出した計画をもとに、生徒がいそうなところを回る。


 突然私の携帯が鳴る。3年C組担任の川田カワタ先生からだ。

「どうしました?」「あっ!あの!生徒が!」

何やら慌てた様子である。「とりあえず落ち着いてください」そう言うと川田先生は一呼吸置く。

「私のクラスの一班が計画通りのところにいなくて・・・タクシー会社にも問い合わせたのですが、そのタクシーだけ連絡取れなくて・・・」

「なるほど。ほかの場所には行ってみましたか?」回る場所はいくつか提出してもらっている。

もしかしたら時間の関係でほかの場所から回っているのではないかと思ったのだ。

「いえ!ほかの場所やほかの先生にも連絡してみたのですが、その班だけ行方が分からないのです!」

「とりあえず協力して探しましょう。どの班か教えていただけますか」田中くんのいる班だった。

「自由行動は中止して、生徒を旅館に集めましょう。班の子たちは私と松本先生で探します。それと警察にも連絡しておいてください。川田先生は警察の対応をお願いします」


 急がねば。何かトラブルに巻き込まれているかもしれない。当てはないがとにかく探し回った・・・。

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