第80話 全力戦闘間近
メアリスとクロリスの二人が揺動として侵入した僅か1分後、。
結界の他に存在していた巨大境壁5枚が崩壊した。
そう女王蜘蛛58体が命令を受け遂に本格的に動いたのである。
更に女王雀蜂並びに王角兜虫達はそれぞれ天空島を超音速飛行にて天空島へと攻撃を開始した。
それとほぼ同時刻、
『国王と思わしき人物を捕捉しました。天空島です。』
チエの言葉と同時にヴァイシアは即地上に地を破裂させ飛び出した。
深さ約960mから飛び出した為、当然とてつもない範囲の地盤が崩壊したが当人は気にせず天空島の下部にそのままの勢いで侵入した。
アームスのスキルを奪う際に記憶情報を盗んでいたので国王ガルデナを見つける事が出来たのである。
ヴァイシア侵入による天空島の揺れは凄まじくダナシアを入れる檻がとてつもない軋み音とともに半壊した。
しかしダナシアは逃れる事が出来ない。
何故なら内側にめり込む様に崩壊したせいでまともに動けるスペースが無いからである。
本調子ならこの程度の檻簡単に破れるというのに…という事を思いつつ生きている事に感謝した。
ギリギリで止まってくれたから良かったものの折れた鉄格子の一本が喉元スレスレで止まっていたからである。
(間一髪のギリギリじゃん!!危なッ!!)
ダナシアはそう思いつつ早く味方が来ないかと期待していたのだが…。
「居ないじゃん!えぇ~、空間魔法で転移したか〜という事は今ガルデナがいる所は間違いなく私の探知が弾かれている地下空洞だね。」
少し音が低いがかなり若い女性の声が聞こえてくる。
久しぶりにあの男以外の声を聞いた。
そしてダナシアは思わず語り掛ける。
「あの〜もしかして魔王軍の方ですか?よろしければ、お願いします出してください!!」
いきなり声が聞こえ驚いたが確かに探知内に反応があるので誰かいたようだ。
とりあえず人間では無さそうなので助けることにした。
…瓦礫の山に檻ごと潰されているけど大丈夫なのだろうか?とは思うものの軽く瓦礫を吹き飛ばし檻を粉砕し中の者を救出した。
「ありがとうございます。私は魔王アリシアの幹部たるメルシアの妹のダナシアと申します、本当に助かりました。あの貴女は?」
メルシアさんの妹?聞いてないが?…まぁ言われてないから知らないのも当然か。
私は即座に思念伝達にてメルシアさんに報告を入れつつ私自身の自己紹介を軽く行った。
(あ、間違いなく馬鹿妹で間違いないです。拾ってくださり助かりました。)
と蛋白な反応が帰って来た。
うーん、とりあえずこの人どうしよう?人質的なのがいる想定してなかったんだけど…。
うーん、転移魔法で送ってやるか〜。
「転移魔法でメルシアさんの所に送るんで捕まってください。」
するとダナシアは私に向き直ると
「あの、出来れば元帥様にお願いがありまして…。」
「ん?」
ダナシアのお願いとは今まで自分を守護して貰っていた悪魔の受肉というものである。
かなりの期間閉じ込められていたが無事だったのは悪魔の御蔭らしい。
そういうことなら5体?いや、悪魔なら柱か?別に良いけど…ちゃんと面倒見れるなら…。
とも思ったのだがどうやら私に使えたいと言っているそうである。
WHITE?
「悪魔は強い者に従う種族ですから、」
らしい。
私の強さに惹かれたのだとか。
う〜ん、確かに今後の課題としては人手不足というよりも個として強い存在の不足だし…。
確かに悪い話では無い?そもそも100年ぐらいは受肉なしで世界に干渉していた様な存在なら絶対強いだろうし…。
でもなぁ、…。
あ!クロリスとメアリスの護衛に丁度いいんじゃね?!あの二人私がいうのもなんだけど危なっかしいしお目付け役的なのがいれば良いのではなかろうか!
悪魔ぴったりじゃん!!
「分かった、どのぐらいの強さの悪魔かにもよるけど全然受け入れるよ。」
私がそう言うとダナシアは説明を開始した手短で頼みたい。
チエさんによる省略。
悪魔族とはなんぞや?
① 肉体を保たない精神生命体の一種であり下位個体でもBランク下位の実力を持つとされる。
② 種族階級としては下位、上位、上将、公王、王帝の5階級とされ階級が高くなればなる程フィジカルやエネルギー量が増えるらしい。
③ 特殊階級は爵位であり【騎士爵】【準男爵】【男爵】【子爵】【伯爵】【侯爵】【公爵】【大公爵】【王】とされあらゆる面での技量、知能面などの指標の様なものらしい。
④ 傾向として生きている年数が古ければ古いほど爵位階級が上がる傾向にあり近世代、中世代、古世代、最古の4つに別れており最古の存在ともなると問答無用で爵位が【王】だそう。
⑤ 七の系統、派閥に別れており【破壊(赤壊閥)】【崩壊(黒崩閥)】【生死(白死閥)】【創造(緑造閥)】【時空(黄空閥)】【因果(紫果閥)】【停止(青停閥)】と言うらしくそれぞれに【王】爵位の最古の存在がいるらしい。
⑥ 悪魔界と呼ばれる悪魔達の生息する異空間では原則として上将クラスが成長限界とされる系統の【王】であってもそれは変わらない。
まさか、【最古の七閥王】じゃねぇだろうな?と思うがチエさんの予測演算でもほぼ確実に現れそうなのが間違いなく【最古の七閥王】らしい。
…別に良いんだけどさぁ。
「それでは召喚術式はこんな感じですのでお願いします。」
私はダナシアから召喚魔法の方陣を思念伝達にて入手した。
かなりの上位召喚魔法である、まぁチエさんの作成した【全軍座標転移】の方が上位召喚術式らしいけどね。
何せ万超えの軍団を好きな場所に好きな様に動かす訳だし。
「MP割と使うなぁコレ、まぁ良いや【召喚上位悪魔 門陣】。」
召喚魔法の中で指折りの上位の悪魔召喚魔法である【召喚上位悪魔族門陣】は文字通りの悪魔族召喚魔法である。
ただし"召喚門陣"を通過可能な存在は原則としては上位クラスとされる。
そして、現れたのは上将悪魔でありチエさんの解析の結果【王】の爵位である。
えっと…。
白、緑、黄、紫、青…色の髪色…。
はい、時間圧的に間違いなく最古との判定を受けました!【最古の七閥王】で間違いないです!戦力大幅拡大入りました!
さて、色々軍団構成を考え直したりしたいところだが…そんなに私今暇じゃないのよね。
すると白い悪魔が一礼し
「此度の召喚誠にありがとうございます。マスター。」
うん色々したいけど私は今は暇じゃねぇのよね。
「ん、とりあえず正式な契約は後にしてくれると助かるけど…。今後も仕えてくれるって事で良い?」
すると歴戦の悪魔達は迷いなく
「「「「「コチラからよろしくお願い致します。我が君。是非とも御命令を!!」」」」」
と一斉に頭を下げ、忠誠を誓う。
ふむ、悪魔は騙すことはあるが嘘は付かないらしいし問題ないね。
さて、命令、命令か…。
私の部下達の仕事を盗るのはダメだな。アイツ等にはしっかり成長してもらう。
となると…。
私はニヤリと笑う。確か2か国あったな…帝国だったか?この5人ならいけるだろ。クッククック。
「ならさっそく仕事というかお願いがある。
ここから少し遠くにクロイダ帝国という人間の帝国がある。
なんでもこのフェネルフィシア王国とは同盟関係なようで邪魔をされても困る…という訳で、そこを落して貰いたい。
出来るますか?」
私はかなり無茶なお願いを行った。
なんでも私はただ暴れて居るだけでなくしっかり情報収拾も行なっておりクロイダ帝国は上位戦力の四分の一をこのフェネルフィシア王国防衛戦に注いで来ていたらしい。
勇者級は全員フェネルフィシアからの要望でやって来たらしく今のクロイダ帝国にはほぼ居ない。
だが軍勢と民間人併せて総勢15億の帝国である。
正直5名のみでは無理だろうが…そこは【王】爵位の存在である。
「我々が各自保有する400の配下を使っても宜しいのでしたら問題ありません。」
各自ってことは2000体、多分ほとんど上位級と考えれば国落としも容易か。
「許可する。
ついでに受肉体に関しては後で正式な者を渡すが戦地に転がっている死体全部使って構わない。
ちゃちゃっと片付けて来なさい。」
私がそう言うと、
「「「「「我が君のお望みのままに!!」」」」」
そう言うと同時に5柱全員が転移し消えて行った。
さて、戦争終わったら悪魔の配属決めないのとなぁ何せ合計2000柱でしょ?
いっそ新しく作るかぁ~。
よし、遊びは終わりだ。
そう思うと同時に私は空間転移にて国王ガルデナの居る"間"に転移するのだった。
そこは、神秘的かつ異様な空間であった。
広さとしては体育館程と言った方がわかりやすい程の大きさであり、地面は石畳で壁や天井は岩の様なゴツゴツとした空間、全体的に暗いが血管の様に広がる青白いMPの脈によって完全な暗闇とは言い難い。
そして中央には巨大な青白い繭の様な人工物があった。
MPの脈もこの繭から広がっている為、ほぼ確実にコレが人造種のエネルギー源だろう。
「どうかね?この空間は、この葉脈の様に広がっている脈動は正式には造魔脈と言ってね。
人造種のエネルギー源なのだよ。」
胡散臭い爺さんが現れ嬉々として聞いてもないような説明を始めた。
「あっそ、けど私かなり強いからその源の人造竜…倒すよ。お前ごと、。」
私がそう言うとかなり驚いた顔をして次の瞬間に大笑いを始めた。
「そうか、そうか、ハッハッハ!!どうやら貴様は私が考えていたよりも智慧が回るようだな!ハッハッハ!!
まさか造源の正体が人造竜だと見抜いていたとは!」
「当たり前だろ、見れば分かる。
最強種の竜種四体には及ばない、というか竜種はそれぞれの個体が独自のエネルギー体系を持つ大厄災。
けど、それは少なくとも独自のエネルギーを持たないが竜種を比較に出さないと行けない程には強い。
強いて言うなら準竜種級か?」
そう言いながら私は"荒怒之王"と"傲慢之罪"の全力発動準備を整え更に全攻撃に"強欲之罪"の効果を付与出来るように準備を整えた。
更にクロリスとメアリスに避難指示を行い女王達には一定範囲外で待機指示を行う。
そして、
(お姉ちゃん達は来なくて大丈夫、私もLv上げしたいしさ。)
そう、シルヴァお姉ちゃん達の参戦を拒否した。
三人ともヤバそうなら強制介入するという事を条件にして了承してくれた。
さて、
「どうせお前を殺したら人造竜が起動する仕掛けだろ?」
私がイタズラっぽく言うと
「そうかそうか、そこまでバレているのならもはや分かるな?大人しく降伏するのだ。
私は君のような素晴らしい実験材料が欲しかっ――
最後まで言わせる訳もない。
私は繭の目の前に立ち、鎌に付いた血を振り落とす。
簡単に言えば通り過ぎ様に切り殺したのである。
「私の興味はお前だよ。人造竜!さっさと出てこい。」
アリシアとラリアナさんは他の用事で離脱しているので私は存分にコイツと遊ぶ事が出来るのである。
大地が揺れ周囲の造魔脈から光が消えていくMPが繭に吸収されたようだ。
そして
■■■■■■■■■■ーッ!!
地上まで響く程の機械の様な咆哮が響き渡り繭が崩壊を始める。
そして、中からとてつもない厄災が現れようとしていた。




