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死んだと思ったら魔界で生まれ変わった  作者: 鳥羽こたつ
最終編
95/146

素顔を見せて

更新時間遅いですね…すみません…

カラス人間は背中に生やした翼から、黒い羽をまるで弾丸のように発射した。放たれた羽は自分の背後にいた三人の顔を狙い飛んでくるが、各々が持っていた武器を使って弾き防いだ。顔に焦りがないところを見ると、流石ディスプくんが推薦した三人と言ったところか。


「ディスプくん!」

「わかってる!」


自分が放った銃弾と同時にディスプくんがキデンくんを連れて駆け出た。二人はカラス人間を挟み込むように囲い、拳を叩き込もうとする。

しかし拳がカラス人間に届きそうになるその瞬間、奴はその黒い翼を、まるで壁を作るかのように広げ攻撃を弾く。そして二人が怯んだところを、カラス人間は炎の魔法を飛ばして追撃した。

地面が爆ぜ、その衝撃によって二人は吹き飛ばされるが、何とか受け身を取れたようで、着地の衝撃を和らげていた。

前回の戦闘と今回の流れを見ると、遠くからの支援で隙が生まれたところを攻めてもらうやり方の方が良いだろう。確かソーニちゃんは弓を武器にしていたはずだ。


「ソーニちゃんは自分と一緒に支援をお願い!二人は隙ができたと思ったらヒットアンドアウェイで攻撃していって!」


三人が頷いたことを確認すると、自分はスコープを覗き込んでカラス人間に照準を合わせた。狙いは胸元だ。相手が人型である以上、心臓部分は弱点であるはずだ。それを守るために態勢を変えるなり翼を使うなりするならば、攻撃の先も生まれるだろう。

狙い通りカラス人間は銃弾から身を守るため、翼を使い銃弾を弾く。その際に生じた隙を四人は逃さない。走り出したイフトくんはそのクールな顔には似合わないようなゴツい斧を振りかざし、カラス人間を真っ二つにする勢いで斬りかかった。カラス人間は既のところでその一撃をかわしたものの、次にテンドくんがリーチを生かした棍での攻撃で着実に魔族の体力を奪っていく。仮面をしているから表情は見えないものの、動きを見れば先ほどとの違いは明確だ。

動きが鈍った魔族に対して今度はディスプくんが腕を掴み、背負い投げを行う。そして自分とソーニちゃんの支援を受けながら、キデンくんがカラス人間の顔面に強烈な一撃を喰らわせた。その一撃はカラス人間の仮面を砕き、謎の魔族の正体を露わにした。

そしてその正体は、自分たちがよく知るものだった。


「…隊長!?」


以前リモコちゃんがカラス人間を見て、隊長かもしれないと言っていたことを思い出す。まさか本当にそうだったとは。

とにかく、今は隊長と話をしよう。自分たちを襲ってきたということはあの時の取引通り、今も魔族の仲間として闘っているのだろう。だが、こちらも着々と戦力を整えつつある。協力すれば、魔族を倒す算段だって立てられるはずだ。


「隊長、あの」

「キド、キドか」


だが、隊長の様子がおかしい。先ほどの戦闘の前もそうだが、まるで廃人のようにフラフラとしている。


「大丈夫ですか…?」

「あぁ、いや…。…キド、おれを殴れ、殴ってくれ。どうにかなっちまいそうなんだ。頼む…」


隊長は血走った目で自分にそう言うと、呻き声をだしながら頭を抱えて蹲った。少し戸惑ったが覚悟を決め、今までで一番の力を込めて、隊長をぶん殴った。

…鈍い音がしたけど、大丈夫だろうか。

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