第54話 百"蟲昼"行①
−−−−数日程前−−−−
私の眷属が遂に誕生したって"チエ"さんから聞いた私は、今洞窟近くに産卵した場所にやって来ていた。
チキィ チキィ
デカいカマキリが沢山孵化しているよ。
一応我が子という事になるので数日分の食料を持って来たのだが…。
−−−−なんかコイツ等…転生したての頃の私より強くね?−−−−
と感じた。
そんな筈はないと感じながらも念の為にチエさんに聞いてみる事にした。
−−−−チエさん、チエさん−−−−
『なんですか?せっかく今、新魔法の術式構築をしているというのに』
−−−−それがねぇ。転生直後の私とこの産まれたての眷属達、もしかして眷属達の方が強かったりしないかなぁと思いまして−−−−
『なるほど。では、主の転生直後の身体性能と能力を出しますので自分で確かめてください。』
−−−−ありがとー−−−−
よっぽど新魔法の製作に力を入れているのか会話半分だったな"チエさん"…まぁ良いや。
私は転生直後の私の身体性能と眷属達の身体性能を確認し絶句した。
20以上は差があるし?能力も普通に眷属達の方が強いのである。泣くぞコラ
転生直後の私〘黒沢 日向〙
ミニマムレッサーロックコーチ〘Lv1〙存在値39
ステータス
HP:100/100
MP:20/20
SP:20/35
満腹度:35/50
平均攻撃能力:10
平均防御能力:15
平均速度能力:80
平均免疫能力:50
平均魔法抵抗:45
取得済みスキル
ユニークスキル
「創造者」
エクストラスキル
「速度加速Lv1」「免疫強化Lv1」「鑑定」
コモンスキル
「気配感知Lv1」「危機感知Lv1」
「飛行補助Lv1」
「噛顎Lv1」
「HP自動回復Lv1」「食回復Lv1」
「疫病Lv1」
私の眷属達
劣幼蟷螂〘Lv1〙存在値57
ステータス
HP:80/80
MP:35/35
SP:90/90
満腹度:100/100
平均攻撃能力:45
平均防御能力:25
平均速度能力:40
平均免疫能力:50
平均魔法抵抗:45
取得済みスキル
種族能力「斬撃強化Lv1」「複眼Lv1」
希有能力エクストラスキル「鑑定」
普通能力コモンスキル「気配感知Lv1」「危機感知Lv1」「飛行補助Lv1」
「大顎Lv1」
「HP自動回復Lv1」「食回復Lv1」
「連携Lv1」
「貪欲Lv1」
スキルポイント 無し
単純な存在値の差が約18だけど平均攻撃能力が軽く4倍も差があるのはどうなの?
平均防御能力も10は差があるし明らかにコイツ等強いんだけど?
あと何サラッと「貪欲Lv1」を獲得してんねん!
倒せば倒すだけえげつない速度で成長加速する代物の能力だぞ?!
と思っていたのだが流石に調整されていたようで私が持っていた「貪欲」の劣化品だと分かった。
具体的には、
①スキルレベルが上がらない。
②倒した際の奪える身体性能はどれか一項目でランダム。
③奪った身体性能は確定で1/10まで落ちる。
②は変わらないけど、③と①でかなり弱体化してるね。
だとしても倒した相手の身体性能を奪うのは強い。私が保証しよう。
なんなら今の「強欲者」は対象の身体性能の半分を奪えるし能力も希有能力までなら奪い取れるからね。
…チート過ぎねぇ?
まぁそれは良いとして、群れでの連携能力も高くなる「連携Lv1」も所有しているようだしめちゃくちゃ強いのでは?
まぁそれは置いて置いて軽く大洞窟の一階層で魔物を虐殺し"空間収納魔法"で死骸を回収
空間転移で戻って来た訳だ。
虫系の魔物以外にもこの洞窟はかなり魔物の種類が豊富だったようで蛇やら蝙蝠やらいろいろいた。
とりあえず魔物の山を眷属達の近くに積み上げ私は帰宅することとした。
この時、私は眷属達の「連携Lv1」にアクセスし何らかの侵攻時に周辺の魔蟲族に連絡可能となるように細工を施しておいた。
お姉ちゃん達の眷属達も殺し合わないように調整をかけてあるらしく私も試してみたのだ。
コレで人間が侵攻して来た時に私の眷属が先に気づきお姉ちゃん達の眷属に連絡し総攻撃が可能となったと言う訳だ。
逆もまた然り。
と言う訳で、お姉ちゃん達の監視防衛戦に私も微力ながら参戦することとなった。
………………………………
突如、小山を消失させ現れた未確認の魔蟲族…しかも女王級の怪物が妾達を見下ろしている。
圧倒的なまでの超巨大と威圧感…仮に全盛期の妾でも少しばかり手こずるレベルで強いぞ?コヤツ
などと悠長な事を考えている暇はないのである。
あの女王が口を開けMPを集中させている。恐らく小山を消失させたドス黒い柱の様な物をコチラに向けて放とうとしているのだろう。
ギギギギギギッ!キュィン−−−−ゴガァ!!!
鬼族と人間の戦場にドス黒く半径2kmの半球体が精製される。
名付けるなら"MP集爆放出砲"といったところか?自身の大量にあるMPを収縮させ放ち着弾地点で半球体を形成、半球体内の生物を殲滅する魔法である。
この女王の個体は遠距離攻撃を得意とした魔法師の様な芸当が可能である。
といっても人間や森人族達とは異なり簡単な魔法…というよりはMPそのものを魔法として放つ以外はしないのだ。
しかしそれでも存在値8000万を軽く超える糸魔蟲族の女王個体のMP放出量は凄まじく"属性"を持たずして戦場に破滅を招いた。
ギギギガンガンガンガンッ−−−−!
更に自らが産んだ現在近場で動く事が可能な上将個体約1000体と毒魔蟲族の上位100匹、鋼魔蟲族の上将50匹に殺戮命令を放った。
他系統の魔蟲族ではあるが、支配者階級達より全ての女王達は他系統にも指示が出来るようにしてあるのだ。
コレにより女王一体がその場にいれば即座に魔蟲軍団が結成されるのである。
メルシア
「危なかったぁ!!!とりま無事?!」
少し離れた場所にて森人族の女王たるメルシアが酒呑童子にそう聞くと
「今回ばかりは助かった…その、ありがと」
メルシア
「マジでヤバいと思ったからね。コレで貸し一つって事でよろ!」
なんとメルシアは女王が"MP集爆放出砲"を放つ直前に戦場に転移し更に酒呑童子が意図を理解し自軍全体に集合命令を飛ばした。
そしてメルシアの集団短距離転移魔法を使用し鬼族の九割があの一撃より生還したのである。
悪路王
「何だよアレ。化物か!?無属性魔法で俺の黒炎爆より数段上の破壊力じゃねぇか!!」
本来なら属性を介さない魔法など他の魔法よりも格下の攻撃なのだが、莫大過ぎるMPと魔力操作能力が合わさり悪路王の"黒炎爆"よりも遥かに高い破壊力を叩き出していた。
茨木童子
「なななななッ!なんですか酒呑童子様!アレは!!」
「知らんわ!妾が知っているのは蜂型のみじゃからな!!だが他がいるのは聞いておるし恐らくソレじゃな。」
メルシア
「糸魔蟲族だろうね。」
「知っておるのか?」
メルシア
「結界の管理のついでに洞窟内の魔物の調査もやっていたからね。
2層に降りる縦穴付近で500年前にアレの下位種と私の部下が交戦したっぽくて多少はね。」
「聞いておらんが?」
メルシア
「言った筈だけど?聞いてなかっただけでしょ。」
すっかり忘れていたという顔をした酒呑童子を見てやっぱりそうかと思うメルシアだったが不意に悪寒が走った。
「へぇ〜?なんかいるねぇ。コロス?」
「やぁっと見つけたわ。千年ぶりだなぁ?森人族と鬼族の野郎共?」
「二人とも殺しは無しでとりあえず拘束のみでお願いしますね?」
「はいは〜い」
「…エルフ始めて見た。」
魔蟲族の支配者階級四姉妹、襲来
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作者メモ 魔蟲族の眷属達の基本的な性格と知能
糸魔蟲族:超効率重視、冷酷非情、周りをよく見て判断する合理的思考をする。
※基本的に人間よりは知能が高い。
毒魔蟲族:高圧的、短気、諸凸猛進、目と目が合ったら殺し合いという感じの性格。
※基本的に人間より知能が高い。
鋼魔蟲族:面倒くさがり、合理主義、能天気、やる時はガチるタイプの性格。
※基本的に人間より知能が高い。
斬魔蟲族:戦闘狂、残虐非道、効率軽視、弱いものイジメ大好きな性格。
※基本的に人間と同程度の知能。
主人公
「なんで私だけこんなんなの??!」
チエ
『主の性格からほぼ変わっていませんよ?』
主人公
「え?」
チエ
『え?』
主人公の"年位階級"がまだ一桁年位である為人間と同程度の知能となっています。
まぁ最強の相棒こと『思金大王』こと"チエ"さんがいるので系統全体の知能はこのままいけば人間と同程度か超えて来ます。
この世界…人間と同程度の知能がある生物なんて珍しくないのですよ。
仮にソレが"虫"だとしても…ね。




