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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season5 ― 心が動く瞬間(とき)―  作者: 柊梟環
EVOLVE Season5 ― 心が動く瞬間(とき)―
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第4章 やわらかな証明、やさしい光(後編)

勇気を出した環の言葉を受け止め、

柊と凪のやさしさがぽかぽかと広がっていく。

灯のメッセージもまた、環の心を支えていた。

― アークシステムズの午後 ―


― 会議のあと、アークシステムズのオフィスにて ―


午後。

会議が終わったあと。

たまきは、いつもより少しだけ緊張していた。

けれど、なぎの隣で勇気を出して発言できたことが、

胸の奥で小さく灯になっていた。


エレベーターの中で、凪が明るく言う。

「環さん、今日の言葉、よかったですよ!」

「そ、そうかな……?」

「はい! 鷺沼さぎぬまさん、あのあと少し黙ってましたもん。

 あれ、たぶん効いてましたよ!」


環は恥ずかしそうに笑った。

その笑顔が、少しだけ疲れを溶かしてくれた。


オフィスに戻ると、

しゅうがすぐに声をかけてきた。

「おかえり、2人とも。」

「ただいま、柊。」


柊はオンライン会議の資料を閉じ、

ほっとしたようにコーヒーカップを置いた。

「環、今日は言えたな。

 環らしい言葉だった。……よくがんばったな。」


その声は、やさしくも確かな響きをもっていた。

環の頬が、ほんのり赤く染まる。

「はい。ちょっと怖かったんですけど……

 凪くんががんばってるの見てたから、

 どうしても言いたくなっちゃいました。」


「そうか……それでいい。」

柊は微笑みながら、環の頭を軽く撫でた。


その瞬間、静かなオフィスに柔らかな空気が流れた。

蛍光灯の光が少しあたたかく感じられる。


凪がニヤリと笑いながら言った。

「あ〜また2人でイチャイチャしてる〜!

 柊先輩、僕もがんばったんで、頭撫でてくださいよ〜」

「なんだよ、おまえががんばるのは当たり前だろ……」

そう言いながら、柊は苦笑して凪の頭をぽんと撫でた。


「よし、これで満足か?」

「はいっ! これでやる気チャージ完了です!」

「単純だな……」


環が笑い、

隣のデスクに置かれたあかりのメッセージアプリの画面が

「おつかれさま。よくがんばったね」と静かに光った。


環は小さく声に出した。

「……はは、こうしてると、怖いことも忘れちゃいますね。」


窓の外では、午後の光が街をやわらかく照らしていた。

そのぬくもりの中で、

今日の小さな勇気が、心のどこかで確かに光っていた。

仲間と支えあう安心感が、環の心に静かに灯をともす。

その温度は、やがて鷺沼の中にも届く“やさしい光”となる。

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