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【第一章完結】霊が導き、霊を導く悪魔祓いの異世界霊能者~異世界で霊視持ちの俺、聖魔の力で悪魔祓いやってます~  作者: 犬型大
第二章

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77遠征2

「長生き……か。聖騎士をするなら贅沢な願いだな」


「そうか? 俺はひ孫に囲まれて死ぬつもりだぞ」


「ふっ、それは大きく出たものだな」


 俺の大真面目な夢にペリフェは思わず笑う。

 焚き火に照らされたイケメンは絵になるもんだ。


「小さくまとまった夢なんてつまらないだろ?」


 ひ孫に囲まれる前に悪魔全部ぶっ殺してやるなんてことは言わない。

 それこそ大きく出た話になる。


「生き残るためには……いいパートナーが必要だ。俺と組まないか?」


 移動中やるべきことが一つ言い渡されていた。

 それはペア作り。


 聖騎士も基本的には一人で活動しない。

 二人以上で動く。


 そのためにはペアとなる必要がある。

 支援で強化される聖魔、あるいは互いを支援できる聖聖の組み合わせでペアを作るようにと言われていた。


「エリシオとか……うん、いいね」


 基本を考えるなら聖魔の組み合わせがいい。

 ただ、聖魔の数が均等ではないために組み合わせは多少考えなきゃいけない。


 だから俺はさっさとペリフェに狙いを定めて声をかけたのだ。

 研修生の中で、という縛りがなきゃパシェでも選んだのだけど、研修生の中ではペリフェがトップクラスだ。


「よろしく、エリシオ」


「ああ、短い間だけど頼むぜ」


 先日の魔物騒動でもペリフェの動きは悪くなかった。

 先にペアを決めてしまえばクレンシア避けにもなる。


 ペリフェが拳を差し出してきたので、俺もそれに応じて拳を軽くぶつけてベアの成立を祝ったのだった。


 ーーーーー


「さて、この近くに魔物がいるらしい」


 順調に移動して、やや大きめの村にたどり着いた。

 先に調査を行っていた聖騎士と合流して、俺たちは魔物と戦う準備を整える。


 ここまでで少し緊張感の緩んでいた空気も、張り詰めたようにピリついている。


「本来ならば魔物の目撃情報があったら近隣への聞き込みや被害の確認、そして魔物の捜索まで行う必要がある。しかし今回に限っては先に終わらせてある」


 聖騎士だって、ただ魔物と戦えばいいわけじゃない。

 魔物の話を聞いて駆けつけても、その場に魔物がいないこともある。


 そんな時には話を聞いたり魔物を探したりする必要もあるのだ。

 今回はただ魔物を倒すだけで、他については先に来ていた聖騎士が終わらせてくれている。


「村の南側にある川の近くに魔物がいる。今から行けば……夜までには帰ってこられるな。さっさと行って、さっさと帰ろうか」


 心の準備も何もなく、俺たちは村を出発する。


「魔物との戦闘は基本的にお前たちに任せる。死にそうにでもならない限り俺たちは助けないからな」


 他のグループは知らないが、ゲルディットは比較的放任主義的なやり方だ。

 いざとなれば守ってくれることは分かっているので不満はない。


「魔物は人型だ。あまり気分の良いものではないから心しておくように」


 動物と混ぜたような魔物は、まだ動物に似ていると割り切ることができる。

 しかし完全にヒトをベースにしたような魔物は見た目にも嫌悪感が強く、単純に魔物と割り切ることは難しい。


「先の方に魔物が見えてきたぞ。戦う準備をしろ」


「うわっ、悪趣味……」


 川のほとりに異形の存在が立っている。

 人型と言っていたが、シルエットだけ見ると明らかに人ではない。


 誰かが息を呑む音が聞こえた。


「あれは……なかなかだな」


 俺のペアとなったペリフェも顔をしかめた。

 まるで悪趣味に遊んだかのように、いろいろなものが人の形に付け足されている。


 腕は二本。

 ただし肘付近から別の腕が生えている。


 さらに肘から生えた腕の肘からもさらにもう一本腕が生えていて、奇妙な延長のされ方をしている。

 腕を二本というべきか、計六本というべきなのか難しい。


 足は六本。

 こちらは断定してもいいだろう。


 本来の足の付け根部分から三本ずつ足が生えている。


「ホラーゲームかよ……」


 肌は白っぽく、全身毛の一本も生えていない。

 服も着ておらず裸なのだけど、股間もツルンとしているのでそこだけは良かったと思う。


 さらに、そんな魔物が二体もいる。

 夜に出会ったら叫んでしまいそう。


「ペリフェ、左のやつをやるぞ。クレンシアペアもそっちを狙え。残りのやつは右だ!」


 みんな、気持ちの悪い魔物に圧倒されている。

 だが気分が落ち着いているのを待っている暇はない。


 魔物はまだこちらに気づいていない。

 先手を取るのはいまが好機だ。


 しょうがないので俺が素早く指示を出す。

 こんな時こそクレンシアにリーダーシップを発揮してもらいたいものだけど、やはり経験不足がちょいちょい顔を出してしまう。


「行くぞ、ペリフェ」


 俺は剣を抜き、ペリフェの背中を押しながら神聖力を流し込む。

 物理的に押すだけじゃなく、体に流れ込む神聖力は体を強化してくれて、グッと力の入る感じは精神的にもプラスに働く。


 聖聖の組み合わせならともかく、今は聖魔の組み合わせとなっている。


「……行こうか!」


 俺に背を押されてペリフェも剣を抜く。

 大きくは緊張していないようで、ペアに選んだ甲斐もあったというものだ。

 

 俺は先にペリフェをいかせて、サポートできる距離で立ち回る。


「あっ……みんなも行きましょう!」


 俺とペリフェが飛び出したのを見てクレンシアも続く。

 クレンシアは聖の女性とペアを組んでいて、魔のギュドスはまた違う人とペアを組んでいる。


 そこらへんのペア分けは俺にとってはどうでもいい。

 クレンシアたちまで動いて、ようやくみんなも動き出す。

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