第8話 偶然の再会
久しぶりの更新になりました…最近忙しくて…スミマセン。
そして、一人称を「俺」→「ルキナ」に変えました。
これからは、一話ごとをもうちょい長くしようと思います。
この街に来て3日目の昼を迎えた。
この街については、大体分かってきた。
この街では、月に一回教会で“慰霊の儀式”なるものが行われるようだ。
この儀式はアシュラム教の信者達が積極的に参加するようだ。
そしてこの儀式のためその日は、ほとんど飲食店やあらゆる施設は閉店する。
アシュラム教の信者でない人が経営する店は、もちろん開いているのだが、この街は聖都というだけあってほとんどが信者なのだ。
つまり、今日はほとんど、どこの店も閉まっていた。
仕方無く俺達は近場のバーで軽い夜食を食べ、夜の街を歩いていた。
「しかし、通りに人はいっぱい居るのに店はどこも閉まってるとは…」
ふいにダイルが口を開く。
ルキナ達はどこに向かうでもなく歩いていた。いつの間にか広場にたどり着いていたようだ。
広場の中央には、英雄ルキナの石像が立っていて、夜にはライトアップされていた。
網目のように細かいレリーフに装飾された台の上、その英雄は仁王立ちしていた。
力強い拳。鋭いその目は大空を見つめ、右手には“退魔の剣”が握られていた。
「まぁ確かに。」
ルキナが答えた。
ふと前の方から、綺麗な女の人が歩いてきた。
ルキナは隣を見ると案の定ダイルの目は女性に釘付けだった。完全に瞳孔が開いている。
大丈夫だろうか?
「おい!ルキナ見たか?今の人。」
「うん」
「よし、声掛けんぞ!」
「はっ!?ちょっ…」
突然の行動に驚くルキナの手を引っ張ってダイルが女性の方へ小走りで歩み寄る。
それに気付いたのだろうか?
女性は警戒して小走りで逃げて行った。
「ちっ!逃げられたか…」
「おい。ダイル何やってんだよ?」
「何ってお前、一緒に遊ばないかって誘おうと思ったんだよ。」
ルキナはダイルを見た。
ダイルは高身長で顔はかなり整っていた。いわゆる美男子というやつだ。
確かに異性に人気は高いのだろう
「そんなのやめようぜ…」
ルキナはあまり乗り気では無かった。
「お前だってかなり顔整ってるし、女なんてイチコロだぞ。やってみろよ。」
ダイルはルキナを見る。
ルキナは顔は整っており、美男子ではなく、男前な感じだ。すっとした眉毛、鋭く目力のある眼。女性に人気間違いなしだ。
二人で掛かればこの街の美女は牛耳れるだろう…
ダイルは、そんな邪な計画を頭の中で必死に考えていた。
「お前は無愛想過ぎる。そんなムッとした顔じゃなくて笑顔!笑顔!ほら、あの綺麗なお姉さんなんかどうだ?」
ダイルが狙いを定める。
ルキナがそちらに目をやると、確かにお洒落で綺麗なお姉さん二人組がいた。
思わずルキナの顔が綻ぶ。
「なっ!行って来い」
「ちょっ…まっ…」
半ば強制的にルキナは二人組の前に押し出される。
「あっ…あの…その」
ルキナが緊張しながら声を掛けた。
「何…?男前さん。クスクス」
二人組が振り返り、ルキナに微笑み掛けた。
「あっ…すいません。何でもないです…!」
ルキナは顔が真っ赤になるのを感じ、そのままダイルの方へ逃げ出した。
「何やってんだよ、お前。あれはいけたぞ。」
ダイルは呆れ顔でルキナに尋ねる。
「無理だって…俺には…!」
「情けないな~じゃああの子狙え!あれならいけるだろ」
と、再びダイルが指示を出す。
後ろ姿は可愛いらしく、ルキナと年も変わらなさそうだ。
あれなら大丈夫か…
ダイルは、成功するまで許してくれないだろう…そんな気がする。
諦めてルキナは少女の前に立ち、声を掛けた。
「あのさ…もし良かったら…」
ルキナは少女の顔を見上げた。その瞬間、その顔に見覚えがあることに気付いた。
しかし遅かった。
何故なら、ルキナの腹部に少女の飛び蹴りがクリーンヒットしたからだ。
「私に気安く声掛けてないでよ!」
空中で飛び蹴りを食らわせながら、その少女は怒鳴った。
「うっ…お前は…」
ルキナはその場に倒れ込んだ。




