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死んだと思ったら魔界で生まれ変わった  作者: 鳥羽こたつ
最終編
96/146

決め所

そろそろポケモンの発売日ですね。次回更新時には現状報告をしてみたいものです。

「つぅ…」


殴られた箇所を押さえる隊長。だが先ほどとは異なり、その目は自分たちがよく知る隊長の目に戻っていた。


「だ、大丈夫ですか」

「あぁ。気にするな…」

「それにしても、よくここまで来れたな。魔界は今どうなってんだよ」

「そのことについても話すつもりだ。先に言うとすれば、今が魔界の攻め時だ」


攻め時?まさか統率者がいなくなったのだろうか。いや、あの魔王に限ってそんなことはないか。


「攻め時ってどういうこったよ」


ディスプくんが自分が思っていたことと同じ疑問を口にする。すると隊長は少し深刻そうな表情を浮かべ、重々しい雰囲気を出しながら話を切り出した。


「魔族たちの士気が下がっているんだ。ミズキコウが暴れてる」

「竜が?」

「あぁ。奴は今、魔族を喰い殺している」

「はぁっ!?」


それを聞いて一番驚いていたのはディスプくんだった。確かに魔族が共食いをするという事実は聞いたことがない。それに、その行動で士気が下がっているというのだから、魔族たちにとって余程脅威となっているのだろう。


「何でそんなことになってるんですか?」

「…さぁな。恐らく、何かしら変な影響を受けたんだろうとしか」

「変な影響って?」

「おれが被っていた仮面があったろ。あれは洗脳器具みたいなもんなんだ。恐らくだが、似たような道具を使用されたんじゃないかと思ってる」


確かに、仮面を被っている時の隊長は様子が変だった。廃人のようにふらふらとしていたし、言葉も発していない。仮面を割った時には自分たちのことを認識していたし、あれを洗脳と言うのならば納得がいく。


「ちょっと待てよ。そんな道具があるってのに、どうして今が攻め時なんだ?指揮が下がってるとしても危険だろ」

「すまない。確かに攻め時という言い方は悪かった。正確に言うと、今攻めなくてはほぼ確実に不利になる」


なるほど。確かにそんな道具が量産されたりしたら、向こうの指揮も高まるだろう。それにその道具が人間にも有効だとしたら、こちらの戦力の低下にも繋がる。それは避けたいところだ。そういうことだろう。

自分の推測を伝えると、隊長は半分だけ納得したかのような、微妙な頷きを返してくれた。


「確かにキドの言うことも合っている。でもな、それだけじゃないんだ。このままだと魔族は延々と増え続けることになる」

「…何か、さっきから遠回しな言い方ばっかりですね。何が起きてるんですか?」

「悪ぃ。結構最悪な方向に進んでてな、どうも直接伝えることに躊躇してしまう」


頭を押さえ、目線を下に下げながら隊長はそう言った。そんなに言いにくいほど、状況が悪化しているのだろうか。隊長がこの様子だと、こちらも不安になってしまう。


「…もう一つ、魔界で起きている最悪な事態がある。それは」


隊長は一つ息を吐き、目に力を込めながらこう言った。


「魔族が、クローンを作り出しているんだ」

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