第59話 魔王襲来そして私の名は
最近になってようやく5000文字書くのにも慣れてきました。まぁそのうちこれの2倍は書けるようになりたいものです。
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マザーの活躍もといゴキブリ達のバイキングによってわずか1週間足らずで死体の処理は完了した。
ほとんどはマザーの眷属…つまり私の兄妹姉妹達の活躍でだいたい2時間弱で終了した。
コレで病原体が生態系を崩す心配もなくなったと言う訳だ。
私とお姉ちゃん達はとっとと帰って来たわけだけどマザーはこの1週間食い溜めをおこなった様なものなので動かずじっとしていれば軽く一年以上は飲まず食わずで生きていられるようだ。
まぁ働いて貰いますけどね。
主に里でもマザーは働いてもらうのである。
というかグウルさんも言っていたが食料問題がこのままいけば確実に出る。
食い扶持が増えるのだ仕方ない。
私達の眷属達、魔蟲族の大半は洞窟内で魔物を狩り生活させる事にしているが問題なのはそろそろ帰って来る里の4000人らしく備蓄はあるがいきなりドカッと備蓄が消失する恐れがあるそうだ。
そんなこんなで私の眷属であるレッサーマンティスを里の人達に貸し出しカマキリに乗って集団で狩りにいく里の人達を頻繁に見るようになった。
アイツ等地味にD級の魔物だし里の人達は少なくともB級の実力者揃い。
なんの心配もいらないね。
むしろ私の眷属達が足手まといなぐらいだが戦闘させればさせるだけ戦闘能力が上がるし?
そもそもアイツ等全員が希有能力「貪欲Lv1」を持っている。
足手まとい脱却も時間の問題だね
そんな訳で里の采配をグウルさんと話合うべく向かっていた訳なのだが…。
……………………
問題は重なるというか、なんというか…その…今日が私の命日ですか?
そう思った。
時は数十秒前、メルシアさんから緊急で連絡が入りました。
なんでも主、つまり魔王が帰って来たわけで無事を確認するなり私達のいる"里"に向けて飛んで行ったとのこと。
"私が見極めてやる"と言っていたそうで対応を誤れば死ぬらしい。
えげつない野郎が来ることになってしまったよ全く。
しかし…
いくらなんでも速すぎんだろうが!!!
流石のエイルメントお姉ちゃんでもこんな速く飛んで来ねぇわ!!
音速超えはもう慣れたし当たり前としても音速の何千倍の速度があれば1000kmは離れた魔王の本拠地からこの里まで飛んで来れんだよ?!!
流石にアカンので一気に私は真上に飛び立った。
地面にクレーターができたがそんな事はどうでもいい!!
てか民家近くにないからセーフ!
軽く直径50mぐらいのクレーターが出来てたけど…。
あとで直すね?
そして私自身も音速の数百倍の速度で上空約5000m付近まで急上昇した。ここらへんの高さでも全然空気あるから余裕だね。
マジでここ地球とは勝手が違うぜ!
大気層どんだけの高さまであるんだろう?
まぁいいや。
お姉ちゃん達も集まってきてはいるが洞窟付近にいたせいかまだかかりそうだ。
アラクネお姉ちゃんに至っては飛べないし…。
翅が無いからね…。
さて律儀にもほぼ大気圏外から急降下で私のいる上空5000mまで降下してきてくれた。
大気圏外にいたのは恐らく衝撃波問題だろう。
宇宙空間でも生存可能とは…凄まじいな。
魔王…。
というか"法則操作"系の能力ってレアなのかな?
そういう系の能力があれば衝撃波問題は解決しそうなものだが…。
だって"法則操作"だよ?
衝撃波も法則なんだから対象内だろう。
あとでチエさんに造って貰おうっと。
…生きてられたらだけど
さて目の前に現れた魔王、ヤギの角の様な捻じれた角が額から生え瞳孔は縦で竜っぽい。
黒髪ショートで身長は156cm程だろうか?The美少女的な感じの女の子だ。
服装は赤と黒を基調としているが…良く分からない服装だね似合ってはいるけど。
さてどうしたものか…。
チエさんの解析鑑定は一応通る…。
いや、本来なら妨害出来るのだろうがあえてしていないといったところか?
とりま魔王だけど…少なくとも究極能力が何個かあるな。
うん、勝てねぇ。
私も究極能力は持っているけど…。
複数は無理よ?
しかも私の解析系だし?
魔法使えるけどさぁ…。
無理よ?
『無理ですね。』
本人公認よ?
…しかしあえて鑑定させるとは…舐めていやがるこのやろう。
分からせてやろうか?
オォン?
同人誌にしてやろうか?
内容はゴキブリの群れに襲われて…的な感じで…
『普通にキモい思考をしないでください。汚れる。』
あっはい怒られてしまった悲しい。
テメェのせいだぞこの野郎。
逆恨みも激しいか。
辞めとこう。
しばらく睨み合いが続く。
お姉ちゃん達はどうやら結界に阻まれ私と魔王の所に来られないらしい。
まさか過ぎる!!
てことは戦闘になったら私魔王と一対一?!死ぬて!!
全員揃っても勝機あんまないぞ?!
なんなら私普通にお姉ちゃん達よりまだ弱いのよ?
死にますわよ?
パニック状態でお嬢様口調になってしまった、いけないいけない。
さて、本気でどうしようか。
というかそろそろ会話を…いや、私から話しかけるべきなのかなコレは?
「…知っていると思うが、私こそが九滅魔王の一角であり"暴怒滅尽"の二つ名を持つ魔王アリシアだ。」
あ、向こうから話かけてくれたわ。
ここは対応を間違え内容に…。
「あ、知らないです。」
「え、?あ、、、そう…。」
はッ!!しまった条件反射でつい知らないと言ってしまった!!
なんかめっちゃ"シュン…"て顔してる!可愛いな、おい。
ビビっていたのがバカらしくなってきた。
いや、これも作戦か?
しかし最初の挨拶で恐らく舐められない様にしていたようだが私はある程度メルシアさんから対応策を聞いているのである。
基本は超が付くほどの頑張り屋さんだが根は子供らしい。
「あぁ!えぇっと、私が知らないと言ったのはあくまで九滅魔王の魔王全体の呼称でありまして、決して!アリシアさんの事を知らないとかそういうわけではなく」
「あ、うん…分かった、から。」
とんでもなく落ち込んでいる〜!!
アカン対応を違う方向で間違えたぁ〜!!!
めっちゃ落ち込んでるんだけど?!
子供か!
受けた説明通り子供か?!
「ん、ん〜!さて、とりあえず突然の訪問申し訳ないな!改めて魔王アリシアだ!初見で私の心を傷付けた者はお前が始めてだが今回は許そう!」
根に持たれたねコレは…さてとりあえずどうしようかな。
「先程はすいませんでした。えっとご要件はなんでしょうか?」
まぁ"私が見極めてやる"とか言っていたらしいし?
私達の事を見極めに来たんだろうけど実際何をするつもりなのだろうか?
「ふむ。
私の目的だが私の部下との不可侵協定を結んだと聞いてな?
それと封印状態にあった魔蟲族が封印を自力で破ったと聞いてな。
様子見に来たのだ。」
なんか意外とちゃんとしてるなこの魔王。まぁ長年部下とか率いていたらそうなるのか。
「なるほど。あ、私は斬魔蟲族のシヴァマンティスです。よろしくお願いします。」
「ほう?名持ではないのか?」
「そうですね。名持ではないです。」
「なら私が!付けてやろう待ってろ〜今考えてるから…」
「え?!ちょっちょと待ってください?!なんでそうなるんですか?!」
いきなり何を言い出すんだこの魔王?!
初対面で名付けしてこようとしないで?!
…何だって?"ブランク"には名付けしただろって?
アレは事故みたいなものよ、うん。
「む?あぁ心配は要らんぞ?私はMPがお前の数千から数万倍だからな!」
「そういう問題ではなくですね!もっと関係を築いてから…てっ数万倍?!」
自身に向けたブーメラン発言から衝撃の一言を聞き唖然とする。
1億オーバーで更に「暴体者」で身体能力が軽く100億はある私の数千から数万?ナニソレ?桁おかしいよ?
「うむ。
私の究極能力、"憤怒之罪"は存在値や身体性能を0を100にも1000にも出来る能力なのだ。
無論、10を1000に1000を10000にも変えられる。
故に名付けによるMPの損失は心配いらぬぞ?」
「そうではなくですね?何が目的なんですか?」
「目的?
…あぁそういうことか。実は私の部下としてお前を雇おうかなぁ〜と思ってな?」
笑顔でいうなよ!
なる気もないよ?!
「いや、私はやるつもりないですけど?」
「えッ?!」
「え?」
「いや、私そういうのあんま興味ないんで同盟とかだったら協力するんですけど…。部下になるのはちょっと…。」
「むむむむむ。コレは予想外だがしかし…。
では同盟にあたって何か望む事があるなら言って欲しい。
私としては君みたいな者が野放しになっているのは正直怖いのでな。」
なるほど。
まぁ存在値1億以上で究極能力持ちとなるとそりゃそうなるか。
まぁ"憤怒之罪"だっけ?それの能力が身体性能の底上げしかも永続なら私なんてなんの障害にすらならなくね?
大罪系は基本チートぞ?
私の"強欲者"ですらチートなんだから。
しかも憤怒てヤバいじゃん?
大罪の中で…。
そんなビビることでもないと思う。
「そもそも私は里の長ではないので私一人で決める訳にはいきません。場所を変えませんか?」
「む?長ではなかったのか?てっきり強いからそうだと思ったのだが…。
まぁ強さだけが上下関係を決める訳ではないからな!そういうことなら仕方ない。案内するが良い!
あと敬語は不要だぞ?呼び捨てで構わん!
それから名に関してはカッコいいモノを考えておくのでそのつもりでな!」
「分かりました。それじゃぁ案内するねアリシア。」
「うむ。よろしく頼む!」
とりあえず一旦は敵対は無しだね。良かった〜危ねえ〜!!助かった〜!!!
アリシアの指パッチンで結界が解けた。
さてお姉ちゃん達に連絡しないとね。と思っていると
『問題ありません。
主と三名は擬似的な"魂の回廊"で繋がっており"魂の回廊"を通して視覚や状況の把握が可能です。
故に主と魔王アリシアの会話は全て聞かれています。』
オゥマジで?
妨害されてたというのに凄いな"魂の回廊"妨害を受けていても問題なく情報伝達が可能なのか。
とんでもねぇな"魂の回廊"。
…………………………
と言う訳で私とアリシアはグウルさんの家兼里の集会場にやって来た。
毎度毎度、里に何かあれば"グウル"さんの家に集まるので慣れてきているようだがグウルさんも大変だな。
まぁ大丈夫か豪快な人だし。
ちなみにお姉ちゃん達は今回はパスして貰っている。
ネメシスお姉ちゃんは真面目な話は嫌いらしいので自らパスしエイルメントお姉ちゃんは、意地でも私のそばに居ようとしていたが、アラクネお姉ちゃんに連れて行かれていた。
アラクネお姉ちゃんは私の事をかなり信用しているようで基本私のする事は放任している。
それ以外はべったりだけどね?
「なるほどなぁ!よく来てくれたな魔王さん!歓迎するぞ!」
相変わらず格上相手にも強気でグウルさんが言うもちろんしっかり"思念伝達"で情報共有は行ったので状況は把握済みだよ。
「うむ。それで?実際私の部下になるつもりはないか?という誘いだな。」
「俺に言ってんのか?」
「そうだぞ?」
「…」
「…」
「…」
なんでこの娘、グウルさんを勧誘してんの?
「先程はそこの魔蟲族に目が行って気が付かなかったがどうやら相当な戦力をこの"里"は抱えておるではないか?
"里"というよりは一つの軍事国家の様なものだ。」
一拍置いて語り出すアリシア
「まずはあの竜人族、大量の武器とそれを全て高品質で扱う技量があるな?
しかも存在値は8000万以上!私の幹部でも存在値は負けているしそれ以上の技術力を持っている。
次に巨人族だ。
ただでさえデカい種族なのに更に数倍規模でデカく弓兵としての腕前も相当なものとみた!更に存在値もあの竜人族と同等以上だ。
この二人に加えて、魔蟲族の支配者階級が合計四体とソレに次ぐ名持個体が一体それも支配者階級の四体は存在値1億オーバーで名持は8000万超えだ。
これらに見劣りするがこの"里"の住民は全員2000程度は存在値がありそれぞれ高品質な技量を持っている。
こんな過剰戦力…欲しいと思うのは当然であろう?もしや自分達の里の価値を分かっておらぬのか?」
…改めて聞くとヤベェな!
この里!!
過剰戦力の詰め合わせセットの闇鍋かな?!
しかもグウルさん自身も存在値1万は超えてるからね。本人も強者なんだわこれが…。
「なるほどな。確かに一理あるな…よし条件がある!ひとまず考えさせて欲しい。」
「うむ。よいぞ?存分に考えるが良い!」
私はグウルさんに向けられた視線を感じ取り迷わず里の全員に要望を聞くべく繋げることとなった。
私の処理能力が高くて良かったね。
いうなれば私がネットサーバーになっているようなものである。
グウル思念伝達
(と言う訳だ!なんか要望あるか?)
メイ
(突然ですね。里長…そうですね。あ、とりあえず里からは離れたくないです。ここが私の居場所なので。)
教官
(俺はそうだなぁ。うん!特にないかな!それより今はエイルメントさんの戦闘訓練中でそれどころじゃなッうわぁぁあぁ!!!!)
守護神
(うるせぇ野郎だなぁ。俺は里長以外からの命令されて動く質じゃねぇからってだけだな。てか転移者共だが少しずつ感情見せはじめたぞ。)
アラクネ
(あら、私もですか?でしたらそうですね。
是非、私の眷属…女王を何体か魔王領土に置いておきたいですね。
文化交流も兼ねて…彼女達には"人化"能力の獲得をさせますし)
ネメシス
(あ、そういうことならボクもアラクネ姉さんと同じで〜。)
エイルメント
(私は特に何もないな!気にするなとだけ伝えておけ!…あ!ちょっと待って!やっぱあったわ!世界樹に私の女王の巣を造らせる許可が欲しい!!頼む里長!)
マザー
(私も特にはありませんが…あぁ、女王様に頼まれていた農業用の植物の種が欲しいですね。珍しいものがあれば良いのですが。)
とのこと。他にも里の人達全員に一気に聞いたのでけっこう疲れたけど
と言う訳でこれらの事をまとめて私が要約すると…
配下になる上での要望書
① 里長以外の命令は聞かない。
② 里以外の土地に勝手に移動させないでね。
③ 魔王領土に文化交流として魔蟲族を派遣する。
④ 世界樹に巣を作らせやがれやオラぁ
⑤ なんか野菜の種よこせやオラぁ
である。
基本的にこんな感じであった。
ちなみにブランクにも聞いてみたが返答なしであった。感触はあるが耳は少し聞こえる程度、他の五感は全て機能していない状態のブランクだが何を考えているのか分からないんだよね。
まぁ今は良いや。
「うむ!なるほどなそんな事で良いなら構わんぞ!むしろやすいものだ!」
「あ、それともう一つ」
「なんだ?」
「住民に手を出したら許さん。」
グウルさんの顔が険しくなる。
まぁそれが一番の要望だろうからね。
てか当然だし守れなかったら私含めた魔蟲族が報復に動くぜ?
魔王以外ならどうとでもなるのだよ!!
「当たり前であろう?だがここに約束しよう!私含め魔王軍はお前達には手を出さんとな!」
「んじゃぁ決定だなよろしく頼む!」
「うむ!コチラこそよろしくな!」
かたい握手をする両者だったが不意にアリシアが
「そういえば、この里の名はなんと言うのだ?」
あ…そういえば私も知らないわ。
里の名前…なんだかんだ一ヶ月ぐらいは生活してんのに知らないわ〜。
てかなくね?里の名前…。
「そうだなぁ。最近考えてあった奴があってな?」
「ほほう?」
「"異禍群"なんてどうだ?」




