増員するメンバー
年越し更新!一度やってみたかったです。年越しの瞬間はジャンプで年を越しました。
昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。頑張ります。
「おいっす。早いね」
隊長が昔使っていた椅子に座り、パソコンをいじっていたキードがオレへと振り向く。今のキードは隊長代理だ。詳しくはわからないが、隊長は今新しい研究をしているとのことで、滅多に会うことはない。会ったとしてもひどく疲れた顔をしており、話すことはなかった。新しい研究って、そういえばなんなんだろうな。
「まぁな。で、今回の敵は?」
「小さいゾンビ、そんなに強くもないと思う。イオマくんを付いて行かせるから、あとは新人でも何とかなるんじゃないかな」
「わかった。じゃあ適当に3人くらい連れてくことにする」
「悪いな。ちょっと待ってくれ」
そう言ったのはちょっと前に考えていた隊長だった。相変わらず疲れた顔をしている。
ここにいるということは、例の研究とやらも終わったのだろうか。
「隊長、どうしたんすか」
「あぁ、ちょっと、な」
どこかバツが悪そうな顔をして頭をかく隊長。よく見ると、隊長の後ろでぴょこぴょこと影が動いている。頭から見て、おそらく子供だろう。それもきっと10歳前後くらいの子だ。まさか…。
「隊長の子供か!?」
「隠し子っすか!リモコちゃんにチクりますよ!」
「あぁ、何かこのノリ懐かしく感じるよ」
どこかノスタルジックな顔をする隊長。全く話をしていなかったのはオレだけじゃないらしい。隊長は一つ溜息を吐くと、後ろに隠れている子供を無理やりオレ達の目の前に突き出した。
その子は濃い緑色の髪をした女の子だった。全身真っ黒い隊長と似たような格好というか、ぶっかぶかの黒い服をまとっている。髪の色は隊長と違うが、大人しい雰囲気は彼とそっくりだ。
「やっぱり隠し子…」
「違う。…紹介する。新メンバーだ」
「えっ」
こんな子供が!?
確かに守護隊メンバーが増えて、若い人員は増えた。だが、流石にこんなに小さい女の子は見たことがない。正気なのか、隊長。
オレのその思いをくみ取ったのか、隊長は面倒くさそうな顔をして女の子に何かを語り掛ける。常に無表情なその女の子は、隊長の言葉を聞くとコクコクとうなずいている。こうしてみると、否定はしているが本当に親子みたいだ。
しばらくすると、とてとてとあざとく歩いてきて、女の子はオレに手を伸ばしてきた。握手でも求めているのだろうか。そう思って少し屈んでその手を握ると、女の子はオレの手をグイっと引っ張り、バランスを崩して倒れたオレをエルボーで鳩尾を的確に攻撃してきた。
「痛ぇっ!」
「まぁ、実力はこんな程度だ」
「はー。今の攻撃、どことなーく兜顔くん思い出しますね」
「あぁ。そうだな」
そうだなじゃねぇよ。痛いんだよこっちは。
しかしこのまま怒っていても情けないので、なんとか効いていないふりをして立ち上がる。それにしても子供とは思えない強さだった。何者なんだこいつは。
「今回はおれとお前とイオマとこいつで行く。ゾンビだけなんだろ?」
「マジっすか。隊長の体調は大丈夫なんすか」
「あぁ、お前のくだらないダジャレにイライラするくらいは健康だ」
そう言って隊長はバシンとキードを叩いた。オレはというと、どうもこの女の子が気になってしまう。体調に似ているが、どことなく竜の面影もある気がする。
「お前、名前は?」
とりあえず名前を聞いてみるものの、女の子は一言も答えない。
「あぁ、そいつに名前はない」
「え。どういうことだよ、それって」
「…まぁ、複雑だってことだ。丁度いい。お前、名前つけてやれ」
丁度いいってなんだ。動物に名前を付けるわけじゃないんだぞ。
そうは思うが、複雑だというならば仕方ない。この子は緑色の髪で、黒い格好だから…。
「緑と黒だから、ミロだな」
「人のことは言えないが、お前も結構センスないな」
「うるさい」
よろしくな、ミロ。そう言って再びオレはミロに手を伸ばす。
ミロはオレの手を見ると、思い切りグイと引っ張り、近づいたオレに足払いをして転ばせた後再び鳩尾に殴りかかってきた。
こいつ、本当に大丈夫なのか…?




