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底辺虫系JKの異世界冒険譚  作者: 怠惰な脳筋
人魔大戦本戦
73/87

第72話 殲滅戦―地空戦①

 

 人類連合軍、《魔導機兵団》の全員が各々配置に付いた。

 フェネルフィシア国外周東エリアに本陣を構えているがコレは魔王領土が大陸の東側にある為である。

  装甲魔導戦車1万台、5mを超える人型機械兵器10万台が綺麗に並び900隻以上の空母艦が今か今かと敵を待ち構えている。

 さらに《魔導機兵団》前方には《合成義兵団》の兵士達総勢660万人が緊張した顔付きで敵軍の襲来に備えていた。

 彼等は元々なんの変哲もない民衆ながら自らの"国"を守る為自ら志願した"兵士"である。

 しかしやはり戦いの場に長年身を置いてきた訳ではないのだ。

 死に恐怖し、怪我を負う事に恐れる者も少なく無かった。

 しかしその恐怖を和らげるかの如く《人造騎操軍》の聖騎士達の戦前の祈りが緊張した戦地に響き渡る。


 彼等は気をしっかりと持つ。

 国を守る為、家族を守る為命を賭けにきたのだ。

 恐怖に怯えている場合ではない。

 それにコチラには勇者様方がいる。

 到底負ける気がしないのだ。



 




 そしてその瞬間が訪れた。

 戦艦より号令の笛が鳴る。

 魔王軍がやって来た合図である。

 全員が前方に注意を向ける。

 しかし彼等は見る前に聞いてしまった。


    −−−−闇竜之咆哮覇デモンドラゴ・ノア!!!!!−−−−

 

 それは上空から見ればただの光の"線"だったろう。

 光の線はフェネルフィシアの防御結界百層の八十層を破壊し止まった。

 無論その直線上にいた213567の命など何が起きたのか理解出来ずに消滅した。 


 それは、たかだか1000年前に魔王の座に付いた一人の少女のただのMPをレーザーである。

 悪魔族デーモンと竜種の混血児の少女その名は九滅魔王くめつまおう・暴怒滅尽【アリシア】である。



…………………………




 えぇ〜。

 何今の…。

能力スキルを介さない純粋な魔力放出技です。』

 あ、出来れば何しら能力使ってて欲しかったレベルの一撃何だけど?

「どうだヴァイシアよ!コレが力なのだ!」

「おぉう。エゲツねぇな。」

「一応扇状に打てるが…やるか?!」

「魔王軍のやる事がなくなるから無し!」

「分かった!」


 コレ…アリシア一人でも問題なさそうだわ。


「アリシア様流石です!」


 よいしょするな〜。

 メルシアさーん。

 あ、違うコレ遠い目をしてるわ。

 戻ってこーい。



「おぉ〜。あの結界かなり凄いね〜。

 アリシアのMP一点放出に耐えきったわ。」


 ラリアナさんがその様に言うので私も見るが、八割消し飛んでいるとは言えど確かに耐えていやがる。

 私が喰らったら間違い無く身体に大穴が出来そうな一撃なのに…。凄いな。


「あ、いたいた。アレ勇者じゃ〜ん。」

「私の方も見つけました。」

「同じく!さっそく倒しに行っていいか?」


 お姉ちゃん達が勇者をそれぞれ見つけたようでさっそくラリアナさんにその勇者を異空間に飛ばして貰っていた。

 自分達もその異空間に向かい撃破するのだ。

 自分達とまともに殺り合える相手に久方ぶりに血が騒いでいるようである。


「ホイ、勇者は三人ともワタシの異空間に飛ばしたから〜。倒しておいで〜。」


 というラリアナさんからの号令により三人は異空間へ。


「んじゃ!頑張ってね〜ヴァルシア!」


「ん、お姉ちゃん達も気を付けて!」


 お姉ちゃん達が異空間で勇者と戦うのでお姉ちゃん達の助力は得られない。

 けど…私もこの新たな究極能力『荒怒之神』を存分に使いたいからね。


「お嬢様、異禍軍全軍準備完了しました。」

「了解。メルシアさ〜んそっちは?」

「良いよ問題ない。」

森人族エルフ軍は問題ないらしい流石だね。

「シュン、カカオン、ホントに良いんだよね?」

「うぃ。」

「何を今更、任せな任せな。」

「了解。私は助けにいけないからね?」

「雑魚狩りするだけだし〜。」

「そもそもLv上げも兼ねてっから問題ないよ。」

ホントにノリ軽いな。まぁ大丈夫か。 

「トリュフ君、幹部就任から即戦争だけど大丈夫?」

「何がなんだかよく分かりませんが、成し遂げてみせます!」

真面目だね〜。


「…さて、アリシア〜。せっかくだから出撃号令どうぞ〜?」

「良いのか?」

「アンタの軍ですから〜。」

「よし、では−−−−」


 −−−−魔多竜連合軍・全軍出撃−−−−!!!!


「「「しゃオラ!!!!」」」

「「うッしゃ!!!」」

「「応!!」」


 魔王軍が動き出した。




−−−−第一戦場−−−−



 東側上空より黒いモヤが向かって来ている。

 否、それは大量の魔蟲族インセクタントである。

 地表には数百mを超える砂煙が立ち込めとてつもなく巨大な生物が雪崩の如く押し寄せて来る。


「な、なんだアレは!」

「蜘蛛なのか?デカすぎる!!」


 空母艦からの主砲の一撃をものともせずに時速10kmでゆったりと突き進んでくる。

 

 しかし問題は超巨大蜘蛛ではなかった。

 大量の蜘蛛型の魔物がとんでもない速度で接近してきており空からはカブトムシ型、クワガタ型、蜂型、カマキリ型が迫って来ていたからである。

 しかも視界を覆い尽くすほどの大群で。


 異界の火器たるアサルトライフルの最大有効射程はおよそ150m程度。

 そこまであの大群を近づければ終わりだが、人造種ガーディアン達が一斉に魔蟲族インセクタントの群れに襲い掛かる。

 不死身の軍団は一切の躊躇もなく大群に突っ込んでいく。

 

 そして

「蜘蛛型が150m以内に入るまで誰一人撃つな!」

 隊長の一人の号令により一気に緊張が広がる。

 大砲部隊も待機している。


 そして150m以内に入った瞬間に全員が狂ったように連射する。

 スモールレッサー個体は通常の弾丸一撃で即死する程度の耐久力しかないがレッサー、ノーマル個体は大砲が直撃でもしない限り死にはしない。

 それでも連射される魔弾丸は耐えらるものではない。

 しかし圧倒的数の力に押され徐々に徐々に魔蟲の牙は人の息の根を止めるべく迫りつつあった。

 蜘蛛型の魔物が近づくにつれ弾切れ、もしくはリロードの必要が出てくる。

そこで編み出されていた戦略ソレは、


「前方部隊!中衛部隊と入れ替わり後方へ!

 中衛部隊は前方部隊と入れ替わり魔物共に目にもの見せてやれ!!」

 

 1575年、長篠の戦い。

 当時、連射能力の低かった"火縄銃"にて持続的な射撃を可能にした戦術があった。

 その戦術は、【三段撃ち】と呼ばれ当時最強と謳われた武田信玄の軍を打ち破った策である。


 それを連射能力の高いアサルトライフルにて行う。

 現代戦において"連射"は玉の無駄であり主に遠距離からの狙撃がメインとなっている。

 しかしここまで近づかれてしまっては狙撃どころではない。

 故の連射、そして直ぐ様リロードの必要が出る故の【三段撃ち】である。

 【三段撃ち】にて持続的射撃を行いつつ後退する。

 

 しかし多少の時間稼ぎになるとはいえ上位個体は射撃によるダメージが少なくさらにダメージを気にせず突っ込んでくるのだ。

 

 恐らく兵士達も気づき始めている。

 "死"を恐れない。

 虫故に、

 "個"としての"死"を一切恐れていない!!


 

 そして虫の魔物の後続から何かが飛び出して来た一人が撃ち殺そうとするも素早く、狂ったように連射を行いなんとか殺す事が出来た。


 ソレは死して尚コチラを見つめていた。

 人間の5歳児ほどの大きさの黒い人型の魔物であり両手にはナイフの様な武器が握られていた。

 

「ガサッ!」


 何か…いる。

 蜘蛛の大群の中に何か人型の魔物がいる。

 ソレはとても黒目の大きな魔物であった。

 しかし人型なだけで人ではないと直感するその魔物達もまた狂ったように突撃してくる。



「隊長!新たな魔物です!人型の!!」

「構わん撃ち殺せ!!」

 徐々に慣れてきた兵士達は勝ちを確信していた。

「ガッ!」

「ガサガッ!」

 奇妙である。

 アルフ隊長はそう考える。

 人型と言うことは間違い無く"知性"がある。

 しかし現れた人型は一切の戦略もなくただ"突進"してくるだけ…。知性が微塵も感じられない。

 だがもしコレが何かの罠だとしたら?

 もし、仮に何かしらの戦略があっての行動だとしたら?

 …いや、考え過ぎである。

 現に彼等は"悲鳴"をあげながら死んでいっているのだから。


ドンッ!!


 魔物の軍勢からそんな音がした様な気がした。

 それは銃声であり、まだ人型の魔物については一体も侵入を許してなどいない。

 誰かが単身突撃した事も考えたがそれは違う。

 何故ならそれは自殺行為であり相当な覚悟を持っていなければならないだろう。

 しかも志願した"民間人"がそんな事をするのだろうか?

 しかし銃声と共に一人の兵が倒されたのは事実。

 裏切り?

 もしくは人型の魔物が銃を使用した?

 どこから手に入れた?

 どこから…。

 

「ぅ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」


 突然、一人の兵士の悲鳴が響く。

 しかし、姿が見えない。

 どこだ?


「た、隊長!上!上です!!」

「何だと?!」


 「ガサ。」

 

 上空およそ50m程だろうか?

 シルエットがトンボの様な二対の翅を持つ人型の魔物が兵士の一人を抱えて飛んでいた。

 兵士の足は切り落とされており尚も痛みで悲鳴を上げている。

 兵士達に降り注ぐ人間の血。

 動揺が走る。

 ソレはそうだ、彼等は軍人ではない"志願して来ただけの民間人"なのだから。

 そりゃそうなる。

 

「ガーサ、ガサ、ガサガサ。」


 奴は何か命令を出しているようだった。

 次の瞬間にトンボ型は兵士の銃を腕ごともぎ取り、もぎ取った銃を下の人型の魔物達へ投げ込む。

 投げ込まれた銃を一匹が掴み即座に銃口を合わせ

ドゴン!!


 撃って来た。

 そうか、コイツだ!

 このトンボ型が銃を奪い手下共に供給、発砲させていたのか!! 

「あの飛行している奴を撃ち殺せ!」

 

 私はそう命令するが


「ですが隊長!仲間が!!ソレに銃持ちは?!」

「死ぬ事は承知だった筈だろう?!銃持ちは"死榴弾"を投げ込み殺せ!!」

「ですが!」


 射撃の手が一瞬だけ、ほんの一瞬だけ緩んだ。

 そんな気がした。


ブチッ!!

ゴシャ!

メキャ!!


 その一瞬を許す程魔物達は甘くはなかった。

 たかだか数秒の動揺の間に接近を許し前列の者達が殺されていく。

 ただの腕の一振りで身体が半分になっていく兵士達、それを見てパニックになり逃げ出すものまで現れた。

 そしてさらにパニックを加速させたのは撃ち殺したはずの人型の魔物が平然と起き上がって来たことだ。

 奴等は…死んでいなかった。



 そして人型の魔物がスタートダッシュの構えをすると次の瞬間には私が見たのは

ブチャッ!!

   −−−−空であった−−−−



 隊長が死んだ。

 首を失った隊長の肉体が数度の痙攣の後に倒れる。

 隊長を殺した人型の魔物はゆっくりと身体を起こしコチラを凝視してくる。



 この戦場において厄介なのはトンボ型である。

 彼が片っ端しから現場指揮を行う隊長を攫い上空から叩きを落としているのだ。

 さらに腕ごとアサルトライフルを強奪し他の人型の方へ投げ込む即座に使用させている。

 コチラは武器を奪われ兵もパニックだというのにアチラは武器を手に取り兵も次々とやってくる。

 まさしく悪循環であった。





 人型ゴキブリ。

 モデルは害虫王ゴキブリである。

 その虫は人間大にすると一歩目から時速330kmで走る事が出来る。

 さらに自重のおよそ900倍の加重に耐える肉体を持っている。


 しかし魔物である為、普通ノーマル個体は初速から時速220kmと時速100km程遅くなっている。

 さらに加重については300倍と3/1程度までしか耐える事が出来ない。


 しかし弾丸程度でなら容易く防ぐ事ができ、そもそも時速200km超えの速度で移動するのだから人間が到底反応出来るはずもなく一気に優位を奪うことに成功した。

 さらに人型であるが故の学習能力の高さと上官個体たるトンボ型からの司令により倒した人間から"希少剣レアソード"、死榴弾5個、拳銃、予備の弾倉マガジンを回収し即座に使用していた。


 特に猛威を振るったのは"死榴弾"であった。

 たかだか殺傷効果範囲は7mそこらの爆弾であった。

 普通、人が手榴弾を投げる際は下から投げる。

 それは手榴弾が重く野球の様なフォームで投げると肩を壊す為である。

 人間より強力な"強肩"をもつ人型達にとっては野球ボールと変わらない代物であった。

 時速550km。

 彼等が投げる"死榴弾"の速度である。

 こうして《人魔軍団インセクタントミリタリー》並びに《魔蟲軍団インセクタントアーミー》の下位個体の大群はこうして地上を蹂躙していた。





 

−−−−第ニ戦場−−−−



「なんなのだ!あの盾軍団は!!」


 兵士達は狂ったように死榴弾やアサルトライフルの連続射撃にて多重攻撃を加えていた。

 しかし結果は侵攻妨害どころの騒ぎではなかった。

 全員が2mはありそうな円盾リングシールドを両手でしっかりと握りそのままの勢いで突進して来ていた。

 豚盾軍団オークタンカーミリタリー戦法。

 それはとりあえず突進する事である。

 一番HPの低い豚人族オーク達でも8000もの体力がありさらにフル装備に盾とガッチガッチ装備の彼等にとっては小細工などなんの意味もない。

 トリュフは戦術については素人である。

 したがって彼が考えたのがとりあえず進もうと言うことだけ。

 結果として盾を各々構え全員て突っ込む戦法となったのである。

 しかし鉄板を持った力士みたいな体型の奴等が時速55kmで疾走してくるのだ。

 人間側からすれば溜まったものではない。

 さらに殲滅戦であるが故に殺傷能力を高めるべく姿勢を低くし、盾に人間が触れた瞬間に下から掬い上げるかの如く吹き飛ばしつつ前進する《豚盾軍団オークタンカーミリタリー》。

 地面に倒れ起き上がろうとする人間の兵士達は、平均体重320kgの豚盾軍団オークタンカーミリタリー》の面々に踏み潰されていく。

「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ」  「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」「前進せよ。」     

 Lvの低い物達も人間という経験値の塊により急速にLvが上がっていた。


 ちなみにトリュフはと言うと。

「ヌゥおおぉぉぉぉぉぉァァァ!!!!!!」


 単身敵陣に突撃し装甲戦車部隊付近まで到達。

 さらに装甲戦車15台を巻き込みながら時速150kmで爆速していた。


「トリュフ様ー!!!後続が追いついておりません!!トリュフ様ー!!!」


「ヌゥおおぉぉぉぉぉぉるぁぁぁぁぁぁああ!!!」


「ダメだ聞いてねぇ!!」

「いつもの事だ!気にすんな!!」



 トリュフがオークの長だった理由。

 それは圧倒的なまでの真面目さである。

 一度だけ25年ほど前に森は大飢饉に見舞われた事がある。

 ソレにより多くの同胞が餓死に追いやられた。

 幼き頃のトリュフはその光景に嘆き、一人走った。

 走った走った走り続けた。

 そして辿り着いたのがドワーフの【岩盤街】である。

 そこで初めのうちは警戒された。

 そりゃそうだ、オークは知性が低く単純な思考しかできない種族故に危険だからだ。

 しかしトリュフはドワーフ達との対話を重ね信用を勝ち取りドワーフからの食料提供を受けるかわりに鉱山での鉱石採掘への全面協力を約束した。

 しかし食料危機である為、そこまでの食料提供は得ることが出来なかった…しかし!!

 ドワーフ達からもたらされた食料、それは一ヶ月間は食わずとも生活可能となる食品であった。

 それは岩の様な固さ故に消化に時間がかかり尚且つ栄養価の高い食品であった。

 その食品の名は《岩茸》である。


 そして岩茸によってオークは飢饉を免れ

 トリュフの誠実さと真面目さが大飢饉後もドワーフとの良好な関係を築き上げたのである。

  



 真面目すぎるが故に、彼は戦場にて自ら突破口をぶち開ける。

 幹部就任最初の任務であり自身より遥かに強い魔蟲の支配者に軍名まで授かった。

 ただ食う量が他より多く真面目さと努力のみで駆け上がって来た30年の命。

 今まで以上に本気で扱う時が来た!!

 もはや一族のみならず魔王配下、それも幹部として負けることなど許されない。


 その一心で戦争に参戦していた。


 トリュフは真正面から装甲戦車の主砲を受けつつ前進し続け主砲下まで到着すると直ぐ様主砲に盾でアッパーをかます。

 トリュフの盾アッパーにて主砲は一撃で使い物にならなくなりそのままの勢いで10mを超える装甲戦車を轢き飛ばし15台と100名以上を巻き込みながら前進し続けた。

 

 ソレに感化された配下の上位個体達が一斉に軍団の前に飛び出しどんどんと人間を轢き投げていく。

 そして大勢の豚人族オーク達が残りの人間達を倒していく。

 コレにより"戦闘に参加"している豚人族オーク達は急速的にLvが上がっていった。



「トリュフ殿、今の所の犠牲者はどうですか?」


 突如、上空よりマザーが現れる。


「問題ないマザー殿、我等オークはダメージを私の能力スキル「分配王」にて全体に分配出来る。

 全員のHP全てを消し去るほどの攻撃でない限りは問題ない。」


「ならばよし、その調子で装甲戦車と周りの雑兵を倒してください。

 それからこのあと貴方自身に直接の仕事があるかもしれませんのでその時はよろしくお願いします。」


 トリュフのその言葉に満足したのか一瞬で飛び去るマザー。





−−−−第一空戦−−−−



 

  


 

 トリュフ達、【豚盾軍団オークタンカーミリタリー】が人間と全面衝突した頃、上空でもとんでもない戦いが始まっていた。


 ギメル率いる【龍蒼軍団ドラゴミリタリー】である。

 彼等が担当するのは空海母艦もだが一番は人造種ガーディアン達である。

 魔蟲族インセクタント女王クイーン個体達が半分程受け持ってくれているとはいえやはり数が多いので彼等が担当することとなった。

 しかし

(飛行能力の無い、蜥蜴人族リザードマンでは飛竜ワイバーン型の人造種ガーディアンの相手どころか戦う土俵に立っていないな。ならば!)


蜥蜴人族リザードマンの物達の半分は早急に【緑鬼軍団グリードミリタリー】並びに【森人騎魔総軍エルフハイグレーター】の援護に迎え!

 残り半分の物達は地上の援護である!!」


「了解しました!ですが人造種ガーディアンは…。」


「問題ない!龍人族ドラゴニュートは我に続き人造種ガーディアンを蹴散らすぞ!!」


『「了解!!」』


 龍人族ドラゴニュートはもとよりドラゴンの様な翼が生えている為、飛行が可能であり造飛竜ガーディワイバーンとの戦闘など容易であった。

(コチラの龍人族ドラゴニュートはおよそ1200程度明らかに足りんが…。)

 

「一人5匹戦闘不能にすれば問題ないな!!」

『「流石ギメル様!無茶良いやがるぜ!!」』

「褒めるでない。」

「ガチ照れやめません?」

「さて、では行くとしようか!ヤバくなったらエルフ達に回復をしてもらえば良かろう!!ゆくぞ!!」



 人造種ガーディアンとはいえ飛竜ワイバーンを5匹相手にするなど彼等には荷が重いと感じていた。

 それは森の頂点の一角である火飛竜ファイアワイバーンが集落一つを一匹で焼き払った為である。

 そのの火飛竜ファイアワイバーンはジャレのつもりだったようだがそれでも甚大な被害が出たのである。

 それ以来、蜥蜴人族リザードマン飛竜ワイバーンには力の格差があると言われていた。

 しかし…。


「アレ?倒せるぞ!」

「え、マジで?あ…ホントだ…。」


 そもそも集落一つを焼き払った火飛竜ファイアワイバーン火炎竜ファイアドラゴンであった為戦闘能力が飛竜ワイバーンとは桁違いであった事。


 蜥蜴人族リザードマンから種族階級が上がり戦闘能力が大幅に向上した龍人族ドラゴニュート飛竜ワイバーンというよりは竜族ドラゴンに近い戦闘能力を持っている為5匹程度は苦もなく相手が出来た。


「ま、まさか。ギメル様は我々の力量と造飛竜ガーディワイバーンとの実力を知りつつ、過去の実力差に臆する我々の恐れを取り除く為に…」

「マジか…。流石は軍団長!俺等の大将だぜ!!」


「おっしゃ!!行くぞ!!」

「うぉぉぉぁ!!!」


 と配下達は勝手に解釈し士気が爆発的に向上したが…。


(ん?何やら部下達の士気が向上したようだが…何かあったのか?)


 彼はそもそも己の鍛錬に明け暮れる日々を過ごしていた為、飛竜騒動を知らないのである。

 それ故に存在値と能力の練度から龍人族ドラゴニュートなら勝てると踏み1人5匹を提示したのである。

 

 (ならば我も何か良い所をみせなければならないかもな。

 元帥として作戦立案を行いはするが戦場での対応は我等、軍団長と副総督のマザー殿に任せられる元帥とは違って我は部下からの信用が不可欠であるからな。)


 ギメルはその様に考えながら向い来る造飛竜ガーディワイバーンの群れ20を纏めて細切れにしていた。


「ギメル様すげぇ!!」

「軍団長に選ばれる訳だ…強い。」



 こうして自身のやっていることの重大性を理解していないギメルは一気に信頼と信用を勝ち取ったのであった。

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