第67話 人類と魔族最初で最後の会談
一部差別用語とも取れる用語が使われていますがゴキブリ相手ですのでご容赦ください。
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「と、いう訳で〜。私の魔王仲間がここら辺に引っ越して来ることとなった!」
「どういう訳だ?」
「アリシアちゃ~ん?何急に言ってんすか~?」
私とグウルさんはその様に突如舞い戻って来た魔王に対して言い放つ。
上司に向かって辛辣だがまぁどうでも良い。
私はなんかアリシアと友達らしいからね。
私も承諾したし。
ちなみにその魔王仲間が引っ越してくる理由が、とんでもなく暇だからと大陸に何もないから。
あとはこのままでは吸血鬼の魔王に大変な目に遭わされそうだから…らしい。
まぁ暇だからという理由なら私も分かる気がする。
強くなればなる分敵瞬殺でつまらなくなるもん魔王となれば尚更だろう。
私は運良く里で生活し始め"軍事元帥"の役職を貰って奮闘しているから何とか暇にならずに済んだだけなのである。
「と、いう訳で入って良いぞ〜ラリアナ〜。」
そう後ろを振り返りながら言うアリシア。
おいおい、そこには何もないぞ?と思っていた矢先。
空間の揺らぎすらなく一人の少女が現れ…小っさ!!
まさかの身長30cm?!予想外にも程があるわ!!童話の妖精か!
「ど、どうも〜はじめまして〜。ワタシが九滅魔王の調停の大妖精の二つ名を持つラリアナ・メルシャンで〜す。以後よろしくお願いしま~す。」
随分かしこまって来たな。本当に魔王か?と思っていた所
『存在値が測定下限段階でも5倍以上です。更に究極能力の上位権能を検知しました。魔王アリシアより数段上の能力を保有しているものと推定されます。』
はい。戦闘能力だけでも普通に強いっすね私より。
しかし身長30cm程度の奴が私の存在値を凌駕していることのほうが驚きである。
しかしアリシアより上だと?!
無理じゃん!!
戦闘なったら勝てません死にます。
その後"衣類大臣"シルヴァお姉ちゃんと"建築大臣"ウネヴァお姉ちゃんがやって来た。
「え?ラリアナ様?!」
「あ!蜘蛛の子?!」
…そこ繋がってたんかい!
話を聞くとどうやらあの洞窟相当広く他大陸へも行き来できるそうで本来はシルヴァお姉ちゃんはラリアナの支配する大陸付近にいたそうである。
その際にお世話になったのだとか。
「お久しぶりですねラリアナ様ざっと十数万年ぶりでしょうか?」
「そうだね〜。いや〜しかし見違える程に強くなったね〜。」
…魔王がもう一人来ると聞いたが何とかなりそうである。
という訳で話を聞くと精神生命体である"精霊族"と"妖精族"の始祖であり身長は設定変更で自由に変えられるらしい。
という訳で本題だがラリアナの異禍群への居住は…却下である。
「なッ何故なのだ!」
「俺は別に構わんぞ?」
「里長もこう言っていますよ?」
「別に良いと思〜う。」
まぁ当然こんな反応である。
しかし考えても見て欲しい。ラリアナさんは精神生命体何でしょ?
特攻持ちがいるんだよね。
しかも近くに居るだけでも強さ関係なく消しされるような奴が。
「ブランクって言う大鬼がいるんだけどソイツの"力"が精神生命体特攻みたいな感じで近くに居るだけで消しされるから…最悪ラリアナさんが消し飛ぶよ?」
「あぁ〜、でもラリアナ様なら何とか抵抗出来るのでは?」
「そのブランクって子の映像を思念伝達で送ってくれる?」
「はいよ。」
私は思念伝達にてブランクの映像をラリアナさんに送った。
観た瞬間に身体が透けだしたので恐らくブランクが認識するだけではなく対象が認識しても消しされるのだろう。
「あぁ〜、浄化される〜。」
「待て待て待て!死ぬな死ぬなまだ早い!!」
という訳で何とか都合良くブランクの姿形のみをラリアナさんの記憶から削除した。
「うん。無理。存在が不定理化されて消される。」
話が早くて助かるね。
という訳で異禍群と森人の領域の間に新たに住んで貰うこととなった。
お姉ちゃん達が手伝いで向かうこととなったので人間との戦争となればお姉ちゃん三人は数歩反応が遅れるだろう。
まぁ私がいるし何とかなるけどね。
ちなみにラリアナさんも戦争になりヤバそうなら戦力をバンバン投下してくれるそうだ。
ありがたい。
こうして魔王アリシアの仲間に魔王ラリアナが加わったのだが、実は世界最強種たる竜種四体のうちの一体がラリアナの世界系能力の中に入っていたのだが……
今は関係のない話である。
…………………………
いや〜。
私は鬼族:茨木童子の筆頭三名の名前を考えていた。
戦力強化である。
適当でも良いけど統一性が欲しい…。
よし!
"怨"シリーズで行くか!
と言う訳で角が紫の女性には死怨
角が緑の男は怨豪
角が薄緑の男は怨憐
と命名した。
コイツ等は大鬼の中でも飛び抜けて強いようなので引き続き茨木童子のサポートをして貰おう。
次にギメル君の配下筆頭4名は"竜"シリーズで
鱗が黄色い者は雷竜
鱗が黒い者は黒竜
鱗が薄い赤の女は竜火
鱗が濃い青の女は竜蒼
である。
Lvは低いが全員が龍人族なので成長すればイカれた戦力となるだろう。
楽しみである。
そんな時…
「ガサッ!ガサカサ!(ヴァイシア様ご報告が!)」
太く筋肉質な脚に黒い外骨格、光を吸収する瞳…ゴキブリ人間の"脚型"か。
「どうした、脚型そんなに焦って。」
「ガッサ!『ガッサカサ』ガサカサカザ!報告します!空を飛ぶ"鋼鉄の巨大なまな板"がコチラに向けて飛行して来ています!」
…?
空飛ぶ鋼鉄のまな板?
ナニソレ?
『万能探知にて確認しました。恐らく空母戦艦と思われます。』
空母?!
え!空母?!
マジで?!あんの?!
『音波感知にて確認しましたが間違いなく空母戦艦と同形状の飛行船艦です。』
マジすか〜。
あんのか〜空母戦艦がこの世界に…。
まぁ魔物と生存競争してて一歩も科学技術が進歩してない訳がないからね〜。
むしろコッチの方が正しいだろう。
異世界から人も召喚しているらしいしな。
さて、問題は何しにここに来やがったか…だな。
宣戦布告か?この野郎?
本陣だぞコルァ!舐めてかかると痛い目見んぞテメェ等!
と思いつつゴキブリ人間達を様子見に向かわせた。
何気に人型になったとはいえアイツ等普通に飛べるからね。私も転生直後から飛べてたし。
そうして様子見をしていた結果、空母戦艦は1隻であり異禍群から10km離れた地点で停止した。
更に魔法通信にてコチラに向け通信をして来た。どうやら和平を望んでいるらしい。
…にしては随分戦闘向けの物で来たな。
そして幾度かの会話の果てにコチラは会議の時間を要求した。
その代わりとして相手側では和平会議の場を戦艦内で行うという条件を提示して来た。
…まぁ時間を貰うんだしその条件呑んでやろう。
「と言う訳で誰が交渉に行く?私でも良いけど?」
私がそんな事を言うと…。
「流石にダメですぞ!!」
「お嬢様人間を信用し過ぎてはいけません。」
「お母っ元帥自ら出向く事はないでしょう。」
「罠の可能性もありますしここは慎重に…。」
案の定めちゃくちゃ反対された。
いや〜まぁでも私行けばほぼ動けなくね?と思ってるんだけど?
魔王・勇者級存在が行くんだよ?
よほどの覚悟がない限り下手に動けないでしょ〜。それこそ玉砕覚悟が過ぎるってものだろう。
帝国時代の日本か!
「んじゃぁどうする?誰行く?何人で行く?」
私は面倒ごとが苦手である。その為普通に担当直入にズガズガ質問し決める会話法を取る。
長話など時間の無駄だ。
さっさと話合えば直ぐに終わるというものである。
魔物や魔族も難しい話を永遠に聞かされ続けるよりは分かりやすい。
人間時代なら理解されなかっただろうが魔物となった今はこの会話法が受け入れられている。
「そうですね。我はまず無い…ですな。
人間に対して嫌悪感はないのですが、そもそも人間の会議は長いという印象が強く我は、長話に付き合いきれる気がしませんので。」
ギメル君はパスか。まぁ君どちらかと言えば体育系だもんね〜。
「私も同じく。
あまり長い話は好きではありませんし何より臨機応変に交渉出来るかと言われればそこまで…。」
ヴァイアちゃんも無しだね。
そもそも君はまだ若いからね。
…アレ?私も同い年じゃね?
まぁいいや
「余は、ちょっと幼少時代にトラウマがあり、人間とは会話したくない…です。」
茨木童子はなんか人間といざこさがあったんだね。
という訳で茨木童子も無し。
嫌な事があるなら無理をさせてはいけない、ストレスは身体に毒である。
という訳で無し。
「私は良いですが最悪癇癪起こして首からしたが無くなってしまいますね。」
マザー?!
癇癪起こさないで?!
「ですが良き案がございますよ?」
ですよね!代打案ありますよね!私の幹部4人全員が交渉出来ないもん流石にあるよね!
「私の部下の知型を送りしましょう。彼なら素晴らしい成果を上げられると確信しておりますから。」
知型?マザーの腹心筆頭のハゲゴキか。
確かにアイツなら行けるか。
まだまだ若いけど既に理解力とその速度、高い統率力と素で人間の10倍以上の知能を持ってるらしいし交渉には打ってつけだな。
しかも戦闘力も存在値も900万でA級上位相当だし何なら高い統率力のせいか特有能力「統率者」も獲得していたからね。
しかも一度見た攻撃は直ぐ様会得反撃する高い戦闘力もあるし何とかなるか。
「それじぁ決まりだね。知型とあとは…筋型と毒型あとは拳型と人型魔蟲の上位およそ30名を連れて人間との交渉に向かって貰おう。異論は?」
「ないです」
「直ぐ様、知型に連絡いたします。」
「有事の際は直ぐ様動けるよう軍を配置しておきましょうぞ!!」
「問題ございません。」
ちなみに罠の可能性などを加味してもこの数なら問題ないだろうし大丈夫だろう。
しかも上位を30匹も出すんだから余計に心配はいらない。
A級下位相当だからね。
戦闘になっても問題ないでしょ!
……………………
さて、魔王領域内に侵入が成功したな。
空間広範囲転移にて空海母艦1隻まるまる転移して来たが攻撃されずに済んだので何よりである。
初手から迎撃されていれば作戦が失敗に終わっていたのだから。
帝国のガンダ中将はそのように思いつつも即座に乗組員全員に命を下す。
「全員!分かっているだろうがあくまでもコレは交渉を模った宣戦布告である!何があっても攻撃はするなよ!」
「了解しました。」
ガルダ中将はフェネルフィシア国まで魔物共を誘き出す作戦指揮官である。
更に自ら初動たる交渉の場に出席する事で相手側を完全に信用させるという人心戦法を行っていた。
この艦には現在およそ400の船員が乗っている。
速やかに空間長距離転移で逃げられるよう全員に避難訓練も実質済みである。
此度の作戦は非常にリスクを伴う。
コチラ側の思惑がバレれば終わり、更に向こう側が予期せぬ動きを見せれば終わりである。
しかし魔人は実力を過信する生き物でもある。
基本的に正面突破以外はしてこない。
しかし間違えれば生命が終わる緊張感と言うのはやはり慣れないものである。
しかしコチラが予想していた以上に魔物共は慎重であった。
会議の為の時間の要求まで行って来たのである。
コレにより自爆プロセスを最終段階まで移行する事が出来た。
あとは完全に交渉を終えその直後に転移、離脱し人魔大戦開戦の狼煙とするのみ。
その直後に100隻の艦隊が転移し一斉砲撃を行いつつ誘導する流れである。
「ガルダ中将!魔物側の使者が到着いたしました。総勢33名です。」
…来たか。
「分かった、会談質に連れて行け!くれぐれも粗相のないようにな!」
「ハっ了解しました!」
さて、どのような者が来たのか…。
艦下部より指定転移魔法陣から姿を現したのは肌の黒い者達であった。
いや焦げ茶、灰色に薄い茶色を混ぜたような皮膚?のような外色の者達である。
いや、問題は皮膚の色ではない。
見た目だ。
目は見開かれたようだが恐らくコレが通常なのだろう瞼が無いのだから。
頭の毛は生えているが短いな数mm程か?統一されている。
何より180cmを超える身長と筋肉質な肉体である。…人では無い。
改めてガルダ中将は思う。
しかしそれと同時にこの先頭に立つ魔人…白い大きな肩に掛け布を結ぶ姿、異世界人共の描く"ギリ、ギリシャ彫刻"の様な姿である。
その者は不意に腕を挙げる。左腕だ。
…なるほど本気で交渉の人材を探していたか。
都合が良い。
私は、両の手でその突き出された腕を握りしめる。
「よくぞおいで下さいました。魔王様の使者様、私は本艦の艦長のガルダと申します。」
『ガルダ殿と申されるのですね。私は魔王"幹部"のエヴォーカーと申します。
それで此度はどのようなご要件でコチラに?』
閉じる事の無い瞼でコチラを見つめながら笑うエヴォーカーに私は恐怖を抱いたのであった。
こうして会談が始まった。
私はまず手筈通りに一ヶ月半前の侵攻をしたのがフェネルフィシア国であると言う事を説明する。そして我々は一切関与していない事もひと通り説明した。
すると
『なるほどソチラの言い分は理解しました。
ですが…それだけの事を話にわざわざ魔王の領地に出向いた訳ではないのでしょう?』
感が鋭いな流石は魔人といった所か。しかし見た目こそ人間とはまるで違うがまるで人間と会話をしているような感覚だ。
そう思いつつ私は本題に入った。
そう和平を申し出たのである。
さっそく部下にコチラ側の要求書を持ってこさせ読み上げさせる。
「我々、クロイダ帝国の要求は主に3つであります!
一つ、クロイダ帝国並びに魔王領との不可侵協定!!
一つ、我が国との貿易および国交を開く事!
一つ、我が国が戦争を宣戦された場合に後ろ盾になって貰うこと!またソチラ側が宣戦された場合は我々は援軍を送る。
以上です。」
更に詳細な記載がされている要求書をエヴォーカー殿に渡し反応を伺う。
『少々お時間をくださいますか?』
「勿論ですとも、何時間でも構いませんよ。」
『そこまでお時間は取らせませんよ。』
そう言うとペラペラと要求書を読み始める魔人。
早い、1枚1枚丁寧にめくりつつ目をせわしなく動かし凄まじい速度で読み漁っていく。
そして10分後。
そっと要求書を閉じた。
馬鹿な…ざっと100ページはあったぞ?!
フ、フフフ…危なかったな。最初の魔物達の会議時間の要求がなければ本当に自爆プロセスが間に合わなかっただろう。
要求書は自爆プロセスを踏む為の時間稼ぎの為に文字数を増やしていた。
それがたかだか10分足らずで読み終わったのだ。
あの1時間がなければ計画が狂っていただろう。
そしてコチラ側の要求は一部変更はあれど無事にのまれた。
アチラ側は、我々《クロイダ》が異世界から人間を召喚していると知ると少し考えた後にこの召喚を辞めるよう要求していた。
""彼等にも生活や家族がありそれを突如コチラの都合で奪わ行為は人道的ではないとのことである。""
人間の国家でも長く論争となった問題である召喚者の問題に対しての一種の正解の様な物を即座に我々に向けて言い放った事には我々も感嘆の声を挙げる。
よもや人間と同等か?
そう思わせる程にこのエヴォーカーは人を理解していた、恐らく始めて出会ったであろう人と言う種族の精神を…。
もし仮に同じ種ならば、世界が違ければ理解りあえた存在であろう。
最大源の敬意を持って君とその主を殺そう。
私はそう決め席を立った。
会談は終わった。
我々は少し彼等に本国への魔法通信を行うべく席を立つと言い残しその場を去った。
艦の物達は全員、転移魔法陣を結晶化させた結晶石を握り私の合図を待っている。
結晶石は座標を入力しMPを注ぎ込めばその座標に転移する事が出来る優れものである。
使い捨てではあるのだが…。
私は右腕を挙げる。
全員が転移を開始する。
艦の自爆まで残り10秒。
私は瞼を閉じる少しはあの者との会話を楽しく思っていたのだろうか…私は。
だがもう遅い。
ここに人魔大戦:開戦の爆音が辺り一帯に響き渡った。
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作者メモ 知型の喋り方
言葉が二重に聞こえる不思議な会話方法ですが知型君はガサガサやカサカサの言語以外に人間の言葉も普通に扱えます。
人間で言えばチンパンジーの言語と自分達の言語を操っているようなものなのでヤバい奴です。




