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第66話 どの世界でも人間なんて禁忌に触れてるのよ

 大国フェネルフィシアの王宮:会議之広間には多くの者達が集まっていた。

 クロイダ帝国との合同での作戦会議である。

 

 今回の会議は人類の存亡を賭けた重要なものとなる。

 その重要性を理解する将兵達や並ぶ文官、貴族衆には皆同様の緊張が走っていた。



 会議之広間には多くの参加者が並び座っている。

 フェネルフィシア側

 軍事最高司令部メドアとその腹心10名

 更に各部隊隊長総勢100名

 各大貴族衆総勢120名


 クロイダ帝国側

 軍事最高司令官ロイドナーと腹心20名

 更に各部隊隊長総勢150名


 総勢400名がここに集結した。

  

 かくして人類の存亡を賭けた会議が始まった。

 

 先ず、開戦の目的は魔王の討伐である。

 


 他の大陸では人間という種族は一人も残らず絶滅させられている。

 …いや、吸血鬼ヴァンパイアの魔王の所では生存しているようだがもはや家畜の様なものだろう。

 人類と魔物・亜人・魔族そして魔王は互いに相容れない存在でありもはやどちらかが滅ぶまで対立するだろう。

 いや、亜人に関しては突き放したのはコチラであるがもはや用済みなのだ。

−−−−−−−−−−−−−−まとめて殲滅する−−−−−−−−−−−−−−−

 二大大国はそう決定付けた。

 先に領地に2万の軍を出撃させたが予測を超える戦力により大半が行方不明となった。

 コチラから手を出した以上、間違いなく攻め込んでくるだろう。

 そこを大国フェネルフィシアの人造種ガーディアンで叩く算段である。

 

 しかし予想外にも魔王側の戦力が急速上昇を始めていると人工衛星:真流の広範囲精密監視機構が確認していた。


 魔蟲族インセクタントが魔王軍に加入しイカれた速度で戦力を増幅させているのである。

 

魔蟲族インセクタントの動きが予想外でしたな。」

「まさかあの化物が四体同時に魔王軍に加入するなど…。」


 クロイダ帝国:中将ガルダはフェネルフィシア側からの報告に冷静であった。

 戦力を増強してくるという可能性も視野に入れていた彼にとっては誤差の範囲内である。


「しかし魔蟲族インセクタントが魔王軍に加入したとなれば第2プランを視野に入れるべきでだな。」


「だ!第2プランですと!アレを使えと申すか!!」


「そうだ第2プランだと?!

アレを使えば周辺一帯が跡形もなく吹き飛ぶぞ!!」


「しかしアレを使えばS級モンスターであっても容易く葬り去れるやも…。」


「そもそも実戦で投入された記録がない代物だぞ!

 しかも相手はS級を遥かに凌駕する魔王・勇者級の化物共だぞ!」


「しかし魔蟲族インセクタントの実力はそちらが一番よく分かっているのでは?」


「しかし三次被害である"繁殖阻害物質"と"再生妨害物質"更には"発癌性物質"は我々人間にも害が及ぶぞ!」


 と一斉にフェネルフィシア貴族衆および軍部より"兵器"使用に対しての意見が飛び交う。

 今回の戦争は人類の存亡および初の勝利の為のものである。

 しかしその為に自分達が自分達の兵器で傷付くのは筋違いなのである。しかし


人類コチラ側の被害を考えていてはもはや勝てぬ領域の化物共だぞ!

 いちいち被害を考えて何が戦争か!」


「怖気づいたか!愚か者共が!

 そもそも戦争で被害が出ない訳がなかろうが!」


「既に宣戦布告の狼煙は上がっておるわ。

 勝たねば死に勝てば次の魔王がやって来ようぞ。

 もはや我々人類に勝ち目など無い。ならせめて魔王9名のうちの一人でも多く道連れにする事コレこそ我等万年続くクロイダ帝国の信ずる教義である。」


「その様な戯言に我等を巻き込むな!」


「先に話を持ち掛けたのは貴様等フェネルフィシアのほうだろう?」


「落ち着くのだ皆の衆。」


低く威厳ある声が会議室に響き渡る。


「ガルデナ国王様?!」

「何故このような場に」


「ようやく話の分かる者が来たか。」


 ガルデナ・フェネルフィシアが会議室に足を運んで来たのである。

 

「此度の戦での犠牲など百も承知である。

 帝国側の言う通り犠牲なくして勝利はない。」


 落ち着きつつも絶対に二言は言わせないという意思の元の言葉でありフェネルフィシア側ももはや第2プランを受け入れる方針へと舵を切った。


 


 次に軍事編制だが、

民衆からも義兵を集め両国軍勢総勢1000万名以上という世界最大規模の連合軍が誕生した。


更に1000万名は各部隊に配属され連合軍は主に三つの軍勢を主軸とすることとなった。

 


 

        《魔導機兵軍》兵団構成


 異世界の科学を参考に超進歩した科学技術と魔法技術を融合させた軍勢。

 連合軍では2番目ともなる400万名の軍勢である。

 フェネルフィシア本領での防衛戦で稼働する軍勢でありフェネルフィシア出身者が過半数を占める。


 〘機械人兵団〙…魔法技術と最先端工学の結晶たる5m大の人型機械兵器を扱う事が出来るエリート兵団。

           個人の戦闘力はE級ながらも人型機械兵器の戦闘能力がA級下位の魔物と同等。

人型機械兵器およそ10万台、乗組員1台につき5名が必要であり総人数50万名。


 〘装甲魔導戦車団〙…A級下位の魔物であれば倒せる程の威力の主砲と

        C級の魔物ならば5発で仕留める事が出来る連続弾固定銃ガトリングが搭載された多重装甲戦車部隊である。

装甲魔導戦車…一万台

          20名での操縦の為およそ100万名が所属している。


〘空海両用母艦〙…全長150mを超える空母型の戦艦部隊であり文字通り空域並びに海域の両方にて絶大な影響力を持つ《魔導機兵団》最大の軍勢部隊。


 A級を容易く葬り去る主霊砲並びに艦下部に取り付けられた100を超える連続弾固定銃ガトリングにて地上を蹂躙する事が可能である。


空海両用母艦はおよそ1000機。

      1機につき最低でも300名の乗船が可能であり最大700名を超える。

     〘機械人兵団〙並びに 〘装甲魔導戦車団〙を輸送即座に戦地に送り込む事が可能。

 更に飛行時は時速180km

              航海時は時速213kmでの移動が可能である。



 更に空母の名の通り1機につき50の魔戦闘機を格納しており滞空しながらの離着陸も可能。


  340万名の兵が乗組員として乗船している。






          

 






       《人造騎操軍》


生命複製クローン技術と魔物の生命力更に選りすぐりの精鋭騎士達を主軸とした部隊である。

 人造護族ガーディアンには希有能力エクストラスキル「不死体」が備わっており動力源の根幹が破壊されない限り時間経過で復活する。


〘聖騎士兵団〙…およそ100万名のクロノス教信者達で構成された聖騎士の軍。

          最低でもD級程度の実力があり

ほとんどの者がB級相当の実力を有している。

なかにはS級相当の実力者もおり聖騎士の半数が神聖魔法の行使が可能である。

総人数は15万。

         しかし10万は人造種ガーディアン乗騎士ライダーとしてフェネルフィシア防衛戦に参戦することとなっている。



竜系人造騎士ガーディアンライダー〙…下位飛竜レッサーワイバーンから上将飛竜アークワイバーンまでの飛竜ワイバーンを元とした人造種ガーディアンに乗り戦闘する聖騎士兵団。

 人造飛竜ガーディワイバーンのなかには五大属性を行使可能な種も存在する。

総勢45万名


狼系人造ウルフガーディアン〙…B級からA級上位の狼系ウルフの魔物を元とした人造種。

   高い戦闘力と起動性能を有しているが本来の群れでの戦闘は出来なくなっておりそこまで製造されておらず総数1万程度。

 


異世界人造ワールドガーディアン〙…異世界人を主として多数の魔物のDNAを組み込んで誕生した混合人ヒューマキメラ達。

          1割程が特有能力ユニークスキルを保有していただけありC級相当からA級上位までの実力揃い。

総人数25万。


更に多種多様な魔物の人造種ガーディアン:600万。





        《合成義兵軍》


 主に民衆から徴兵された者達で構成された連合軍最大人数の軍勢。

 戦闘の初心者が大半を占めるが機動作補助装着服パワードスーツを装着しておりC級相当の実力の者が過半数を占めている。

 A級相当の実力者が少ないものの希有剣具エクストラソードは全員に支給されており

           アサルトライフル一丁と拳銃二丁更に弾丸200発も全員に支給されている。

           中には死榴弾を5個持ち運ぶ者までおり数の暴力にて戦場を支配する義兵兵団である。


総人数660万人。





 これこそが連合軍三盟軍の戦力である。

 衛星にて確認している魔王軍の戦力を加味しても十分過ぎる程の軍事力を有している。

 ただでさえ手加減なしの過剰戦力を集結させたのだ。

 

 そしてここに第2プランも実戦投入されるともなれば人類側の勝利を確信するのも無理はないだろう。


 しかしガルデナは勝利をより強固なものとする為とんでもない事を言い出した。


「魔核弾頭兵器の絨毯爆撃を空海母艦にて魔王軍に行う。」


「マジか」

「王よ流石に無茶では?!」

「環境が終わりますぞ!!」


 "魔核弾頭兵器"とは"核兵器"に魔導と科学技術更には能力スキルの全ての叡智を結集させた。

 超広範囲殺戮兵器である。

 

 爆心地は直径10km程のクレーターを一瞬で造りだし岩盤層を完全に融解させる熱量を放出する事が出来る。

 更に爆発によって生じた衝撃波は大魔法すら霞むほどの絶望的威力を発揮し更に"真空"を作り出す。

 作り出された"真空"を埋めるため外側の大気が瞬時になだれ込み減圧および加圧を作り出し爆発に耐えたとしても圧殺する事が可能な兵器である。


 ここまでを第一被害と呼ぶ。


 第2被害


 DNAに干渉し生殖活動を困難にする有害物質および能力スキルの再生能力を著しく低下させる"再生妨害物質"更に圧倒的発癌性物質の合計三種類の禁忌級被害を及ぼす雨が爆心地周辺に降り注ぐのである。


 

 更に第一被害を強者も弱者も均等に殲滅させるべく能力スキル「耐性大貫通」を付与しており"無効級"の耐性持ちであっても大ダメージを負う極めて非人道的兵器である。 


 そんな物を絨毯爆撃…つまり100発以上叩き込むとこの王は言い出したのである。

 確かにそうすれば勝てるには勝てるが確実に人類側の出生率にも発癌率にも影響が出るがもはや大戦は止めどころを見失っていると言えよう。


 問題はどのようにして魔核弾頭兵器の絨毯爆撃を成功させるのか?という点である。


 しかしこの点については直ぐに結論が出た。

 先ず、コチラは2か国の連合軍である。

 それ故に片方づつで別々の作戦を同時に実行する。


 一つはフェネルフィシアが空海母艦10機にて魔王軍を挑発し誘導する方法。

 移動速度的には追いつかれる危険性があるにはあるが戦闘機にて気を散らしながら誘導すれば何とかなるだろう。

 更に軍を動かすならば必然的に速度が出せなくなる"満腹度"やSPの問題もあるので尚更である。


 もう一つはクロイダ帝国側が魔王軍に友好条約を持ちかけ締結直後に空海母艦1隻ごと自爆するという方法である。

 コチラに関してはリスクが高い。

 何故なら魔王側が和平を望んでいるかがコチラには分からないからである。

 しかし勝算はある。


 まず、クロイダ帝国は亜人種を突き放していないのである。

 フェネルフィシア含め他の国は森人エルフなどを用済みと突き放したがクロイダはやっていない。

 正確に言えば更に酷いことをしている。

 いうなれば監禁し一人残らず餓死させているのである。

 誰一人として残す事なく餓死させたので外にはその事実は漏れ出ておらず周りの国が突き放したりしていたのでもはや事実はうやむやとなっている。

 万が一にもその事実を魔王側が知っていれば詰みであり人類全体を敵と見なしていても詰みである。


 空海母艦1隻を消費するプランだが魔核弾頭兵器程の威力で無いにしろS級までなら殲滅可能なのである。

 無論、締結後にしばらく待機してもらいその隙に乗組員全員が転移魔法にて離脱すれば犠牲は空海母艦のみですむ。

 少なくとも魔王側の幹部クラスがくれば上々の戦果が期待できるだろう。

 

 


 結果、人類は同時にこの作戦を実行する事を決定し作戦は1週間後に開始される事となった。

 誰もが思う。

 この戦いは人類の存亡を賭けた人類史に残る大戦争となると…。

 




     人魔大戦開戦である。







…………………………………………………………………

作者メモ


《人造騎操軍》の部隊には人造種ガーディアンは含まれていません。

なので100万人となっていますが実際更に数段エグい戦力です。


 流石に連合軍で1000万人はやり過ぎたかと思いましたが第二次世界大戦では1億人動員されていたと聞いていた事があったのでまぁ何とかなるかと思いました。

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